- Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163911915
感想・レビュー・書評
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私には合わなかった。読んでいて辛くなって、楽しめなかった。でも、辛くなるということは、描写が上手いということ。
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はじめて読んだ今村夏子さんの本でした。
今村ワールド、しんどい。
でも続きが気になってどんどん読み進んでしまう。
独特な雰囲気だなと感じました。 -
作者のこれまでの作品とは若干趣を異にする短編集。特に『ある夜の思い出』は作者の作品の中では最も不条理な雰囲気の強い一編。
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2019年芥川賞受賞作「むらさきのスカートの女」が衝撃的で以来気になっている作家さん。こちらは2020年に出版された3つの短編となっている。手作りクッキー・給食など自分が給仕するものはなぜか誰にも食べてもらえない少女、ドッジボールやゲンコツがなぜか自分にだけ当たらなくて逃げつづけなければならない少女、働きもせず猫のように家でゴロゴロしていたら家を追い出されて本当に猫なのかわからなくなってくる女性。どれも強者揃いだった。最初は笑っちゃうんだけど次第にゾッとしてきて、最後には切なくなる感じが病みつきに。
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これまでと少し違う印象の本。ひとつひとつの物語がこれまでより長い。ファンタジーが強かった。バイオレンスも入ってきて、今村夏子の日常のなかの非日常よりファンタジーな世界だった。でも藤野可織より面白い。ある夜の思い出が一番よかったかなと思う。
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「木になった亜沙」今村夏子
こちらあみ子を読んでから気になっている今村夏子さん。一度読み始めると一気に読んでしまうタイプの作家さんの本。
今回は、主人公の存在を意識させるような作品群だったように思う。
ちょっと奇妙なシチュエーションと設定で話が進み、確信をつくような、決着がつくような終わり方はしないのだけれど、心に何かを落としてくる。
それは目に見えない何か。普通、信じるも信じないも受け取るのも受け取らないのも読者次第なんだけど、本が差し出してくれる、結構強めに。
本の世界に遊びに行くと言うより、チラッと覗いてしまったから、手首を掴まれて離してもらえない、そんな感覚を覚えた。そしてそれが癖になってしまう。
新感覚だ。次は何を読もう。
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亜沙も七未も、私とは全然違うキャラクターなのに、他人事とは思えない。他者とのコミュニケーションが、こんなにも行き違い、すれ違い、うまくいかない。原因を考えてもよく分からない。思いついた原因は全くの見当違いなのに盲信してしまう… そんな彼女たちを見ていると、身につまされる。胸が痛い。今村夏子の描く少女に、自分を抉られてしまう。辛い。でも読んでしまう。だから、次の小説までは時間を空けてほしい。傷が癒えるまで待ってほしい。どうせまた読んでしまうから。
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図書館。作者の書く話が好きなので。
どれも奇妙で、でもなぜか純粋さや憐憫があって、本当に変だけれど、面白かった。 -
こういうのは苦手だな…
何が書いてあるのかわからない、何が言いたいのかわからない、そんな話。
きっと、どの主人公も人間であることが嫌になったのだろう。
たとえば子どもの頃、何かに傷ついて。
なんとなく、そんなことを想像してみるけれど、心が動くことも何か意識が変わることもない。
こういう「見る人によって感じ方が違うアート」みたいな作品は読んでいて落ち着かない気持ちになる。
すぐに、物語に書かれた意味などを自分なりに解釈しようとしてしまうのは、日本の国語教育の賜物なのだろう。そんな風に自嘲しつつも、この3編の物語の主人公たちは、私には「人間として生きることが難しい人」もしくは「人間として生きることが嫌になってしまった人」なのかなぁと感じられた。
単行本はあとがきがないので全く理解に苦しむことになる。文庫化された暁には、ぜひあとがきを読んでみたい。
先日読み終えた「星の子」のあとがきで、今村夏子さんがどういう物語を書くかの背景みたいなものに、ほんの少しだけ触れていたこともあったので、「これも今村さんが見ている世界なんだなぁ」と素直に思うことにした。
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眼に映らない傷、痛み、閉塞感、開放感。探しものはなんですか?