サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

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制作 : 柴田裕之 
  • 河出書房新社 (2016年9月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309226712

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サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福の感想・レビュー・書評

  • 2016年を代表する本として各所で絶賛されているが、確かにこれは凄まじく知的好奇心を揺さぶってくれる。

    イスラエルの歴史学者である著者が明らかにするのは、ホモ・サピエンスという生物種がなぜ他の生物種と異なり、地球でここまでの文明を作り上げることに成功したのかという問いへの答えである。そのカギを握るのは、「認知革命」・「農業革命」・「科学革命」という3つの革命であった、というのが骨子となる。

    上巻では、歴史学者としての丁寧な史実関係叙述と不確実な事柄はそのまま不確実さを伝えるという真摯なスタンスにより、「認知革命」と「農業革命」についてが解説される。

    「認知革命」は、ホモ・サピエンスが言語を発明したことや、言語により相互のコミュニケーションが可能になったということではなく、「虚構」を生み出すことにより、様々な共同体を組成できるようになったこと、そしてその共同体とは虚構、別の言葉を用いれば幻想の存在であるということこそが革命の主たるポイントとされる。例えば、宗教や国家、引いては我々の多くが所属する企業に至るまで、あらゆる共同体は「その構成員全てが、会ったことがない他の構成員に関して自らとの同一性を感じ、何らかの協力体制を構築できる」というのが特徴になるが、共同体とは自ら触れて確かめることができないにも関わらず、その存在が疑われないという点で、一種の虚構性を帯びる。

    「農業革命」について刮目すべきは、「人間は小麦などの作物を農業に適した形で栽培化することで、狩猟採集よりも安定的な生存基盤を獲得できた」という考えが実は誤解であるということが明らかにされる点にある。事実はむしろ逆で、「人間は小麦により家畜化され、小麦という種が世界にその遺伝子を残すべく繁栄することに成功した」、つまり人間は小麦の利己的遺伝子を残すためのビークルとして利用された側であるという。これは我々が通説的に考えている狩猟採集社会から農業社会への移行のバックグラウンドの言説を覆す説であり、非常に面白い。

    本書の面白さは、例えば「認知革命」だけを例に取れば、おおむねその主張はベネディクト・アンダーソンの「想像の共同体」で語られていることと軌を同じくしていると思うが、そのスコープが農業、科学など多岐に渡り、なおかつ時間的・空間的な広がりを持っている点において、この一冊で広範な人類の活動の謎を全て知ってしまえるのではないかという奇妙な錯覚を与えてくれる点にある。引き続き下巻へ。

  • 興味の中心は最後の新人類の話だろうけど、それ以外の部分がダメダメだった。自説に都合のいい話を挙げるばかりで、最新の研究を紹介するわけでもなく、新鮮味がない。

  • ホモ・サピエンス、つまりわれわれが生まれて、地球を支配する存在となるに至るまでの大きな歴史を著者の観点から分析・整理したものである。かなり壮大な試みでもあり、また面白い。

    著者によると、人類史において、三つの重要な革命があったという。その三つというのは次の通り。

    1. 七万年年前の認知革命
    2. 一万二千年前の農業革命
    3. 五百年前の科学革命

    まずは「認知革命」について。これは人類を人類足らしめ、他の生物との基本的な違いをもたらした「革命」である。そのためには生物学的に大きな脳が必要なのだが、まずはなぜ大きな脳を持つようになったのか、というところから話は始まる。大きな脳はエネルギーを大量に消費するため、必ずしも生存や繁殖に有利とも言えないという事実がある。ヒトの脳が安静時に全消費エネルギーの25%を消費しているのに対して、ヒト以外の霊長類は全体の消費エネルギーの8%しか必要としないらしい。さらに出産においても頭の大きさは弊害になり、おかげで子供が未発達な段階で出産するという代償を払うことになった。その代償を支払った上でも二百万年の間、大きな脳は石器以外のものを残さなかったように見える。何が巨大な脳の成長を進化の過程の中でその代償を支払ってでも促したのかは明らかになっていない。

