木になった亜沙

著者 :
  • 文藝春秋
3.52
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感想 : 191
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  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163911915

感想・レビュー・書評

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  • なんだこれは…と思いながら、読み進め、気がついたら3作全て読み終わっていた。

    全てがモヤモヤして、でも、これも一つの幸せなのかと…

    特に『木になった亜沙』は、モヤモヤモヤモヤして、最後にそういう結論!!と思ったけれど、悲しいけれどこれも一つの愛なのかと、いやーでも納得いかない。

  • 「木になった亜沙」が好き

  • 自分の手から誰かに食べさせたい…念願かなって杉の木に転生し、割り箸になった少女は若者と出会う…「木になった亜沙」

    何を投げつけられても何故か当たらない少女はひたすらあちら側に行くことを望んで的になった…「的になった七未」

    何をする気も起きず、寝そべっていたいと思っていた少女はある日、街で出会った男の家について行く…「ある夜の思い出」

    と、あらすじを書いても何のこっちゃという感じの、何とも不穏で不思議な3つの寓話。
    シュールで不条理な展開に心乱される。主人公たちは小さな願いにこだわり、世の中から外れていった……
    彼女たちの願いが叶えられた代償はあまりにも残酷でやるせない。読む度に違う感想を持ちそうな作品です。


  • 「木になった亜沙」、「的になった七未」、「ある夜の思い出」の3編を収録した短編集。この人の作品は『むらさきのスカートの女』しか読んでいないが、どれを読んでも狂気と紙一重の“今村作品”だと納得する。発想が尋常でなく、展開は想像を絶する。3編の中では、ちょっと長めの「的になった七未」がぼくの好みだった。

  • 今村夏子の最新作。
    いや〜……これは……言葉が出ない、というのが正直なところ。ホントこの人は、新刊が出るたびに予想外の方向へぶっ飛んで行く……。

  • 表題作「木になった亜沙」を、はじめ、3作品が収録された作品。

    亜沙は、誰も自分が作った食べ物を食べてくれない。とても哀しく切ない結末に衝撃的だった。

    他の2作も自分はどこか人から受け入れてもらえないところから話が始まる。
    切ない天下一ヒリヒリする。
    最後の話は悲しくもあり未来のある話だったので救われた気がした。

  • 独特な世界観で、読んでいてとても不思議な感覚。しかしスッと心に入ってくる。
    どういうことだったのか、なんだったのか、物語の結末や考察を自由に想像・創造させてくれるような空間。
    端的に説明が難しいが、また読み返したい作品。

  • 『むらさきのスカートの女』の先を突き進んだらこんな所に行き着いてしまうのか。とか思っていたけど、この人の場合、もう先とか後とかの次元じゃないのかもしれない。恐るべし今村夏子ワールド。今すぐにでも最新作『とんこつQ&A』を確認したい衝動に駆られている。

  • 発想がわけわかんなくて面白い。割り箸になって何回も使ってもらえて良かったねと思った。
    七未は周りの人間が豹変するシーンが楽しかったけどみじめで悲しくなった。
    主人公が真人間になったのが唐突だったけどある夜の思い出が一番好きかも。
    全体的にどういう反応すればいいのかわからない短編集で愉快な気持ちになった。

  • 今村夏子さんの独特の世界観と、狂ったかんじがはまりそう。

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著者プロフィール

1980年広島県生まれ。2010年『あたらしい娘』で「太宰治賞」を受賞。『こちらあみ子』と改題し、同作と新作中短編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で、11年に「三島由紀夫賞」受賞する。17年『あひる』で「河合隼雄物語賞」、『星の子』で「野間文芸新人賞」、19年『むらさきのスカートの女』で「芥川賞」を受賞する。

今村夏子の作品

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