- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166608140
感想・レビュー・書評
-
保存する価値はあり。現在の宗教状況を捉えている。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルからは、様々な宗教の歴史・教義を知って世界的事件の背景を理解することが趣旨と思って
しまうが、実際には死生観に対する課題提起の印象が強い。2011年の東北大震災のすぐ後に執筆され
ているためだと思われる。
仏教・キリスト教・イスラム教・神道の専門家や導師との対談から、各宗教の歴史・教義と現在の
課題を知ることができる。所々専門的な事柄が出てくるが、池上さんの適切な補足とページ内コラム
による解説が行われるため理解しやすい。出版時期の関係からISの脅威に対する解説は登場しないが、
スンニ派・シーア派の対立や、自爆テロを生む素地についての言及がある。
この本だけで各宗教の全容を知ることは難しいが、より知ろうとするきっかけにはなると思う。 -
自分も含め、日本人は生まれてから神社→教会→お寺と人生の行事ごとに様々な宗教を取り入れており、それを疑問に思い手に取った本。
世界では宗教などで多くの揉め事がおきており、それを理解するための入門書になると思います。
養老孟司氏との対談の中の日本人は宗教には興味があまり無いが、それは仏教の無で、無意識に仏教が取り込まれているというのは納得。
様々な考えを受け入れる日本の宗教感がグローバルスタンダードになれば、争いも減るのでは。。。 -
2014
-
宗教が異なる国で働いたことで宗教のことをもっと知りたくなり購入。宗教という言葉へのイメージがいわゆるマイナスからプラスに変わった。宗教は生老病死の苦しみに対して救いになってくれるもの。自分はまだ大きな悲しみに直面した経験がないが、いつかうちひしがれたとき、宗教が救いになるのかもしれない。宗教に寛容な日本人ならなおさらだ。
-
イスラムの内容がもう少し欲しかった
なぜユダヤの説明が無いのか不思議だった。 -
本書を読み、世界の色々な宗教の基礎的事項を理解できるのはもちろんですが、それ以上に得られることがあると思います。
それは、日本人=無宗教ということに誇りが持てるようになるということ。最後の章で養老さんが仰ってますが、無主教の「無」は諸行無常の「無」であり、無意識の「無」であると。
生活の中に宗教が溶け込んでおり、意識せずとも宗教が身近にあるのが日本であると。
そして1つの宗教のみならず、神仏すべてに対して畏怖の念を持つが故に、宗教的な対立は起こらないと。
宗教先進国としての日本がより感じ取れる1冊です。 -
池上さんと宗教家・宗教学者との対談形式で、宗教そのものの解説というよりは、現代社会と宗教の関わりに焦点をあてた内容。池上さんが聞く側なので、彼独自のわかりやすい解説文が味わないのが残念。
-
日本人の宗教観、神道、仏教、キリスト教、イスラム教についてそれぞれ池上彰と計7人が対談する形式で書かれたもの。大学教授や宗教家と話しながら、基本的な情報や考え方について整理する。
大学の時にインドかどこかに行った先輩が「『無宗教だ』って言ったらムッとされた」という話を思い出したが、無宗教=神を否定している、という風にとられてしまう可能性、というのはよくよく認識しておかないといけないと思った。「どうも日本人は、『場』を感じる宗教性をもっているのではないか」(p.116)とか、日本人は関係性を重んじ、その場を成立させることに意識を向ける、儀礼を重んじる、というのは今いる職場柄なのかもしれないけど、納得してしまった。また、いかに神道が共同体の維持と結びついているかということも分かった。神社には「産土(うぶすな)型神社」と「勧請(かんじょう)型神社」があり、後者はどの宗教にも見られる自己救済を目的とするのに対して、前者の共同体の安寧を願う神社があり、共同体の安寧がない限り個人の幸福はないと考える点がユニークだ(p.207)というあたりが興味深いと思った。
体系的に全てを基礎から知るということはできないが、とりあえずのポイントを押さえておくという意味では、用語解説もなされており、それなりに満足感を与えてくれる本だと思う。(14/11/--) -
中国がなぜチベットを嫌うのかと、日本独自の神仏混在の背景が、とても良くわかった。