    「私たちは、大きな脳、道具の使用、優れた学習能力、複雑な社会構造を、大きな強みだと思い込んでいる。これらのおかげで人類が地上最強の動物になったことは自明に思える。だが、人類はまる二百万年にわたってこれらすべての恩恵に浴しながらも、その間ずっと弱く、取るに足らない生き物でしかなかった」

    生物は遺伝子の変異の自然選択によって進化するが、その進化の過程において、大きな脳の獲得にはある種の跳躍が必要であったということだ。著者は、それを可能にした理由を「言語」、つまり抽象的な事象「虚構」について語ることができるコミュニケーションの能力に見る。これが著者の言う人類に生じた「認知革命」である。

    「激しい議論はなお尽きないが、最も有力な答えは、その議論を可能にしているものにほかならない。すなわち、ホモ・サピエンスが世界を征服できたのは、何よりも、その比類なき言語のおかげではないだろうか」

    少し想像してみればわかる通り、実際に生物の集団において「虚構」を流通させることは思いの他難しく、人類以外の生物で言語に近いものを使うことができるものがいたとしても、「虚構」を語ることができる種がいるとは思えない。

    「効力を持つような物語を語るのは楽ではない。難しいのは、物語を語ること自体ではなく、あらゆる人を納得させ、誰からも信じてもらうことだ。歴史の大半は、どうやって膨大な数の人を納得させ、神、あるいは国民、あるいは有限責任会社にまつわる特定の物語を彼らに信じてもらうかという問題を軸に展開してきた」

    多くの集団を結びつける「神話」を成立させる能力が私たちを万物の支配者に仕立てたのだ。当然、この「神話」には、宗教だけでなく、貨幣や国家、共産主義、資本主義なども含まれる。それがなければ、膨大な数をひとつに統合して力とすることは適わない。

    次に語られる革命が「農業革命」だ。この革命により人類は自らを維持するための食料エネルギーの観点で大幅にその数を増やすことが可能になった。

    元々人類は、狩猟採集を行う種であり、そのように進化圧に対応してきた。それは人類が寒冷地であるシベリアにまで拡がっていったことからもわかる。マンモスやトナカイなどの大型の動物が北方には生息していたから、それらの動物を追ってサピエンスが北へその生息域を広げていったことは合理的だといえる。

    「私たちの祖先が狩猟採集した何千もの種のうち、農耕や牧畜の候補として適し... 続きを読む

  • 「銃・病原菌・鉄」以降、流行っている"マクロ歴史学"的本の一種。その種の本の中ではもっとも読みやすく、未来への言及が多いのが特徴だと思う。人類(この本の中ではネアンデルタールなど他の類人猿と区別するためにサピエンスと呼んでいる)は、7万年をかけて3つの革命を経て現在に至り、最終革命を経てサピエンスではない新種の生物に変化するのではないかと上下巻をかけて分かりやすく解説している。

    最初の革命は、7万年前の認知革命。これによりサピエンスは"虚構"という新しい意思疎通の方法を会得し、これにより血族以上の集団を統合する術を身に着けた。その虚構とは神話であり、宗教であり、直近では民主主義や資本主義である。そして、虚構によるサピエンスの統合の最大の発明品が"貨幣"であると作者は指摘する。(確かにそうだ!)

    次の革命は1万年前に起きた農業革命。これにより、食糧事情は安定し、単位あたりの人口密度は増大した。が、代わりに所有と貧富の差が生じ、また労働の長時間化と苦痛化が起きた。

