「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)
- 文藝春秋 (2015年5月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166610242
感想・レビュー・書評
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1 ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る
自ら進んでドイツに隷属するようになったフランス
ウクライナ問題の原因はロシアではなくドイツ
ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る
アメリカとEUの産業上の不均衡
アメリカと「ドイツ帝国」の衝突
2 ロシアを見くびってはいけない
3 ウクライナと戦争の誘惑
4 ユーロを打ち砕くことができる唯一の国、フランス
5 オランダよ、さらば! 銀行に支配されるフランス国家
6 ドイツとは何か?
7 富裕層に仕える国家
8 ユーロが陥落する日詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本も昨年末の大掃除で部屋の片隅で埃にまみれてました。表紙にまでこびりついていて、クイックルワイパーしました。帯に書かれているように、ドイツと中国の貿易の関係はとても密のようですね。
ドイツはEUで、唯一の勝ち組とされているようですが、それに貢献しているのは、ユーロ安を活用できる輸出が旺盛で、それに貢献しているのは中国です。
この本の最も印象的なのは、開いた一ページ目にある「ドイツ帝国の勢力図」です。ドイツはEUを使って、事実上のドイツ帝国の復活を目指しているような感じがしますね。
以下は気になったポイントです。
・ドイツ帝国=ドイツ+ドイツ圏(ベネルクス、オーストリア、チェコ、スロバキア、クロアチア)+自主的隷属(フランス)+ロシア嫌いの衛星国(ポーランド、スウェーデン、フィンランド、バルト3国)+事実上の被支配(その他EU諸国)+離脱途上(イギリス、ハンガリー)+併合途上(ウクライナ)(p1)
・ドイツ帝国は最初のうちはもっぱら経済的であったが、今日では政治的なものになっている。ドイツはもう一つの世界的な輸出大国である中国を意思を通じ合わせ始めている(p37)
・乳児死亡率(1歳未満での死亡率)の再上昇は、社会システムの一般的劣化の証拠である、1976年にソ連で上昇していた(p81)
・経済指標はねつ造できるが、人口学的指標はねつ造できない(p82)
・ドイツはグローバリゼーションに対して特殊なやり方で適応した、部品製造を部分的にユーロ圏の外の東ヨーロッパへ移転して、非常に安い労働力を利用した。国内では競争的なディスインフレ政策をとり、給与総額を抑制した。平均給与はこの10年で4.2%低下した(p150)
2017年1月3日作成 -
ドイツ語勉強の足しに、と思って読んだが、こちらの基礎知識不足で難解だった。
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日本だけではなく、フランスでもドイツでも、アメリカも権力中枢にいるエリートたちの頭がおかしくなっているのだそうだ。人類補完計画の始まりなんだろうな...
気を確かに持ちたいものである。 -
著者はフランスの歴史学者。EUの創設時の話は、すべての加盟国家がパワーの大きさにかかわらず平等に扱われることが掲げられたはず。実際には強国と弱小国に分けられ、絶対的強国のドイツが牛耳っていることを著者は指摘する。なぜ副題に日本人への警告とあるのか。それは日独両国の間には何となく共通性があると思いこまれているが、昨今の政治情勢を見てドイツと比せられるのはむしろ中国だからである。現代版「帝国」形成という地政学的変化を指摘した書籍。
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冷戦後のヨーロッパの情勢とこれからの世界の情勢がそれぞれの国の文化から書いてあった。国単位でもエリート国が存在する。これから世界中のエリートが国境関係なしに0.01パーセントが勝つ状態になるそんなエリート(国も人も)が暴走しないようにどうコントロールするかがこれからの鍵
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ルーマニア、ハンガリー。ためになります。
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もはやEUは、ヨーロッパの自由と平等を体現した共同体ではなく、ドイツの言いなりばかりのドイツ帝国だ。
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2016/08/26:読了
今年読んだ本の中では、ベスト3に入っている。
ベスト1かもしれない。
ドイツ、EU、アメリカ、ロシア、フランスの現状分析が素晴らしい。読んでいる間中、納得し続けた。
文脈上、イギリスの離脱も、当然。
東アジアについても、こういう納得感のある本を、読んでみたいと、つくづく思った。
【書評】
イギリス人はある種のフランス人たちと違い、ドイツ人に従う習慣を持っていないのだ。E・トッド
- 株式日記と経済展望
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