死をポケットに入れて (河出文庫 フ 3-3)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309462189

感想・レビュー・書評

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  • 『わたしは死を左のポケットに入れて持ち歩いている。そいつを取り出して、話しかけてみる。「やあベイビー、どうしてる?」』

    この文章にしびれて読んでみた、C.ブコウスキーの晩年の日記。
    競馬好きで口が悪い頑固者、こんな老人が近くにいたら絶対近づきたくないけど、彼の書く文章はなかなかおもしろい。彼の普段の生活についてよりも、彼が普段どんなことを考えているのかがよくわかる日記。文章を書くことについて、自分の老いについて、競馬について、パソコンについて、他の作家たちについてetc.

  • ブコウスキー初読みは最晩年の頃の本書。
    タイトルが、とても記憶に残っていたので購入。
    ……日記だったのか!
    そして競馬場とMacと糞の話ばっかりしてるのに、
    なんて示唆に富んでいて面白いのか。
    多分、ずっと本棚に置いて度々読み返す事になりそうだ。

  • THE CAPTAIN IS OUT TO LUNCH AND THE SAILORS HAVE TAKEN OVER THE SHIP
    「船長はランチに出かけ、船員たちが船を乗っ取ってしまった」
    という原題の、意味が知りたい。

    これは、何かの、ことわざ、だったりするの?
    それとも、他の作品からの引用?
    この題名には、何か別の意味が含まれているの?

    それとも、ただ単に、そういう題名なの?

    誰か、知ってる人いませんか?


    ブコウスキーっていうと、飲んだくれで、ワイルドで、カルト的な作家、というイメージなんだけど。
    コレ読むと、晩年は、競馬場に通いながら、年老いた妻をいたわり、ときどき自分の死を意識し、ふつうに生活してるお年よりだったんだな。
    どうってことない文章だ。

    ここ2、3日かけて、夜寝る前に、ベッドの中で、ちょっとずつ読んでいった。
    どこかの年寄りのブログみたいなものとして。
    競馬と、日記を書くのが趣味の、老人。

    今朝、ベッドの中で読み終えた。
    苦しかった気持ちが、なんだか少し静かになっていた。

  •  齢70を越えて自ら車を運転して競馬場へ通い、夜にはパソコンに向かって言葉を吐きだし、9匹の猫を飼い、ラジオから流れるクラシック音楽を愛好する。作家。チャールズ・ブコウスキーという生き物…というか生きていた者。
     夜、パソコンに文章を打ち込む。
     新しい一行は私にとっても毎回新たに始めるものだ。
     でも私は生きているし、作家ではないし、クラシック音楽を知らないし、猫を飼っていないし、歳は70に至らず競馬場へも行かない。
     何より私はチャールズ・ブコウスキーではない。

     ブコウスキーは死を左のポケットに入れて持ち歩いていると言った。
     ブコウスキーではない私は、ならば死をどこに入れて持ち歩こうか。

  • どうせぼやくなら、ブコウスキーのようにかっこ良くぼやきたい。「クソッたれ」という台詞が一番しっくり来る。夜中にハイウェイを走る車の音を遠くに聞きながら自室でパソコンに向って文章を打つ彼の姿が浮かび上がってくるような文章。

  • 死は、ポケットに入るくらいがちょうど良い。

  • 私も
    死をポケットに入れて
    生きていきたいですが
    それにはまだ時間が掛かりそうです

  • あまりこういうの、好きじゃないけど、なんとなく読んでみた。
    つかれた。

    海外モノは、ほんと好き嫌い分かれるわ。

  • ブク晩年の作品。
    結構すき。

  • http://blog.livedoor.jp/axis_anri/archives/1367193.html
    内蔵がカーッと熱くなるくらい面白い。というか、性に合う。作者の意見に同感する。

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著者プロフィール

1920-1993 ドイツ生まれ。3歳でアメリカ移住。24歳で初の小説発表、郵便局勤務の傍ら創作活動を行う。50歳から作家に専念、50作に及ぶ著作発表。『町でいちばんの美女』『詩人と女たち』等。

「2010年 『勝手に生きろ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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