やさしい訴え (文春文庫 お 17-2)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167557027

感想・レビュー・書評

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  • 小川洋子さんにしては珍しい文庫本一冊分の長編。短編のように不思議不思議した世界ではなく、普通の現実の中の話しなのに、どっか異世界感があるのは文体の為せる技だろうか?

  • (2022/12/17読了分)5年ぶりの再読。カルメル堂のカウンターに座ったら目の前にあって、その場で思わず60ページほど読み進んでしまったので、勢いがついて。筋書きもだいたい覚えていたのだけれど、また違った気もちで読めて。今回目に止まったのは以下の2節。◆どんなささいなものにも、その存在を支える絶対的な形があります。p.170◆「いや違う。僕達の方が君を求めたんだ」「何のために?」「人を求めるのに、理由はないよ」p.257(2017/12/17読了分)三宅香帆 京大院生が選んだ「人生を狂わす」名著50|眠れない夜には小川洋子。静かな大人の恋愛小説を読みたい人へ https://cakes.mu/posts/17914 に触発されて、再読。/夫の生活から逃げるように別荘にやってきた瑠里子が出会ったのはチェンバロ製作者の新田と弟子入りしている薫。彼らと親しくしていくうちにどうしようもなく新田に惹かれ、自分に振り向かせ、自分だけのものにしようともがくけど、結局は、チェンバロでつながった二人のつながりには割り込めないと思い知らされ。けれどカリグラフィーの専門家である瑠里子が見出した、自分でもチェンバロに少しでも形を残せる答えは…と。きっともう二度と会うことはなくても、微かなつながりが残せた、そのことの余韻を残しつつ。/でも、どんな重大な出来事でも、紙に書くと一行か二行で終わっちゃうんですよ。「目が見えなくなった」とか、「無一文になった」とか(略)世の中何でも、大げさに考えすぎない方がいいなあ、って(瑠里子)/私たちいつも、空気の震えに耳を済ましているでしょ?チェンバロの弦が響く音に。すると相手の心の震えまでが、一緒に伝わってくるんです(薫)/人を求めるのに、理由はないよ(新田)/そして、もちろん、読み終わった後は、出てきたチェンバロの曲をいくつかダウンロードして浸りたい気持ちに。

  • 眼科・チェンバロ・カリグラフィー。

    小川さんらしさを感じる言葉選びを通して、
    静謐でどこかしら奇妙な、三人の人間関係が描かれる。

  • 深み、静謐を描ききった、チェンバロと三人を主軸に廻る物語。小川洋子の傑作。演奏家の方の解説で、チェンバロという楽器の持ち味を知る。

    全ては失われたのに、永遠が見つけられた。奇跡としか言いようのない読書体験。

  • ツラい…

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/682302

  • 人の感情が揺れ動く様子がひしひしと伝わってくる。じっくり読んだ。やっぱり小川洋子がすき。

  • 音楽を聴きながら読むべきですな。
    音色がイメージできないと、わからなーい。

  • ブクオフでゲット。なかなか良かった。彼女の作品のカバーデザインは素敵なものが多いけど、この文庫のデザインも好き。

  • 人を求めるのに、理由はないよ

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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