マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

  • 武田ランダムハウスジャパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784270002483

感想・レビュー・書評

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  • Room to Read CEO, founder
    ジョン・ウッドの自伝。

    1999年にマイクロソフトのエグゼクティブを辞めて、
    途上国の子どもたちに本を届け、図書館、学校を作り
    教育を受けるチャンスを与える活動に身を投じることとなった、
    そのストーリーをありのままに記している。

    読んでいて、身が震える思いがした。
    たぶんいろいろと理由はあるのだけれど、一番大きいのはたぶん
    著者の真っ正直さである。

    なぜ年収数十万ドルというレベルのエリート・ホワイトカラーが
    ほとんど収入ゼロに等しいNPOの立ち上げに走ったか。
    これは、「金銭」こそがビジネスの報酬だという思考の人には
    絶対に分からない話だ。
    「これは、僕がやるべき意義があることだ」
    という天啓のような稲妻が走ったら、
    人はそういうふうに動いてしまうものなのだと思う。

    ただし、著者のすごいところは
    目的は社会貢献であるけれど、
    その目標設定、組織作り、実行手法に関しては、
    超一流企業のそれを徹底して踏襲していることである。
    著者はビル・ゲイツとスティーブ・バルマーの影響が大きいと
    語っているが、本当にそうなのだと思う。
    特に、バルマーとのエピソードに関しては、愉快であり、
    きわめて示唆に富んだものである。
    「結果最重視、成果の報告と情報更新、
     具体的数字に基づくこと、双方向の忠誠心」
    この原則を徹底することで、Room to Readは
    ほかの非営利団体とは桁違いの信用と資金と人材を獲得し、
    現実に成果を挙げてきたのだろうと思う。
    すべては、この組織のトップである著者が、
    世界最強クラスのIT企業の現場で得た経験に基づくわけだ。
    この話だけをとってみても
    「ビジネス」と「社会貢献」を切り離す考えがいかに愚かしいかよくわかる。
    ビジョンが違うだけで、目標を立てて実行する組織であることに
    なんら違いはない。
    ゆえに、そこに導入されるべき組織哲学も共通して当然だ。

    アメリカは勝者敗者をはっきり分ける経済至上主義だ、と
    論じる人がいる。
    私はそんな単純ではないと思う。

    まず、アメリカの寄付市場は個人だけで約20兆円。
    日本の0.5兆円と比べると、実に40倍。
    そして、アメリカでは起業が推奨される。
    失敗してもいい、チャレンジしてなんぼなのである。

    つまるところ、アメリカは経済的勝者になる道を
    用意しているし、
    今度は経済的勝者になったら、それを社会に還元する
    理念が共有されているということなのである。
    もちろん、すべてのリッチな人々が寄付や社会貢献に熱心だとは
    思わないが、
    少なくとも日本よりははるかにエグゼクティブ層に社会貢献意識が
    高いことは間違いないだろう。
    キリスト教文化、幼少期からの教え、国家の歴史、まぁいろいろと
    要因はあると思うけれど、結果が出されていることに違いはない。

    そして中にはジョン・ウッドのように、
    一流ビジネス・パーソンから、一流の社会貢献家になってしまう
    人も出てくるわけだ。

    2011年。日本は東日本大震災を受け、おそらく日本史上でもっとも、
    「私が社会に対してできることはなんだろう」と
    考えるようになった年であると思う。
    その多くの人の意識変化を無駄にしてはならない。
    誰しもがジョン・ウッドのようになりたいわけでも、なれるわけでもないが、
    彼の言うように「情報を知ったら、行動に移す」ことはできるはずだ。
    自分の持てる財産や時間のごく一部でいいので、社会をよくすることに
    それをまわしてみる。
    Room to Readのような優れた組織ならば、それを無駄にすることなく
    活用し、そして提供者に精神的な充足と、現実に苦しむ人への手助けを
    どちらも達成してくれるだろう。

  • 「教育が世界を変える」

    マイクロソフトのエグゼクティブから一転、起業家としてNGO「RoomtoRead」を立ち上げ。
    きっかけは3週間のネパール旅行。
    教育を受けられない人々が何億人もいる。
    教育を受けられないから、雇用もない、お金もない。
    それは子供にも受け継がれてしまう、
    ネパール人は、英語を話せるだけで、そうでない人の3倍の集乳が得られる。

    ネパールを始め、数百の図書館、学校を建設、寄付した本は100万冊以上。

  • 周りにすすめたい一冊。

    とても良い本。

  • 小暮さんオススメ9

  • 昔読んだなー。っとおもったので登録した。2009年とかかな?
    おもしろかったぞ。自分は社会起業家にはなれんと思うけど。
    こういうすごい人にとってはどこで働こうが関係ないんだよね。きっと。
    どこでも全力で働いて成果をだせるんだと思う。すごい!

  • きっかけはほんとに小さなことなんです。

    旅先のミャンマーで、ある一人の人にかけられた一言が筆者の人生を大きく変えたのです。

    言われたことを守るか守らないかは本人の自由ですが、自分の本心が言われたことを果たしたいと思うなら、今ある地位や、財産、などすべてを捨てても行ったほうがよいということを教えられました。

    ただ、それが本当に多くのものを犠牲にすることに値するか熟考する必要はあります。

  • この本にはエネルギーがあふれている。

    そんな表現が正しいように思うし、読んで思った率直な感想だ。

    生き方や選択の仕方、あるいは組織についてなど、人生において学ぶべきことがこの本にある。それを示す様々なエピソードが織り交ぜられている。

    目標の大きさが大切とかお金を何に使うかが問題だなど、ここからエネルギーと考え方を私は学んだ。

    この本を読みながら、本を読んでいる場合じゃない、行動しなくてはって気になった。理性を超え情動を動かすエピソードと表現は、私に対して確かな力を与えた。

    私は何か行き詰った時、負けそうになった時、再びこの本を読むだろう。私を支える一冊になると思ってる。

    ルームトゥリードを私は陰ながら応援しています。

    星が4つなのは、最後の方で飽きてしまって、もういいやって思ったから。

  • 本が好きで、図書館にもよく行くので、本をボランティアで集めて、必要なところに送るという話は好感が持てる内容でした。
    本をいかに必要なところに届けるか。書籍を書いたり、出版にかかわる人間に共通の課題だと思う。

    一つ気になるのは「マイクロソフト」という単語。
    話の本筋には関係ない。成長中の大企業で経営、宣伝のノウハウを持って、一つの事業にあたったという物語で、固有名詞は必要ない。

    まして、なぜ航空券がビジネスクラスなのだろうか。疑問がわいてくる。

    本を売るために必要な鍵となる単語ではある。マイクロソフトが積極に協力しているのだろうか。
    全体を読んでも、タイトルの趣旨はよくわからなかった。

  • ネパールに本を送る取り組み
    ービジネス視点でのボランティア活動
    ー人の役に立つことの素晴らしさが分かる。

    ROOM TO READ

    Microsoftで学んだことを生かした。
    ー大きな目標を設定する大切さ。
    ー頑固さ。やり抜く力強さ。

  • 今の仕事に疑問を感じている日々・・。
    今までとは違う新しい視点での仕事や生き方を教えてくれる本です。
    今の仕事に嫌気がさしていた3年前に読みました。

    こんな生き方もあるのかと教えてくれました。
    新しい生き方・仕事を知ることで、希望が沸きます。
    この本を読んでからは、本屋に行く度に必ず「社会起業」のコーナーに
    立ち寄るようになりました。
    すばらしい生き方。

    仕事・人生に迷いのあるときには、必ず役にたってくれる本です。

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