- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309464053
感想・レビュー・書評
-
コメント0件をすべて表示
-
2016年12月20日読了。表題作含む著者のSF短編集。繰り返される「おとといは兎を見たわ、きのうは鹿、今日はあなた」のフレーズが印象的な表題作は、多くのSFファンを虜にしてきたという甘酸っぱい(かつ、どことなく素直に納得できない感覚がある)お話。短編小説っていいものだな…という気持ちになる。世界や人のコミュニケーションのあり方が変わる「SF」という設定は、恋愛や思い出などの感情と絡めて描くととても相性がいいのだろう。ただ、全体としては『ジョナサンと宇宙クジラ』の本の方が面白かったかな。
-
表題作が読みたくて、借りてきたのだけど気が付いたら頭から読んでいた。
星新一のショート・ショートを読んだ時の衝撃と感動を思い出した。
爽やかで清涼感溢れる表紙とは裏腹に、どこかに「死」が潜んでいる物語が多く、全ての物語に通じているのはSF要素。
今となっては、ありがちとは言わないまでも、信じられない設定・ストーリー展開ではないけれど、書かれた時代を考えると、この人が原点なんだろうなぁとしみじみ。
そして、楽しみにしていた表題作は、やはり秀逸だった。
それこそ、今となっては想定内の着地点なのだけど、ジュリーとの距離感やアンとの関係の微妙な描写も、バランスが絶妙。一歩間違えると、不快感でいっぱいになりそうな物語をキレイで感動するものに仕上げるバランス感が素晴らしかった。 -
話の流れ内容がなんとなく分かってしまって残念というか、たぶん私自身が ヤングにリスペクトされた 作家さんの作品を読んできた年代のために 分かってしまうんだろうなって思います。たぶん こちらが源泉!!
-
たんぽぽ娘、高橋葉介も題名借りて書いてましたね。
よい短編集だと思います。
既読感があるんだけど、ほとんどが初読、この既読感は、ヤングの作品、その後の作品に影響を与えているからだと思う。ヤング後の作品のいろいろなものがこの短編集に詰まっていたのではないかな。だからこその既読感、だと思いました。
サイエンス・ファンタジー。そう、ファンタジーなのだと思います。面白く読み終えました。
長編、どうしようかな。 -
「おとといは兎を見たわ、きのうは鹿、今日はあなた」で有名な『たんぽぽ娘』をようやっと読みました。
思えばその存在自体は、地元図書館にあったコバルト文庫で知っていましたが、海外作品の、しかもSFの文庫本を手に取るには、それがたとえコバルト文庫といえども中学生には敷居が高かったことを覚えています。
まぁ、初期のコバルト文庫はなんかちょっと毛色が違うのを感じていたせいもあるかと思いますけれど。
途中で「これもしかしてがっかりパターン?」と不安になりました。
ハインラインのなんだったかを読んだとき、妻がいながら闖入者の若い女性にのぼせて、数ブロック先に家族もいるそばで押し倒してしまう主人公に嫌気がさしたことを思い出し。
古いのを読むと特にそのような自分勝手な男性主人公にぶつかるので、お前もか?と。
ラストでほっとしました。
他の収録作品では「河を下る旅」「主従問題」あたりが好み。
カバーデザイン / 祖父江 慎+cozfish
カバー装画 / 松尾 たいこ
カバーフォーマット / 佐々木 暁
初出 / "The Magazine of Fantasy and Science Fiction"1977.3,1979.5,1984.4,1987.1、"Analog Science Fact-Science Fiction"1962.11、"Amazing Stories"1973.6、"Orbit 8"1970、『SFマガジン』1974年3月号、1984年1月号・12月号、2012年1月号・7月号、同人誌『宇宙塵』1964年3月号
注記 / 日本オリジナル編集短篇集『たんぽぽ娘』(河出書房新社奇想コレクション)の文庫化 -
SF短編集。やはり表題作のたんぽぽ娘が読みやすくオチはすぐ分かるけどそれでもほっこりして良かった。繰り返されるあの台詞は心に残ります。読み易いもの少々読みにくいものもあったので仕切り直して再読したい。
もう少しSF脳を鍛えておいたほうが宜しいな。