    人類が過去に経験した最後の大革命は500年前の科学革命である。科学革命の核心は"無知の知"である。「我々は何も知らない」から始まる知的探求は、革命前のサピエンスの知識に対する認識(神と神に近い指導者は全てを知っており、昔はよかったという懐古主義となる)からはまさにコペルニクス的転換であり、「何も知らないから調べて知る。知るから未来はより発展する」というフィードバックループをサピエンスの中に作り出した。そして、科学の発展には金(投資)がいる。この無知の知→投資→科学的発展(富の増大)というループの強化に繋がったのが帝国主義であり、特にユーラシア大陸をアラブと中華の帝国主義国に牛耳られていて劣勢にたっていた欧州諸王国がこのループに積極的に関与して新大陸やアフリカ大陸を植民地化していったという歴史的事実は「今日の弱者は未来の強者」という観点からみてとても興味深い。

    現在、科学革命の担い手は資本主義となり、科学革命と資本主義、あるいはそれに付随する自由主義とによって世界は唯一に統合されつつある。その先にあるのが、生命工学的革命であり、それは不老不死や他の生物との遺伝子的融合、工学化(サイボーグ化)である。この段階に及んでサピエンスは有機的な進化から科学的あるいは無機的進化を伴う生物となり(いわゆるシンギュラリティ)、もはやそれはサピエンスではなく別種の生物となり、10万年に渡り繁栄し、地球を支配したサピエンスはここに終焉するし、その時点ではサピエンスの価値観はいまのものとは全く異なるものとなっているので、いまからそれを悲観したり、警戒したりしてもほとんど意味のない議論だろう、と作者は論じている(と思う)

    この本は、まず全体において、人類の歴史を3つの革命と今後起こる最後の革命とに整理して、莫大な事象と理論的解説を経て分かりやすく説明しているのが非常によい。その上で、これらの発展と個々人の幸福との関係性について作者はかなりの字数を割いて論じている(批判している)。要するにこれらの種としての大発展と個々人との幸福は別物であり、ここに我々はこの大発展について立ち止まって考える必要がある、としている点がまたよいと思う。本当にそうだからだ。

    といことで、次は"個々人の幸せ"についてマクロ歴史学的視点で書く本がぜひ読んで見たい気がする。まあ、それは非常に主観的問題なので過去のデータは残りずらく、書くのは難しいかもしれないが。。

    一連のマクロ歴史学的本の中では、分かりやすく読めるという点で、もっともオススメの本だと思います。

  • 人類学を面白い視点で書いている。とても視野が広まる。

  • (2017.02.20読了)(2017.02.10入手)(2017.02.13・25刷)
    副題「文明の構造と人類の幸福」
    著者は、どんな人なのかと表紙カバーの袖にある紹介文を見ると中世史、軍事史を専攻した歴史学者でした。エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えている。
    考古学や古生物学の専門家ではないのですが、人類の誕生から説き起こして人類史を概観しています。何年も前に世界史を習った人たちには、最近の知見が盛り込まれているので、新鮮で驚きの内容が多々あると思います。
    逆に、考古学・古生物学が好きな方たちには、内容が薄いので物足りないとか、議論が大ざっばの感はぬぐえないと思います。
    農業革命については、多くの人たちにとってはいいことのないものだったと述べています。一生懸命働いても大部分を支配者にもっていかれてしまうし、天候不順で飢饉になったりすれば多くの人が亡くなってしまう。
    狩猟採集の生活のまま継続すればよかったということなのでしょう。
    文字については、事実と数を記録するためにつくられたとしています。シュメールは多分そうだったのでしょう、インカ帝国のキープについても同様の役割だったのでしょう。でも、文字の発明がすべても文明でそうだったのかについて検証する必要があるのではないでしょうか。たとえば、中国の甲骨文字についてとか。
    一方、貨幣の発明を非常に評価しています。貨幣の利便性は確かにすばらしい発明だと思いますが、現代のマネーゲームの弊害についてはどのように考えているのでしょうか。ちょっと見えないところです。
    下巻では、科学革命について述べられるようですが、中世の錬金術や軍事史の面からの見解を聞きたいものです。

