大地の子 四 (文春文庫 や 22-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 187
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167556044

感想・レビュー・書評

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  • 8月は、なんとなくこういう本を読みたくなる。初読。よくこんな彼の国の固有名詞出まくりな本を、彼の国の協力のもとに書けたな、と。日本の固有名詞は出さなくて良かったのか?

  • 再読。
    全巻通して感情移入してしまい、中国というありかた、善人悪人の描きかた、色々と考えさせられる壮大な話だったけど、最終章では心を整理するように気持ちを落ち着かせてくれました。

  • 目を伏せたくなるような展開もあるが、日本人として読むべき小説。
    全てが真実だと鵜呑みにはしない方が良いけれども。

  • 山崎豊子さんがいい!と友人からの声があり、読もうと思いつつも今日まで読めていなかった。

    自身も鉄と関わりがあるため、日中での錆などへの激しいやり取りをあり得る、あり得るとその部分に共感を覚えながら読了。

    残留孤児ではなく、「戦争孤児」と呼ぶべきだ。という山崎豊子さんの言葉はまさにその通りで、戦争の生々しい痕跡を描きあげているところにこだわりを感じた。

    主人公の陸一心の日本に行くべきか、の逡巡の際の「大地の子」。そういう風に捉えるか、と妙に納得した。

    山崎豊子さんの別の作品もぜひ読みたいと思う。

  • 190829.4巻合わせると結構時間かかった。
    中国の上層部の名前はあまり入ってこなかったけど、主要人物はしっかり把握できたと思う。
    フリガナも繰り返し適切なタイミングで出てくれるのが有難い。
    描写が細かく正確。なんでこんなに詳しいの?というのはあとがきにあったように取材と勉強の賜物なのだろう。
    恐れ入る。
    この作品に出会えて良かったと思う。バランス的には日本人にも悪人がいても良かったと思うけど。
    中国の徹底っぷりはホントに胃が重くなる。嫌な緊張感の連続である。
    前半の徹底した落としっぷりから、後半にかけての逆転感はやっぱり読んでて楽しい。元カノが転じてくるのも良かった。
    松本さんは日本人特有のゆるさが一心の状況とうまく噛み合わずトラブルメーカーとなる。
    ラストの落とし所が題名だとは、、
    読みごたえありすぎですわ。

  • 日本人の妹や父との再会を果たすも、一心の苦労は消えない。
    様々な苦難が待ち受ける。
    そしてまた、プロジェクトから外され、僻地へ飛ばされる場面も。
    最後には日本へ行くか、中国へ残るかという選択も迫られる。

    この作品を書くにあたり、山崎豊子さんの苦労がどれ程のものだったかと思うと、その気持ちの強さが心に響く。
    戦争に対する怒りが伝わってくる。
    その辺りのことは、あとがきや解説でも紹介されていた。
    これからも、多くの人に読んでもらいたい。

    2019.4.21

  • 陸、そしてその2人の父親。辛い人生だと思う。戦争三部作全ての主人公が強く、信念を持っている。彼ら自身自らの人生を最終的に幸せだと思っていないと私は感じた。当然各局面にはドラマがある。その小さな幸せの積み重ねと、最後の幸せ。私自身どっちを選ぶべきかまだ分かっていない。
    山崎豊子さんの本は本当に考えさせられる。全く時代背景は逆だけど、命だけは保証されているが生き方を見失っている今の社会に対し、人としての人生を考える為のとても良い教示書だと思う。

  • 「宝華、万歳!」「初出銑、万歳!」万雷の拍手と大歓声が湧き起った。七年がかりで完成した日中共同の大プロジェクト「宝華製鉄」の高炉に火が入ったのだ。この瞬間、日中双方にわだかまっていた不信感と憎悪が消え去った。陸一心の胸には、養父・陸徳志の、「お前、いっそのこと日本へー」という言葉が去来する。

  • 先輩に勧められて購入したものの、長編のため長い間本棚にあったが、読み始めたら物語に引き込まれ一週間で読み終わった。

    中国残留日本人孤児のニュースは子供の頃に定期的に見ていたが、この本で初めて実態を知ることができ、驚いた。

    時代や国家間の考え方の違いに挟まれた孤児達の苦しみが本からにじみ出ていて、読み進めるのは大変だった。

    主人公と周りの人間の苦悩とひたむきさに感動し、教育の重要性を改めて感じるとともに、山崎豊子の細部まで描写した取材力に驚いた。

  • 山崎豊子さんの作品は「白い巨塔」「沈まぬ太陽」「不毛地帯」などどれも素晴らしいが、本作品はその中でも最高傑作。日中戦争の歴史に巻き込まれた過酷すぎる運命に愕然とする。日本人も中国人も必読の一冊。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまざき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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