新装版 坂の上の雲 (3) (文春文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 文藝春秋 (1999年1月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105785

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新装版 坂の上の雲 (3) (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • これを言ってしまうと元も子もないのかもしれないけど、そもそも秋山兄弟と正岡子規を、敢えて一つの作品にまとめる必然性って、果たして何なのでしょう。そんなに交流が深かったようにも思えないし、同時代を生きた同郷の人物っていう以上の意味合いが、正直見出せないのです。そうこうしているうちに、まだ物語の序盤だというのに、子規は早々と退場してしまったし。もっと言うと、日清戦争の描写にしても、ところどころ件の兄弟の話題も交えつつ、総合的には色んな人物を登場させながら進めざるを得ない訳で、いっそ主人公なしでも良かった気がしなくもないのです。もちろん、筆者の中でも名作の誉れ高いだけはあって、物語そのものは面白いと思うのですが。これから先の展開についても、そこまでワクワクしない自分がいるのも、これまた事実なのであります。

  • とうとう日露戦争に突入。
    ロシアという超大国に戦争を挑まなくてはならなくなった日本人の気持ち、恐怖や決意、様々な感情が、現在を生きる僕の胸にもつき刺さります。
     
    この時の日本人の感情は、真之と同期で、生涯の友人だった森山慶三郎の言葉にあらわれています。
     
    「私はただうつむいてだまっていた。涙がこぼれて仕方がなかった。この時脳裏を去来したのは、ロシアに負けるかもしれぬということであった。
    二年前に公用で渡欧し、そのときポーランドを過ぎてその亡国の状を見た。戦勝者のロシア人が、どの町でもその町の主人のような態度でポーランド人を追いつかっているのを見たが、その光景が思い出されてならず、日本もあのようになるのではないかと思うと、感情の整理がつかなくなり、涙がとめどもなくなった。」 
     
    この戦争に負けたら、日本がなくなるかもしれない。
    そんな覚悟を持った当時の日本人の姿からは、多くの勇気や教訓を与えてくれます。
    決して戦争を肯定する訳ではありませんが、このような覚悟をもった人々がいたことによって今の日本があることは、日本人として知っておくべきだと思います。

  • 日露戦争が始まる。

    戦争の細かな描写があり、だれだが何した何された、あの船がどうしたこうした。
    自分的にはそこまで細かな描写は興味ないため、斜め読み。

    そんな中で、絶対に勝てそうもない状況です。
    歴史の教科書で、日露戦争を勝ったとした学んでなかった為、ここまで力の差があったのかと愕然をした。

    長引けば負ける。
    そりゃそうだ。物の量が違うのだよ。太平洋戦争でもそうだったけど。そりゃそうだよ。

    戦争の基本は、倍以上の兵力で臨む。
    ナポレオンも信長もそうだったと。
    それが、日露戦争で勝てちゃったから、また勝てるんじゃないって太平洋戦争へ。奇跡は二回も三回も続きません。
    信長は、桶狭間は少人数で買ったけど、その後は、兵力を大量に投入したそうな。

    さてさて、どうしたら日露戦争を勝っちゃうのか。
    続きを読みましょう。

  • 秋山兄弟と正岡子規の友情話……と思っていたのに、3巻目にして、はや子規退場(´ェ`)ン-…。
    そもそも、そういう個人個人の情感を描きこむたぐいの小説ではなく、主役は「時代」「歴史」「人類」なんだね( ´ ▽ ` )ノ。いまごろ気づくのもどうかと思うけど( ´ ▽ ` )ノ。

    つぎつぎ登場する人名、地名、艦船名、とうてい覚えきれるものではないけれど、物語の底流に流れる歴史の要請というか必然というか、「運命」に弄ばれる人々の姿に目くらみ(@_@)。
    女性がほとんど描かれないのも「時代」だね( ´ ▽ ` )ノ。

    まあ、基本は小よく大を制す、一寸法師の鬼退治だ( ´ ▽ ` )ノ。
    大ロシア帝国の憎たらしさ( ´ ▽ ` )ノ。
    小国日本の健気さ( ´ ▽ ` )ノ。
    後の太平洋戦争と地続きだということを度外視してしまえば、痛快な講談絵巻・遠いお国のお伽話として楽しめるんだろうけどね( ´ ▽ ` )ノ。
    日本が宣戦布告を余儀なくされた事情というものを頭では理解できたけど、心情的にはやっぱりちょっとね……(´ェ`)ン-…。戦場で兵隊さんがまるでゴミのように散っていくしね……(´ェ`)ン-…。
    ボライソーシリーズみたいに純粋な海洋冒険小説の素材とするには、まだ100年くらい早いのかも……(´ェ`)ン-…。

