アライバル

  • 河出書房新社
4.28
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309272269

感想・レビュー・書評

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  • 妻子を残し、言葉も文化も分からない国へと旅立つ男。その国には男と同じように様々な理由で移り住んできた人たちがいた。アライバルである男を温かく迎える彼ら。男は新天地で暮らし、そこは新たな故郷となる。そしていつしか同じようにアライバルたちを迎える側となるのだ。国を捨てると言うことは辛いことだ。例え自らの意思だとしても。それでも人は生きていかねばならないし、それが生きていくと言うことなのである。

  • すごいな。映画のような壮大さ。どこかにある世界。

  • オードリー・タンでもショコタンでもない。
    ショーン・タン。
    この本には文字がない。見返しにあるように、サイレント映画のようだ。文字がないからこそその世界に直接入れるのかもしれない。そしてこの世界観!引き込まれないはずがない。
    アライバルは新たな土地に移民してきた人の話だ。いや待てよ。この本を見ている自分もその世界に移ってきた移民者の体験をしている!(荒木飛呂彦風に)異文化に戸惑いながらも順応しようとしている自分がいつ絵の中に出てきてもおかしくない!(既にスタンド攻撃を受けている!?風に)
    文字があるときっとどうしても説明的になるだろう。そうなったら客観的にしか見られなくなる。この本はすごいぞ。ページをめくるたびにいつの間にかその世界に居る。いやむしろページをめくる旅!何言ってるのかよくわからないって?それだけ言葉にはならない感動があるという事さ。
    文字のない絵本といえば、『アンジュール』(ガブリエルバンサン )文字無し絵本!これぞ絵本!
    実は既に『アライバル』と『セミ』は体験済みなんだけど再読です。

  • 長編映画を観たような充足感。大切な人に贈りたくなる絵本。

  • 文字が一切ない本当の"絵本"。
    文字がないから読むときの気分であったりで、毎回違う絵本のように感じる。
    絵のタッチがとても繊細。私は先住民の不思議な生き物が好きです。なんとも言えないけど人懐っこくて可愛い、あの生き物が好き。その生き物はおたまじゃくしとかえるの途中をモデルにしたそうです。
    ショーンタンの作品が好きなのでショーンタンの世界展にも行きました。

  • 無声映画を観ているような…
    移民について描かれた絵本。
    子どもが読んだらどんな感想を抱くのだろうか?

    ダークな部分とほっこりする部分と様々で、アートらしい一冊。

    また、琹がゴールドリボンでステキ

  • レビューとは関係ないのですが、以前夫が「本屋でみてほしいと思ったけど高いのでやめた。」と話していた。数年後ちひろ美術館でショーン・タンの世界展があり夫を誘っていきました。帰りに絵本を買った夫が 絵本を開いてたくさんの顔の中から一つを指し「これ 俺が若い頃とそっくりなんだ。こんな目をしていたんだ。」と教えてくれました。

  • 新しい土地で生きていく移民達の生きている日々の話。

    まさにグラフィックノベル。

  • 初読

    「セミ」しか知らないまま、横浜の「ショーン・タンの世界展」に。
    展示の中で「アライバル」が1番印象的で、
    絶対読んでみたいと買って帰った。
    鉛筆のみ、白黒の濃淡で描かれた原画はセピア色に印刷されていて、
    それもまたいい雰囲気。

    1冊の本として素晴らしく、
    展覧会で流れていたインタヴューに
    「移民の方々に嫌な思いをさせない」ように心を砕いたと
    あったように、その善性にも胸が一杯になった。

    数日前にツイッターだったかで知って読んだ
    難民キャンプでの小農の記事にあった
    故郷を去る時の持ち物に種を入れる、という行為を思い出したり。

  • 文字がないので、ゆっくりと絵に集中できた。ページをめくるたびに気持ちが静かになっていくような感覚。人は、ただ生きていくんだなーと漠然と想う。

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著者プロフィール

1974 年オーストラリア生まれ。幼いころから絵を描くことが得意で、学生時代にはSF 雑誌で活躍。西オーストラリア大学では美術と英文学を修める。オーストラリア児童図書賞など数々の賞を受賞。2006 年に刊行した『アライバル』は世界中で翻訳出版されている。イラストレーター、絵本作家として活躍する一方、舞台監督、映画のコンセプトアーティストとしての活躍の場を拡げている。9年の歳月をかけて映画化した『ロスト・シング』で2010 年に第83回アカデミー賞短編アニメ賞を受賞。2011年にはアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。2019年には日本で初めての展覧会を開催。現在メルボルン在住。

「2020年 『ショーン・タン カレンダー 2021』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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