新装版 あ・うん (文春文庫) (文春文庫 む 1-20)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167277208

感想・レビュー・書評

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  • 面白くてあっという間に読み終えた。
    人と人との繋がり、心の動き等が丁寧かつリアルに描かれてた。
    端から見たら不自然でも、当事者たちにはバランスの取れた自然な形ってあるのかなと思った。

    角倉の奥さんに感情移入してしまった。クールだけど実は健気に夫を思ってるところに泣けた。

    あと、昭和初期の日本の一般市民の暮らしぶりがリアルに伝わってきた。
    読んでたらその時代にタイムスリップしてるような感覚になれた。

  • 生活の匂いがしてきそう。悪い事もそうでない事も書かれてるのにとても心惹かれました。読んで良かった。

  • さすが向田邦子

  • 2号さんも3号さんも、お強いのね。
    そして女性はみんな必要な時に涙を流せるのね。
    男ってほんと、ばかね。

    テレビドラマって、とんでもない可能性を含んだコンテンツだったのか!
    といいドラマを見た後ですぐ読めてよかった。
    映像でも見てみたい、脳内再生バージョンよりきっともっといい。

    もっと続いてほしかったよ、これは。
    合掌。

  • 「たまんないなあ。あのまじめさ、おかしさ、かわいさ。」

    他のエッセイを読んでいると、水田夫妻のモデルは向田さんのご両親だったのかなというエピソードがちらりと見えてきます。
    ちょっと間の抜けた可笑しみ、奥ゆかしさ、ちらりとのぞく色香。
    こんな友情成立するのだろうか?と思いつつも引き込まれました。

  • 水田と門倉、二人の男の奇妙な友情。
    親友の妻に思いを抱いているのに、皆承知の上で友情も成り立っているなんて!
    自分が門倉の妻の立場だったらと考えるととてもやっていけないと思うのだけど、この物語の中ではこの関係がうらやましく感じられるという不思議。罪将棋に例えていたこの危ういバランスがたまらなく良い。
    読んでるうちに人のどうしようもなくダメなところも愛せるような気持ちになってきます。
    大人になりかけのさと子の視点もいきいきしていて読んでいて楽しい。

    登場人物と共に笑い泣きし、あっという間に読了。精緻に描かれる人の機微が温かい余韻を残す一冊。

  • 彼女の作品はタブーを扱っているのに
    その文章に曇りが出ないのです。
    純粋な文章。まさに不思議としか言いようがありません。
    でもなぜ、彼女を持っていってしまったのでしょう。
    もっともっと、読みたかったです、この作品を。

    二人の男とその家族との不思議な友情。
    その中には密かなる恋もあります。
    それはかなうことはありませんでしたが。
    そして一人の少女が、大人になる瞬間も
    訪れます。
    ある行動を覚えたときに。

    最後は特殊です。
    でも不満はありません。
    戦前という描写なのですが
    陰気な感じはありませんでした。

  • 父の本棚から勝手に読んだ本。これも内容あやふやだなぁ。再読したい。

  • すごくいいね。この空気。人情味があって、人に恥ずかしい思いをさせない気遣いがあって、ぎりぎりの機微があって。
    おかしく見えてもそれでバランスが取れているって、そんあこと結構あるかも。正しい形にしようとしたりしたらきっと崩れちゃうんだよね。

    今の小説と少し前の小説とどちらもいいねと思えるようになってきたのかな。

  • なるほど、名作。しかも、大人の小説。男二人の友情物語というよりは、19歳になるさと子の成長物語と、私には読めた。文庫本のあとがきには、「叶わぬ夢も多いが、叶う夢もあるのである」とある。

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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