新装版 あ・うん (文春文庫) (文春文庫 む 1-20)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167277208

感想・レビュー・書評

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  • 「向田邦子」の長編作品、『あ・うん』を読みました。

    神社の鳥居にいる一対の狛犬のように親密な男の友情と、親友の妻への密かな思慕を描いた作品です。

    放送作家出身の「向田邦子」の作品らしく、章立てが連続ドラマの一話一話のようになっていて、読みやすかったですね。

    主人公の三人が微妙なバランスを保ちながら生きている姿は、読み手としてはとても楽しめましたが、、、
    もし自分が当事者のうちのひとりだったとしたら、きっと、耐え切れないだろうなぁ… と感じました。

    太平洋戦争直前という時代背景もあるのでしょうが、複雑な愛情関係があるにも関わらず、三人の関係がドロドロしてなくて素敵な作品に仕上がっていると思いますね。

    少し時間を置いてから再読するのも良さそうです。

    二匹で一対になっている狛犬ですが、口をあけているのが「阿(あ)」、閉じているのが「吽(うん)」という名前なんだそうです。
    本書を読んで初めて知りました。

  • ずーっと気になっていた本。
    最近、テレビで見て面白かったのでついに読みました。
    他の作品も読んでみたい。

  • 面白いが、私には受け入れにくい関係性

  • なぜ、阿吽なのか。阿吽の間にあるものとは何か。家族であるからこその割きれなさ、汚さ。
    私はこの人の小説よりはエッセイの方が好きだけど、人間の感情の機微をこんなにも描き出せるなんて凄いと思わずにいられない。
    (20210425)

  • 向田邦子氏唯一の長編作品。

    ピュアというか不思議な三角関係?の話。こんな人達がいてもいいと思うが、どの人の立場だったとしてもあまり楽しくなさそうだ。

    昭和の昼ドラみたいな(実際ドラマだった訳ですが)、地味
    でしみったれた雰囲気です。

  • こんな作品もう読めない。読書難民の私今亡き作家を読み直す日々、心に沁みる作品です

  • あ・うんは、阿形と吽形、2体で1対の狛犬を指しています。これは、二人の戦中派の男たちの奇妙な関係の話。
    時代を感じさせる表現が見事で、すべて画面で見ているかのように感じさせるのは、さすがに向田邦子と言ったところ。

  • グッとラック!で紹介!
    太平洋戦争をひかえた世相を背景に男の熱い友情と親友の妻への密かな思い織りなす家族の情景を描いた一冊。

  • 恋心と友情が危ういバランスの中で成立している。人間関係は結構ドロドロなんだけど、みっともなく見えないのが不思議だ。

  • ★3.5だけどおまけ。
    懐かしのテレビドラマを小説で読んでいるよう。
    と言ってもその懐かしのテレビドラマなるものを観ていないので、擬似的に楽しませてもらったという。
    さておき、旨いです、ストーリーが。そしてこんな設定認められんと現在なら炎上するかもしれませんが、それって日本社会が幼くなった証の一つかもしれないなと読中そう感じました。
    そしてやっぱり戦争を知る世代の文章には現在にはない独特の空気があるなぁと。

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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