    ともあれ、これでやっと3/8( ´ ▽ ` )ノ。
    これからどうなっていくんだろうね( ´ ▽ ` )ノ。

    2016/07/05


    しかし、ブックオフの司馬遼本はどれもこれも汚いな(´ェ`)ン-…。
    司馬遼太郎、松本清張、村上春樹に美本はない……ブックオフあるあるだ(>_<)。
    逆に桐野夏生、奥田英朗、伊坂幸太郎あたりは108円落ちしたものでも美本が多いように思う( ´ ▽ ` )ノ。
    これはなんだ、読者層の違いなんだろうかね?( ´ ▽ ` )ノ。誰か大学の卒論ででも取り上げればいいのに( ´ ▽ ` )ノ。

  • 正岡子規の死と日露戦争開戦の第三巻。日露両国様々な登場人物を描くことで、戦争の様々な側面が見えてきます。外交、財政、国民の士気まで、近代戦争というものが国家の総力戦であることがよく分かります。

  • 正岡子規の死、そして日露戦争。戦争に至るまでの両国の様子が詳しく書かれており、勉強になる。のみならず、人間的な魅力に溢れた主人公たちの姿は猛烈に格好良い。両面を描ききる司馬の筆の巧さが際立っている。

  • 三冊目。
    いよいよ日露戦争である。
    個人的に日露戦争は思い入れが深いので、一気に読んでしまった。
    続きが楽しみ。

  • めちゃくちゃ面白かった。
    ついに正岡子規が亡くなる。自らの運命を受け入れ、病身でありながら一人で、何かを成し遂げる気概には惚れるレベル。


    時代の流れとしては、ロシアの南下政策が露骨になってきて、日本も戦争を視野に入れるようになる

    玩具のような艦隊を、わずか10年で強固な艦隊を作った権兵衛と西郷従道の話から当時の奇跡的発展が如何に凄いことか知れた。

    日露戦争が開始し、海と陸で強国の力をまざまざと見せつけられる日本ではあるが、知謀、戦術、戦費、人員の国力全てを注ぎ、各地で闘う姿はカッコイイ

  • 最終章の旅順港外の戦いは非常にスピーディな展開でスリルがあった。沈めた爆弾のくだりで感じたのは、勝敗を決するのは戦略の巧拙だけでなくいずれ来るチャンスに向けた周到な準備、そして一方で悲観的な予測の元行動するということ。

  • 随分前に1巻を読んでから忘れていた「坂の上の雲」。1巻はあまりハマれなかったけど、2巻でどっぷりハマり3巻まで一気読み。日清戦争、日露戦争で、予算も武力も弱小な日本はなぜ勝てたのか?そのあたりの分析的な文章が面白かった。

  • 第3巻は子規の死「17夜」からはじまる。真之の葬式の出方がこれまた真之らしくてよかった。真之の有能、孤独な面をみることができるが、それに対して兄好古にだけは頭の下がらないところがまた面白い。また、山本権兵衛と西郷従道の話も非常に面白く、ドラマにはない豪傑達の幼少時代から成長していく過程を見る事ができるのがまた小説ならではの面白いところ。意外なバックグラウンドであったり。
    この巻から日露戦争にとうとう移行していく事になる。司馬史観からみるかぎり、この戦争は避けられたように思えてならない。ロシアの傲慢さからおこった事にほかならない。そして由来、管理が難しいとされている半島、つまり地理的要因のために朝鮮のあつかいかたが国としてみられていないように感じた。
    日露戦争が日本側にとって世論は賛同しながらも軍部の中ではこれほど不安に満ちたものであったのかということを学んだ。戦力的な根拠では日本側が勝てる訳がない。6戦艦のうち2戦艦が一瞬にして沈んだ時の東郷司令長官の心のうちはいかほどのものだったのかがきになる。今巻はリーダシップとしての要素が詰まっているのではないかと思う。秋山兄弟のみならず、薩摩の伝統的なもの、さらにはマカロフ中将。マカロフじいさんの最後には驚いた。ドラマでもまだ放送されていなかったので。ここからは無知の領域なのでどきどき。次巻以降、この圧倒的な差を海軍がどうつめていくのか、バルチック艦隊合流も楽しみ。陸軍についてはどのように北上をすすめていくのか。
    個人的には広瀬の死があっさりと描かれていたのが少し残念。ドラマ、ありがとう。ボリスもアリアズナも影薄かったなw

