新装版 テロルの決算 (文春文庫) (文春文庫 さ 2-14)
- 文藝春秋 (2008年11月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167209148
感想・レビュー・書評
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テロルの決算・目次
序 章 伝説
第1章 十月の朝
第2章 天子、剣をとる
第3章 巡礼の果て
第4章 死の影
第5章 彼らが見たもの
第6章 残された者たち
第7章 最後の晩餐
終 章 伝説、再び詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昭和35年10月12日、日比谷公会堂の演壇に駆け上がった少年は弾丸のようなスピードで、演説中の社会党委員長浅沼稲次郎に突っ込み、刺殺した。驚くべき行動力と確固とした信念を持つ17歳のテロリスト山口二矢と壇上で息絶えるまで走り続けた人間機関車浅沼の一瞬の交錯を描いた本書は、日本のノンフィクションの歴史に燦然と輝く金字塔である。筆者は2人のどちらにも肩入れしていない。しかし、だからこそ2人の愚直で圧倒的な人生のドラマに胸を打たれる。
(九州大学 学部生) -
浅沼委員長暗殺事件は歴史の教科書の一項目としての認識がありませんでした。この本を読んで事件の詳細、そして山口二矢のことを知りました。山口氏も生きていれば2010年で67歳。罪を償ったとしても、余りある人生が待っていたのではないかと思います。それにしても、17歳の少年がテロに真剣に向かっていった狂気というものを感じます。時代の空気もあったのでしょう。でもテロに走る感覚が分からない。
沢木耕太郎氏がこの事件にスポットを当ててくれたことで、事件が風化せず、語り継がれていることを考えると、作品の重みを感じます -
日比谷公会堂の演壇に立った社会党委員長の浅沼稲次郎を右翼の少年山口二矢が両手で握った短刀で刺した暗殺事件を描く。
61歳の野党政治家と17歳のテロリストのそれぞれの生い立ちから事件の一瞬までを生々しく描き出す。
自分がその事件現場にいるように感じるほどの刺殺の一瞬一瞬の描写に息を飲む。
テロは反社会的・暴力的な手段であり何の解決も生まないと僕自身は思っています。しかし山口二矢少年の国を思う熱い気持ちには心揺さぶられるものを感じずにはいれませんでした。
現在の堕落しきった政治に批判するひとはいてもここまで熱く行動に移せるひとはいないような気がします。
そしてその少年以上に庶民のための政治に全力を傾けていた浅沼稲次郎が刺されたのが何ともやるせない気持ちになります。 -
声なき者の声を聞く
しびれます。
めっちゃめっちゃおもしろかった!
沢木と言えば、「テロルの決算」でしょう、といわれる理由がわかります。 -
ただのインセインかもしれない。英雄のひとつの形かもしれない。今の日本に本当の日本男子は存在するか?
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第10回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
テロルとはドイツ語でテロリズムのこと、wikiでテロをさらに調べると「特定の政治的目的を達成しようとする組織的暴力・・」とある。1960年、社会党委員長の浅沼が17歳の山口二矢に刺された事件の前後を詳細にわたり書いている。小説と違い事実を丁寧に時系列で追っている、事件当時の様子などは物凄く緊迫感がある、これがノンフィクションの醍醐味なのだと思う。 -
こんなノンフィクション、そうそう無いと思います。
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大宅壮一ノンフィクション賞。
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新装版が昨年出ました。
この本の紹介を読むまで、浅沼暗殺事件なんて知りもしなかった。
もともと政治への興味が薄いのもあるが。
こうやって現在の日本に憤って、暗殺を企ててる人がいるというのは新鮮な驚きでもある。
暗殺なんて、遠い過去のことにしか思えていなかったから。
現代の若人こそ読むべきノンフィクション。