目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 401
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038540

感想・レビュー・書評

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  • 私は見える人です。
    見えない人、見えにくい人の世界を体験するとはできませんが、見えることが逆に不便で生きづらいのかもしれないと思ってしまうような本でした。
    何の本だったか忘れたけれど、以前読んだ本に障がい者の人を見かけたら助けてあげるではなくて、声をかけるだけでいいというようなことを読んだような記憶があります。
    社会は障がい者への支援を実施しているけれど、時々思うのは
    それは、本当にその人が望んでいる支援なのか
    ということ。
    当事者の声は、ちゃんと聞いているのかな?
    助けてあげなければならない存在ではなく、助け合える存在になれれば良い。

  • 見えるとか見えないとか
    現代人は情報の飢餓だなあ、とたしかに思った
    社会的弱者とは?
    メモを取れないことはたしかに不便……
    こうやって見えない人の気持ちを少しでも理解したい
    そしてどの器官を使ってみるか、じゃなくてどのように使ってなにをみるかが1番大事
    こないだチームラボに行った時、そこは視覚メインだけど足の感覚を使うブースがあったけどみんなあまりなにも感じずに素通りしてる印象が強かった

    「自立とは依存先を増やすもの」

  • 読み始めは、小難しく書かれた本なのかと思ったけど違った

    知らないことを知るのはhappyだ
    自分にはない多面思考にビックリした
    面白かった!

  • これはとても面白い本でした!
    情報だけではなく意味で交流する。
    ダイアログ・イン・ザ・ダーク
    美術館でのソーシャルビュー
    福祉の視点だけではなく、お互いを面白がるという視点。

  • 感想を見てたら「オーディオブックで読みました」という方がちらほらいて、その点も含めて素晴らしい本。

    個人的に自分の中でお、と思ったところ
    •波は砕けないと音がならない→たしかに…
    •美学とは「自分と異なる体を持った存在への想像力を啓発する」「言葉にしにくいものを言葉で解明していこう」という学問→こんなにわかりやすくかつ人をグッと引き寄せる学問の説明が…
    •月の裏側に秘密基地がある、というのは見える人の感覚→おお…

    書き出し切れない… とくに第四章「言葉」、目から鱗がだかだか落ちるくらい面白い。付箋たくさん貼って楽しく読んだ。

  • 目から鱗の良い意味で衝撃的な本だった。障害に限らず、なぜ多様性が大切なのかを理解するのにも役立つ。「見える人は三次元なものを二次元化してとらえ、見えない人は三次元のままとらえている。つまり前者は平面的なイメージとして、後者は空間の中でとらえている」「よく分からないからこそ、先回りして過剰な配慮や心配をしてしまう。『何かしてあげなければいけない』という緊張で、障害のある人とない人の関係がガチガチに硬いものになってしまうのです。障害者に対する悪意ある差別はもってのほかですが、実は過剰な善意も困りものなのです」「健常者が見えない人の価値観を一方的に決めつけることが1番よくないことです。言葉による美術鑑賞の実践がそうであったように、『見えないこと』が触媒となるような、そういうアイディアに満ちた社会を目指す必要があるのではないでしょうか」

  • インパクト4
    かかった時間 90分くらいかな

    視覚障害者の世界の見え方を説明している本。たとえば、空間把握や美術鑑賞などについて、優劣ではなく、目が見える人と見えない人の「ちがい」を書いている。

    内容はとてもおもしろい。

    ただ、自分の好みの問題で、この本のベースには「この人たちは自分より見えないけれど、見える人にはわからない/できないことが、わかる/できるんだよ!」というような、筆者の(それ自体は素敵なことであろう)驚きや感動が流れていて、それはそれでなるほどなと思う部分はあるけれど、個人的には、これまで経験してきた、健常者?でありながら障害者に積極的にアクセスする人たちへの胡散臭さとか懐疑とかにひっぱられて、ある種の気持ち悪さがぬぐえなかったところがある。

    素敵な書き手だし、書いてあることは非常に興味深いとは思うが、おそらくこのスタンスは自分とは合わない(今は)。

  • 見えない人から見た世界とは?完全に理解できた訳ではない(そもそも理解できるとも思っていないが)けれど、こんな捉え方なんやと新しい発見がたくさんあった。知らないことを知っていくのは楽しい。面白かった。

    欠陥した状態ではなく、もともとそのような状態。欠陥でもなんでもない。(生まれつきの場合)だから、それが当たり前として生きている。聞こえない自分も同じ。

  • "視覚"が無いから"死角"が無い。
    表と裏。外と内。など見えない人が持ち得る感覚は面白かった。
    見える人は目で見る事が当たり前だが、見えない人は耳で見る。今まで考えた事が無かった。

    とてもよかった!

  • 視覚障害を持つ人は、視覚情報が「欠如」した世界ではなく、持っているもの全体でバランスを取っている。晴眼者の想像とまったく違う視覚障害者の見えている世界を、美学(これも興味深い学問)を専門とする著者が言葉を尽くして見せてくれた。

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著者プロフィール

東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター長、リベラルアーツ研究教育院教授。マサチューセッツ工科大学(MIT)客員研究員。専門は美学、現代アート。東京大学大学院人文社会系研究科美学芸術学専門分野博士課程修了(文学博士)。主な著作に『ヴァレリー 芸術と身体の哲学』『目の見えない人は世界をどう見ているのか』『どもる体』『記憶する体』『手の倫理』など多数。

「2022年 『ぼけと利他』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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