- Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
- / ISBN・EAN: 9784260031578
感想・レビュー・書評
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前半をヒイヒイ読み、後半の味を利いた。
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能動と受動にたて分ける思考様式は、歴史社会的に要請されている意志と責任の観念の反映である、との指摘から本書は始まる。その後、文法の古層を遡り、中動態という次元を異にする思考、存在様式を確かなものとして論証した。
千葉氏と著者の対談では、この中動態をよりアクチュアルなものとして、つまり深められて扱われていたが、本書はその土台としての性格を持つ。 -
◎こころ:言語の態(ヴォイス)で立ち位置と景色を考える。自分は何から作られているか再考し、主体性を疑ってみる。
○ツボ:ギリシア語の中動態、ヒンディー語の与格、日本語の自発態…。態を考えてから、視点と態度を設定してみよう。多くの社会問題は主体性と規範に捉われていると解決が難しい。
☆問い:態を考えてから、自分の研究分野のヒト、組織、社会を観察すると、別の光景がみえてくる。 -
筑波大学Neurodivergents Anonymous Circleにて読書会を実施
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/701884 -
能動態でも、受動態でもない、中動態について。
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毎日出版文化賞企画部門賞受賞(2019年/第73回)
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能動態と受動態。しかしここに当てはまらない中動態というものが確認できる。「歩く」という行為に人は意志を持ち意識をして歩いていることは少ない。能動態とは少し異なる。また受動態でもない…。このような状況を中動態と考え、文法や言語の歴史、哲学書を参照しつつ、今我々が生きている中動態の世界を考察した図書。
スピノザから大きなヒントを得ている。人ははじめから自分自身の意志でなにかを決定することは難しい、完全な自由ではない。また強制された受動的な世界でもない。世界の変状を受け取ったとき、自分自身がどのように自分の本質を表現できるか考えることによって、受動的な部分は避けられ、自分の関わる部分を増やすことができる。中動態という考え方が生きるうえでの大きなヒントになるよう。
なかなか難解なところもあったけど、心にとどめておきたいと思う。 -
自死に対しての自分の中の認識の処理をこの本を介してした。