    【目次】
    歴史年表
    第1部 認知革命
    第1章 唯一生き延びた人類種
    不面目な秘密/思考力の代償/調理をする動物/兄弟たちはどうなったか?
    第2章 虚構が協力を可能にした
    プジョー伝説/ゲノムを迂回する/歴史と生物学
    第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし
    原初の豊かな社会/口を利く死者の霊/平和か戦争か?/沈黙の帳
    第4章 史上最も危険な種
    告発のとおり有罪/オオナマケモノの最期/ノアの方舟
    第2部 農業革命
    第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
    贅沢の罠/聖なる介入/革命の犠牲者たち
    第6章 神話による社会の拡大
    未来に関する懸念/想像上の秩序/真の信奉者たち/脱出不能の監獄
    第7章 書記体系の発明
    「クシム」という署名/官僚制の驚異/数の言語
    第8章 想像上のヒエラルキーと差別
    悪循環/アメリカ大陸における清浄/男女間の格差/生物学的な性別と社会的・文化的性別/
    男性のどこがそれほど優れているのか?/筋力/攻撃性/家父長制の遺伝子
    第3部 人類の統一
    第9章 統一へ向かう世界
    歴史は統一に向かって進み続ける/グローバルなビジョン
    第10章 最強の征服者、貨幣
    物々交換の限界/貝殻とタバコ/貨幣はどのように機能するのか?/金の福音/貨幣の代償
    第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン
    帝国とは何か?/悪の帝国?/これはお前たちのためなのだ/「彼ら」が「私たち」になるとき/
    歴史の中の善人と悪人/新しいグローバル帝国
    原 註
    図版出典

    ●三つの革命(14頁)
    七万年前、ホモ・サピエンスという種に属する生き物が、文化を形成し始めた。
    歴史の道筋は、三つの重要な革命が決めた。約七万年前に歴史を始動させた認知革命、約一万二千年前に歴史の流れを加速させた農業革命、そしてわずか五百年前に始まった科学革命だ。
    本書ではこれら三つの革命が、人類をはじめ、この地上の生きとし生けるものにどのような影響を与えてきたのかという物語を綴っていく。
    ●ホモ・サピエンス(2... 続きを読む

  • 世界的話題の書ということで繰り上げ読了。アフリカで細々と生きていた人類の祖先(食物連鎖でいうと中程度)が、なぜこの星の支配者になったのか、その答えの鍵は「フィクション」であるという。国家、文明、貨幣、宗教、企業、法律、平等や将来は今より豊かになるというフィクション。これらのおかげで見知らぬ人と協力するようになり、進化の法則を飛び越えて力を得た。一方、狩猟社会から農耕社会になったおかげで安定的かつ豊かな社会を手に入れたと教えられたが、労働時間は増え、人口は増えたが飢餓も増えた。むしろ穀物を活かすために働いているようなもので、主人は穀物だという視点は新鮮。生物学的に数を増やすことが成功ならば、歴史上最も成功した動物は家畜となった牛であるが、狭い檻の中で過ごし、初めて歩くのは解体される時という生物が果たして幸せなのか。そしてこれは人間にも当てはまるのではないか。

  • ホモ・サピエンスの歴史を筆者の視点、持論で解説した本。学校で習った「歴史」は、かなり大まかにざっくりと、それも主流の解釈を学んだだけだったことに今さらながら気付きました。そして、学生時代に苦手科目だったのに、歴史ってこんなに面白いんだ〜と思いました。好奇心をかなり、くすぐられました!

  • ○この本を一言で表すと?
     ホモ・サピエンスの発生から未来までを広い視点と一貫した観点で述べた本


    ○この本を読んで興味深かった点・考えたこと
    ・国家、国民、貨幣、宗教等を全て「虚構」とみなして論じていて、虚構だからこそ多くの見知らぬ人が協力することができた、ということが一つの大きなテーマとして最初から最後まで貫かれていたように思いました。

