人工知能と経済の未来 (文春新書)

著者 :
制作 : 井上智洋 
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166610914

感想・レビュー・書評

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  • 「純粋機械化経済」ベストセラー 村松弁護士事務所推薦
    AIの時代→2045年へ
     技術の進展
     雇用へのインパクト
     マクロ経済学のアプローチ
    2019年11月読後時よりは冷静
    コロナのインパクトもあり、一直線には向かわないと思う

  • 今のところは考えられない未来がやってくるのかと読んでいたが、コロナウイルスの影響でまた違った未来が来るのか、この予測が早まるのか、終息後の様子が気になる

    少なくともベーシックインカムに似たものが今回のことで(社会実験として?)行われるようで、そのページを改めて読み返してみようと思う

    「おわりに」のバタイユの『有用性』と『至高性』についての言葉はとても心に刺さった

    若さもあって経済学者なのに柔らかく楽しい表現が所々あって楽しく読めた

  • 素晴らしい本。将来を占う上で、絶対に知っておく必要がある本である。

  • 人工知能の歴史から、研究のアプローチ、今後の展望(第四次産業革命)まで1冊にまとまっており全体のトレンドを知るのに良い

  • p6 ところが、〜汎用人工知能が実現し普及したならば、〜あらゆる人間の労働が汎用人工知能とそれを搭載したロボットなどの機械に代替され、経済構造が劇的に変化する〜。
    p8 汎用人工知能の普及の果てに訪れる世界は、あらゆる人々が豊かに暮らすことのできるユートピアになるのでしょうか?それとも、一部の人々だけが豊かになり他は貧しくなるディストピアにあるのでしょうか?それはどのような未来を私達自身が選びとるかに掛かっています。
    p112 GPT(#General Purpose Technology)は、補完的な発明を連鎖的に生じさせるとともに、あらゆる産業に影響を及ぼす技術で、蒸気機関がその代表的な例です。〜マクロ経済全体で見た時に、産業革命の期間は他の期間比べて生産性の上昇率が高かったわけではありません。〜19世紀における生産性上昇率のピークは、むしろ産業革命が終わった後の1830年から1870年です。
    p113 生産性上昇率は19世紀を通じてまず上がってから下がっています。〜イノベーションに関する二つの相反する効果、「肩車効果」と「取り尽くし効果」〜。
    p124 1970年代以降の工業の相対的縮小期であっても、幸いサービス業の労働需要が増大し、余剰人員がサービス業へ労働移動したため、〜労働集約型産業であるサービス業は生産性上昇率が低いので、サービス業のシェアが増大するということは、マクロ経済全体での生産性上昇率が低くなるということを意味しています。
    p133 「需要不足による失業」とは、消費需要や投資需要が不足しているために、「労働需要」が「労働供給」に対して不足して発生する失業です。
    p137 一般的には、金融政策の方が経済全体を潤す効果を持ちます。〜紙幣を市中にばらまくだけで景気が良くなって失業が減ります。
    #異次元金融緩和で一向に需要(消費)が上向かないのに?
    p138 人々が持つお金が増えれば、その「資産効果」で消費需要も増大します。すると、失業していた人々が労働に従事するので、その分だけ実際に生産量が増大します。
    #消費需要は増大するかもしれないが、本書はその労働の多くを今後は機械が代替するという事を言いたいのでは?
    p139 〜機械の導入などによって生産性が1.5倍に上昇したならば、消費需要も1.5倍に増えるようにお金の量を増やす必要があります。〜そのようにマネーストックを増やさなければ、デフレに陥ってしまいます。〜お金というのはそもそも絶えず増やさなければならないものなのです。#順番が逆??人が機械と競って1.5倍以上の生産性を達成する必要がある?人間の射幸心やモチベーションを維持するため?今は気持ちの向かう先(需要)の存在感が薄くなったことが問題?
    p191 〜純粋機械化経済では、多くの労働は汎用あAI・ロボットによって行われるので、人間は労働から解放されます。レジャーとしての仕事〜は残るでしょうが、賃金を得るための労働はあらかたなくなります。その時立ち現れる社会を「脱労働化社会」〜。
    p204 国民の大半にただ飯を食わせたらみんな働かなくなってしまうとか〜それらは要らぬ心配〜。〜労働が不要になっているからこそ労働者は社会保障なしには生活できないのです。
    p224 BI(#ベーシックインカム)の給付額が多いと労働しない人が増えるでしょう。#労働が不要になるのでは??労働需要分以上には働きようがない。
    p230 少子化は解消できないでしょう。#解消する必要ある?
    p243 〜物事のなかに直接のよろこびを見出すことができる人、汗して働くことも紡ぐこともしない野の百合のような人を、尊敬するようになる。
    #とてもいい。

  • 2030年よりも早くAI出現しそうな予感がします。
    なかなか面白く、未来経済を考えさせられる一冊です
    #AI #近未来 #経済 #人工知能

  • 読みごたえがありました。特に後半。ベーシックインカムは他でもいろいろ言われており、弊害の方が言われるようになりましたが、2年前はこのようなとらえでしたね。
    それよりも「おわりに」にあるバタイユの有用性の考えは、今必死で塾通いをしている子供たちや将来のためにビジネス書を読んでるサラリーマンに対してはハッとさせられる内容でした。
    至高性という概念を知りたくなりました。

  • 後半の経済の話は、面白かった

  • 人工知能と経済の未来2030年雇用大崩壊

  • 参考になる新書だと思う。
    後半に書かれているベーシックインカムについては賛否両論ありそうだが
    資本を持つものが強くなるのは、AI化が加速したら尚更。
    読んでいるといろんな映画でも描かれている内容を思い出す。
    前半部には特に経済理論も参照にしながら人工知能技術が進化するとどういうことが起こるか
    一般的な概要書と書かれていることは似ているかもしれないが、論理立っていて読みやすい。

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著者プロフィール

経済学者。駒澤大学経済学部准教授。慶應義塾大学環境情報学部卒業。IT企業勤務を経て、早稲田大学大学院経済学研究科に入学。同大学院にて博士(経済学)を取得。2017年から現職。専門はマクロ経済学、貨幣経済理論、成長理論。著書に『人工知能と経済の未来』(文春新書)、『ヘリコプターマネー』『純粋機械化経済』(以上、日本経済新聞出版社)、『AI時代の新・ベーシックインカム論』(光文社新書)、『MMT』(講談社選書メチエ『)「現金給付」の経済学:反緊縮で日本はよみがえる』(NHK出版新書653)などがある。

「2022年 『東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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