  • 日清~日露戦争までわずか10年。ロシアに勝てないまでも、負けない陸海体制を築きあげ、初戦必勝-早期講和の戦略で戦いに挑む明治日本の物語。

  • 秋山好古と真之が戦争へと向かっていくところ。日本が大国ロシアに挑む。

    『名誉の最後を戦場に遂ぐるを得ば、男子一生の快事』 秋山好古

  • 5月12日読了。アジアに覇を唱えようとするロシアの圧力に耐えかね、日本は日露開戦を決意する。東郷平八郎率いる連合艦隊の参謀に就いた真之と騎兵隊をもってコサック兵団に当たる好古が戦中に身を投じる中、子規は病に没する・・・。綿密な調査をしたのであろう多くの書簡・記録と地形の描写と、当時の歴史を動かした多くの人物と大国たちの動き、抑えきれない浪漫みたいなものが渾然となって実に面白い。「政治家は現実的なだけでは務まらない」「大将の器と、参謀の器は非なるもの」など(この通りの表現ではないが)、この人の人間観にもウウムとうならされる部分多し。まだ5巻もあるが、「先は長いな」とは感じない、余白が多くて大変うれしいことだ。

  • 三巻早々で正岡子規死去。ドラマでは人間関係を描いていてかなり面白かったのだが、原作はそのものズバリ「日露戦争」だなー。ちょっとつまらん。
    でも勉強にはなる。

  • 日露戦争が始まるが、日清戦争の第2巻より(自分も慣れたのか)入り込めた。ドラマを感じさせる。
    正岡子規、マカロフの最期について、素晴らしい筆だと思った。
    広瀬武夫も、好きな人物。彼の最期、泣けてきた。

  • これを読むとやっぱり日露戦争が奇跡のように思えてきます。あれだけの差がありながらそこまで出来たことに感心です。
    明治の人と現代の人の差は何でしょう。人は変わらないのに、その時代によって大分左右されているし、意識も全然異なるし。ナショナリズムに支えられた時代でもあったのでしょうね。

  • 残念ながら本巻において3人の主人公のうちの一人、正岡子規が34歳でこの世を去った。他二人の主人公である秋山兄弟は軍人であるが、子規は文化人であり、私にとっては本作品における一種の清涼剤的な存在で、味のある性格には楽しませて貰っていただけに残念である。本巻はいよいよ日露戦争が幕開けとなる。「坂の上の雲」は全8巻という大作ではあるが、半分にも満たないこの第三巻で、日露戦争が始まってしまうのに驚きである。戦争における描写が非常に精緻であり、軍事に疎い私はなかなかイメージができず辛いのだが、これがこの巻を含み6巻にも及ぶのだろうか。日露戦争などたかだか1年半ほどであるのに…。結局、軍事の描写と人物相関関係を理解するために、2巻と同様二度読み通した。
    以下に、琴線に触れた記述を紹介したい。
    ・秋山の天才は、物事を帰納する力だ。あらゆる雑多なものを並べてそこから純粋原理を引き出してくることは真之の得意芸であった。
    →秋山真之に関する著者の評である。確かに、私の周りの人を見ても出来る人というのは目の前で起こる現象に一定の法則を見出すなど純粋原理を引き出すのに長けている。私もこうした力を養わなければと思う。

    ・薩摩的将帥というのは、同じ方法を用いる。まず自分の実務の一切を任せる優れた実務家を探す。出来るだけ自分の感情と利害を抑えて選択する。あとはその実務家のやりいいように、広い場を作ってやり、何もかも任せきってしまう。ただ場を作る政略だけを担当し、もし実務家が失敗すればさっさと腹を切るという覚悟を決め込む。
    →西郷従道や大山巌を評したものだが、組織においてトップに立つ者が、こうした姿勢でいてくれるとやりやすいだろう。いちいち細かいことに口出しするトップや、失敗した際に部下にその責任を押し付けるトップとは正反対である。