    ・最後まで読んで、著者がユダヤ人でヘブライ大学の教授だということを知りましたが、イスラエルで宗教や国家を虚構と論じるというのはすごいことだなと思いました。

    ・私も国家というものの実体、貨幣というものの実体について考えたことがあり、共同幻想が堅固な実体にまで昇華したようなものかなと思い至ったことがありましたが、この本の著者のように人類の歴史を通して「虚構」として捉えたことはなく、曖昧なものがすっきりしたような気持ちになりました。

    ・「認知革命」「農業革命」「科学革命」の3つの大きな変革を経て今に至っており、今も科学革命の途中にいるという前提で、時系列で話が進められていました。読み終えてみると、それぞれの変革がその前後で大きく世界のあり方を変えていることが伝わってきました。

    ・考古学、民俗学、歴史学、宗教学、経済学、経営学、科学など様々な分野に亘って論じられていて、著者の博識さと各分野を関連づける能力がすごいなと思いました。

    ・結論を出す本というより、過去の変化、未来の変化において人間はどうなってきたか、どうなっていくのかの様々な問いを立てる本だという印象を受けました。


    <第1部 認知革命>
    ・生物学的な分類の話とホモ・サピエンスとそれ以外の人類が先祖と子孫の関係ではなく、別系統の進化であった可能性が高いと考えられていること、人類発生からごく近年に至るまで食物連鎖で中位程度の地位にいた人類が現在圧倒的な最上位にいること、ネアンデルタール人が3万年前に絶滅して、なぜホモ・サピエンスだけが現在に残っているのか、などの問題提起がされていました。(第1章 唯一生き延びた人類種)

    ・前章で提起された「なぜホモ・サピエンスだけが生き延びたのか」という問いに対しての解答を認知革命がホモ・サピエンスに起きたから、としていました。NHKスペシャル取材班の「HUMAN」でも協力できることがホモ・サピエンスとネアンデルタール人の勝敗を分けたと述べられていましたが、この本ではもう少し深く考察されていました。動物でも言葉によるコミュニケーションを取れますが、言語として細かい内容を伝えられること、事実以外のこと、抽象的なことについても伝えられるようになったことが「認知革命」なのだそうです。(第2章 虚構が協力を可能にした)

    ・3万年前に造られたライオンの頭を有した人の像が発見されたそうですが、想像の産物を集団に属する者が崇め奉ることができ、集団が協力して目的に当たることができるようになったこと、生物学的に反するあり方のボスを置けるようになったことをカトリックの教皇や宦官を例に出して述べていました。(第2章 虚構が協力を可能にした)

    ・古代狩猟採集民の生活について、限られた証拠しかないことと、学者の偏見から単一の生活形態を前提と考えて想定されることが多いが、そのようなわけがないこと、様々な生活様式や集団のあり方があったはずだという著者の考えは、確かにそうだなと思えました。ある地域では争い事がほとんど起こらず、ある地域では人口の何割かが死亡するような争い方をしている、という状態が同時に存在していたというのも、考えてみれば当たり前にあり得る話だなと思いました。(第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし)

    ・狩猟採集民はかなり生きていくのが厳しく、常... 続きを読む

  • ジャレド・ダイヤモンド、ダニエル・E・リーバーマンなど知の巨人達が、展開する理論を総合的に俯瞰。特に認知革命については、両者が今まで主張していなかった目新しい理論。そしてその理論は、文明を支えるための最上位の概念ともいうべきもので、実に目から鱗の理論です。個人的には、これまで読んできた書籍の中でもベスト3といっても過言ではない名著です。

  • 「七万年前から三万年前にかけて見られた、新しい思考と意思疎通の方法の登場のことを、「認知革命」という。」この認知革命に関する様々な考察は面白かった。「農業革命」には、私にとって目新しい考察は無かった。総じて平凡な印象しか持てませんでした、残念。

  • 上下巻を通してのメモです。ホモ・サピエンスは生物として与えられたハードウェアの上に、幻想の共有を可能とするソフトウェアを実装している。この1点を以って、他生物の上に君臨した。思想・心情を上書きすることで大量のリソースは勝手気ままに一方向へ走り出す。幸福に関する記述で面白かったのは「幸せは身の内に発する」

