花の鎖 (文春文庫 み 44-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167860011

感想・レビュー・書評

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  • 同郷の湊かなえさんの作品を初めて読みました。
    イヤミスの女王と言われているので、実は少し敬遠していたのですが、今作はそこまでじゃないとの感想をみて手に取った次第です。

    「花の鎖」には3人のヒロインが登場します。
    その3人の話がそれぞれ交互に語られるんですが、最初はコロコロと場面が変わるので混乱しながら読み進めました。
    途中から「もしかしてこういう事?」と推理するのが楽しくなって、たびたび手を止めては考え、まるで湊さんに挑むような状態に……

    湊かなえさん……すごいですね。

  • 単行本を何年か前に読んでいるので、
    再読しました。文庫本は苦手です。

    記憶を手繰らせるように読みました。
    やっぱり湊かなえはいい。特にこの話は
    場面が目に浮かんでくる本。
    毎年花束が送られて来る、という設定。
    渓谷での事故は、印象強い。が、納得いかない。
    卑怯じゃないか!腹だたしく思う。


    和菓子屋さんを登場させるのは、趣が
    あるし、雪月花というのも雰囲気を、
    一層良くしていると思う。

  • 湊かなえさんの本を読みきったのはこれが初めて。

    別々のものとして読み始めた「雪」「月」「花」、それぞれの物語。それらが徐々に1つの連なったものに見えてくる。展開と伏線回収がとても綺麗で美しく、またこちらも「K」の正体を考えながら読むミステリー部分での面白さも抜群だった。

    『人は思いがけないところで繋がっていて、一度その鎖を断ち切っても、別のところで繋がっていたりするんですよね』

    人と人とのつながりを「縁」と呼んだり、「糸」で形容されることはよくあるけれど、「鎖」と表現している所に考えをめぐらせるのも面白かった。


    まだ1冊しか読んだことがないので偉そうなことは言えないけれど、この本は湊かなえさんの『白』作品と言われているが、初読の私は『灰色』を書くのがとても上手い方だなと思った。人間の曖昧で汚くて美しい、グレーな所が引き出されているなと。

    この本は全貌が見えている2回目の方がより面白く読めそうなので、再読本リストに入れておこうと思う。

  • 初心者的には読みにくいというか、難しい。。
    いつのだれのなんの話をしてるのか?を把握できないと前半つらい。
    最終章も、頭の中で整理しながら繋がる感じ。
    これは2回目読む方楽しそう、でもちょいと頭が疲れたので、別ジャンル挟んでリセットしよーと。

  • 花や和菓子や山、それぞれに関わる人物からヒントを得て謎を解いていくミステリー。
    和哉と陽介の関係性が複雑でわかりにくかった。でもそれを紐解くことでこの話を進めることができた。
    人の気持ちが花のように結ばれて、一つの輪、花冠になるような話だった。

  • 緻密に構成されたストーリー、所々で出てくる「きんつば」と「りんどう」、それぞれの文章から漂う雰囲気も少しずつ違っている。どうやったらこんな素敵でよくできた話が描けるんだろう。
    湊かなえさんの中でも読後感が重く暗くならず、でも決して軽いわけでもなく、温かく読めた。

  • 淡々と読んでたら、最後の最後でバタバタと真実が明らかになる。3人の物語で登場人物が多いせいか
    、一回ではイマイチ理解できないところもあった。
    悲しいお話しなのかな〜。
    でもお花が関係する物語って素敵。

  • 「花」「雪」「月」というサブタイトルで、梨花、美雪、紗月という三人の女性の物語がそれぞれ交互に書かれている。この三つの物語がどのように繋がっていくのか読み進めていくと、ラストで三つの物語が一つの物語になっていて、伏線や構成の巧みさがすごいと思った。
    湊かなえさんの代名詞 "イヤミス" という感じはあまりなく、同じ「母と娘」というテーマの『告白』が「黒」だとすれば、『花の鎖』は「白」だ。『告白』とはまた違った女性の強さを感じとれた。
    「人って思いがけないところで繋がっていて、一度その鎖を断ち切っても、別のところで繋がっていたりするんですよね」というセリフ。ある血族の愛憎劇とも本作のテーマとも言える、少し切ない一文だった。

  • 途中までこの仕組みに気づかず
    正直混乱も感じながら読み進めていた。

    次第に状況が見えてくると先が気になってしょうがなく
    後半はあっという間に読んでしまった。

    全てが繋がるラストが心地よく
    これまでの混乱は綺麗になくなった。

    読み終わった後、もう一度読み返したくなる作品。

    350ページ(文庫)

  • 3人のヒロイン、“花“、“雪“、“月“の話が同時に進むので、初めは、「頭が追いつかないー」ってなるが、途中から理解が追いつき、最後には色々繋がって「なるほど」。本書に出てくるきんつばを食べてみたくなった。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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