    ・「功労者には勲章をやればいいのです。実務につけると百害を生じます」
    →海軍大佐の山本権兵衛が海軍大臣である西郷従道に対して進言した言葉である。旧薩摩藩志士が明治維新の功労者として新政府において政府及び軍部の主要ポストを占めていたのだが、能力のない者が相応しくないポストに就いていることに危機感を持った山本はリストラを行おうと決意する。その際の海軍省トップへの進言である。これも企業経営において参考になる概念だろう。企業創業時に功労者がいれば、それなりのポストが用意されて然るべきと考えるが、そのポストにおいて適任とは限らない。それに気付いた時は、惰性でそのポストに置き続けるのではなく、勲章なり金銭的報償などを与えてやり、早急にポストは適材を持ってくるべきなのである。それが出来ないと、組織崩壊の序曲が聞こえてくる。

    ・英国外交は、つねに自己の存立にとって危険のある事態を、いちいち芽のうちに摘み取ってゆくのが基本的態度であった。が、摘み方は老獪である。出来るだけ戦争という直接手段を避け、避けられぬ時も外交操作をもって他国にやらせ、ついに切羽詰まって自国軍を出さねばならぬ時も出来るだけ共通利害の国に働き掛けて連合してあたるというところがある。
    →英国は、ロシアの極東における暴状をみかねたが、ロシアと戦争は起こさず、日英同盟を締結し、日本にその処理をやらせた(日露戦争)のだろうか。直接にはそのような記述はないが、英国外交の基本指針からは疑わしいものだ。

    ・現実を見ての転換の上手さが伊藤博文の政治的特徴であった。
    →日露同盟を進めるべく動いていた伊藤博文だが、林薫駐英公使より日英同盟の進捗状況を聞くや否や「対露交渉はやめた」と言い放つ。散々ロシアを恐れ、日露同盟論者であったのに関わらず、である。自身の主義主張に固執し過ぎることなく、状況に応じて臨機応変に頭を切り替えるという代表例である。

    ・好古の観察には、昭和期の... 続きを読む

  • 正岡子規がなくなり、日露戦争へ。大国へ日本がどのように対応していくのか?続きが気になる。

  • 正岡子規の死、日英同盟そして日露戦争勃発。日本は勝つ見込みのない闘いへと踏み込まざるを得なかったんですね。横暴な外交戦略を叩きつけられて臥薪嘗胆していく日本。国民も軍人も、そして政治家もすさまじい。ページをめくる手ももどかしい第3巻でした。

  • 子規の最期、日露・日英外交を経てついにロシアとの開戦にいたり読みどころ満載。当時の政治家や軍人の考えが、昭和の哲学性や神秘性を盛り込んだ不可思議な思念ではなく、簡潔明瞭に理的であった点を著者は再三言及し、それは、当時30代の青年男子の基本的な教養として、合理主義を説く江戸期からの朱子学の影響ではなかったかという指摘は興味深い。明治という時代の持つ明るさはそういった思考の明晰さにもよるのかも知れない。

  • ついに日露戦争が始まった。
    この時期の戦争感と第2次のころでは、精神面で大分違いがあったのか。
    まだ列強に肩を並べる前の弱小国が大国ロシアに挑むのは、
    悲壮感さえ湧き出す行為だった。

  • 坂の上に見える一片の雲が一人ひとりの幸せだと信じて、日本人が、日本という国がしゃにむに駆けた明治という時代、その時代が終わってからまだ100年もたってはいない。明治とはなんだったのか?(2010:熊谷芳郎先生推薦)

  • 日露戦争なんて、今はとうに亡い曾祖母くらいしか体験したことがない。
    歴史の教科書で読んでしまうと、覚えることはできてもどこか架空の事のような気がしてしまう。
    というか「まあ、そういうことも昔はあったんだね」という程度の感覚しか持ち得なかった。
    将校の名前も膨大に覚えたけど個人として認識できてはいなかったし。
    こうやってストーリーとして読むと、相変わらず現実感という意味では覚束なくても、関わった人々の性格や当時の風習やものの考え方がしみ込んでくる。
    少なくとも『日本史』として覚えていたころよりは身近に感じられる。

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日清戦争から十年-じりじりと南下する巨大な軍事国家ロシアの脅威に、日本は恐れおののいた。「戦争はありえない。なぜならば私が欲しないから」とロシア皇帝ニコライ二世はいった。しかし、両国の激突はもはや避けえない。病の床で数々の偉業をなしとげた正岡子規は戦争の足音を聞きつつ燃えつきるようにして、逝った。

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