- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309272269
感想・レビュー・書評
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文字が全くない(架空の読めない文字が少し出てくる以外)絵本。
セリフを想像しながら読んだ。
異国で戸惑いながら逞しく生きるお父さんと周りの移民たちが素敵です。
見知らぬ国で単身赴任して、家族を呼び寄せた時のことを思い出した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み始めたら止まらなくなって、読み終わったら涙が出て来た。忍び寄るものは恐ろしく、訪れる光は限りなく優しい。どんなでも生きられる、頑張れる。そう思える本でした。
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文字のない絵本。
絵の点数は非常に多く、セピア色の鉛筆画のようなタッチで丁寧に描き込まれている。
文字がないからといってさらっと読み終わるようなものではない。絵から情報や感情を丁寧に汲み取りながら読もうとすると結構時間がかかる。そしてそれだけの価値がある。
説明が一切ないので今何が起こっているのか不安に思いながら読むことになるが、主人公だって現状を把握できず、新たにたどり着いた土地で右も左もわからない状態になる。まさに主人公の不安を共有しながら読む感じがとてもよい。
最後は前向きな終わり方でよかった。
あと、みんな相棒ポケモンみたいのを連れているのがかわいい。 -
これはすごい!
始めて読むショーン・タン。
文字なしの絵だけの表現ですが、絵本と言ったらいいのかマンガと言ったらいいのか…と思っていたら出版社からの内容紹介に「グラフィック・ノヴェル」とあり。なるほど。
家族と離れ、新たな土地へ移住する。
そこは、全く知らない土地。言葉も文化もまるで違う。
男はそこで、様々な人々と出会い、助けられながら奮闘する。
ここで出会った人々にもまた、それぞれこの新天地に来るに至った歴史があるのだ。
そして、男は妻と娘を呼び寄せる。
とても細やかな表現で、文字がなくとも、登場人物の心情がひしひしと伝わってきます。
ファンタジックでノスタルジックな世界観。 -
絵だけで語られる物語。
映画を見終わったかのような感覚になった不思議な本。
絵本ってこういう風に表現できるんだなということと、
文字がなくても絵だけで伝えられるってすごいなと単純に感動した。
一人一人に辛い過去や移民の背景があるんだなとわかった後に見るたくさんの人の顔写真が重く響いてきた。 -
文字の無い絵のみの絵本。でも、どんな本よりも雄弁でした。異世界なのに何故か馴染みのある不思議な世界。 国籍も年代も関係なく読む人を魅了する本なのではないでしょうか。誰もが抱える人生への不安。仕事の疲れ。出会い。生き甲斐。温かな幸せ。 様々な事柄がセピアの絵の隅々に描かれていて、ページをめくるたびに少しずつすーっと心の疲れが取れていくのを感じた一冊でした。
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大人になれば、絵本を読み返す機会は減るかもしれない。この本は一度読むだけでは足りない。何回も読むうち自分だけのお話になっていく、原始的なよろこびに気づける。
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饒舌な字のない本。
都市間の友好関係とか、敵対関係の表現がかわいいのだけど、子供の頃の仲良さ怖さってそんな脳内表現だった気もする。
新しくできた友達(じいさん)と交友を深めるシーンが、セピアな上に木なんか一本も生えてないのに、ひだまりとか新緑を感じさせてホカホカした気持ちになる光景で良かった。
裏表紙を読まない方が良かったなー。