  • 正直、「ビジネス書大賞2017大賞受賞」の宣伝の影響で購入。でも買って良かった。単なるビジネス本ではない、かといって人文書でもない、なんとも壮大なスケール。独自の展開で人類の来し方と未来を考えさせられる。
    「歴史の道筋」を決めたという3革命のうち、上巻は「認知革命」と「農業革命」の終盤まで。下巻は楽しみな「科学革命」がある。即購入決定。

  • ヒトと他の生物を分けるものは、ヒトが創り出す「虚構」にあった。人文科学と自然科学を行き来して、ヒトがどの様に自然界の頂点にのし上がりながら、虚構世界の中で如何に悪戦苦闘しているかを忠実に描く。平易な文章と豊富な具体例も、読者の理解を助ける本書の魅力。

  • 脳、声帯、想像力、農業

  • 思ったよりも文章が平易で、たまにユーモアを交えてあった。タイトルでは「全史」と銘打ってはいるが、人類の進化・発展をめぐる謎を時系列に沿って解説していくのではなく、「そもそも人類とは何か」「人類が生み出した様々な概念の正体とは」など、文化史としての側面が強い。おもしろいっちゃおもしろいのだが、ちょっと内容が雑多な感じがしているのが気になる。下巻で最終的に本書のメッセージがどのようにまとまるのかを確認してみたい。

  • 難しいかとおもって敬遠してたけど、ホモ・サピエンスが地球上に登場してから帝国主義までの考えがよく分かった。農業革命は必ずしも良くはなかったんだなぁ。人間がもはや他と同様の動物にしか見えない。

  • 209ハラ 世界史

  • 世界史の教科書には載っていないであろう内容が
    (世界史の授業を取っていなかったので正確にはわからない)
    書かれていて面白みはあります。
    特に農業革命のあたりの内容は非常に興味深かいものでした。
    ただ、後半になるにつれて、ダレてくる感じがあります。
    下巻も一緒に買ったのですが結局読みませんでした。

    世界史が好きな人にはオススメできます。
    ただ、興味本位で手にとって買うと
    自分のようにダレてくる可能性もありうるので
    購入の際には十分な検討が必要だと思います。

  • 農業革命から古代史のくだりまではおもしろかったが、上巻前半から下巻はよくある文明と幸福論に見えてしまった。

  • 3.5 面白い。人類(ホモ・サピエンス)の進化を生物学的、遺伝子学的に考察している。中には納得し難いものもあるけど論理的で納得せざるを得ないかな。

  • 上はサピエンスがどのように進化して今のような経済社会を手に入れたのかを語っている。
    まず、言い回しが面白い。著者の分かりやすい事例のおかげで難しい内容が納得できるような内容にまでなっている。
    また、この本を読んで何度も思ったのが、人間も地球に住む生物のうちの一種でしかないということだ。
    ヒトは唯一無二の存在ではなく、昔はホモ属の生物がたくさんいた
    ではその他のひと属は何が違うのかというと、偶然にも認知革命が起こったからだ。
    認知革命により、虚構を発明できるようになった。それにより、あったこともない大勢のヒトと協力できるようになった。そして、今までは生物学的な進化でしか発展できなかったが、必要性の変化に応じて文化の進化をすることができ、遺伝子進化のスピードを追い抜くことができた。
    ただ、農耕民族への移行は最大の詐欺だったと筆者は考えている。確かに、人類全体の数は増えたが、個人で見ると決して幸せになったとはいえない。サピエンスがそれらを栽培したのではなく、長い期間をかけて逆にサピエンスがそれらに家畜化されたのだ。サピエンスが農耕民族になったのはほんの1万年前からで、その前の200万年間はずっと狩猟民族だったので現在も体と心は狩猟民族だったことの影響が大きい。
    そして、虚構の中でも最も優れたものが政治、貨幣、宗教だ。これらを使って、人類の集団としてのチカラをますます増やしていった。

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