月の扉 (光文社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740450

感想・レビュー・書評

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  • 月の、扉。重要事項の謎はほとんど解明されない。うえにあっけないほどの幕切れちょっと消化不良かな。そこがメインじゃないからまあそうなんだけども。よくぞここまで引っ張った!

  • 面白い設定での犯人探し。
    ある目的のためにハイジャックをするのですが、その中で殺人事件が発生。
    もちろん犯人たちには思ってもいないこと。
    これをどうやって解決するのか、ハイジャックはどうなるのか!
    はたまた目的は達成されるのか??
    単なる本格モノで終わるのかな~と思いながら読んでいたのですが、意外な方向へ結ばれていて、これまたどういう風に終わらせるのか、もうハラハラ。(う・・・言いたい!笑)
    私はこの終わり方、好きです。ちょっぴり救いがあって、切なくて。
    確か読んだ石持作品は2冊目のはず。
    前に読んだデビュー作「アイルランドの薔薇」もそうでしたが、設定が本当、独特で面白く、それでいて本格派を守っているところが好きです。
    他の作品も早く手に入れたいわぁ~。

  • 師匠みたいな人、会ってみたいなぁ。いろいろとご都合主義に話がすすむよね。子供が本当にはいないかのように静かだし。座間味君って一体だれよ?なぜあんなに冷静?それに結構固まってしゃべってるし、満席だったんだから、トイレ付近にも他の客はいただろうに、なぜか知られていないことになってるし・・・。想像すると、逃げ出す人がいなかったのは不思議だ、と思った。

  • ハイジャックと密室殺人の融合

  • ハイジャックするくらい石嶺氏にカリスマ性あるのはちょっと設定としてはこじつけてるような気がしてしまった。

    真壁と座間味くんは、きっと合うタイミングが違っていれば良き友人になっていただろう。惜しいな。
    真壁と聡美は恋愛関係にあったみたいだけど、そこはやはり妻を失ってから石嶺氏を敬愛し着いて行く覚悟をした真壁が拒んだのな。

    麻里には驚いた。犯人だったのか。座間味くんの仲間割れ作戦で、柿崎が濃厚なのかと思っていたから。凶器を素手で触るのは解せないものがあった。
    悪意と殺意の行には思わず「ほう」となった。

    柿崎は狂っていた。狂おしいほど石嶺氏を敬愛していた。そして、子供への並々ならぬ執着と悔恨。まさか殺しちゃうと思ってなかった、展開読めなかったからびっくりした。

    座間味くんが墓参りした相手は真壁か。やはりあのハイジャックのとき、情が移ってしまったのか。本当に、逢うタイミングが違っていたならば…。

    石嶺氏、月の扉開いたんだな。タイトル回収されることが少ないだけにスッキリした。

    三巻まで出ているみたいだから読んでみよう。

  • 座間味君って

    何者だ―

    お話の大枠はあるグループのリーダーを警察の手から取り戻すために同士がハイジャックを起こすというお話

    ただ、内容の中心となるのはハイジャック機内で発見される死体の真相解明

    この死体はハイジャック事件とは別口で起きる犯行でありまして、これを解明するのが一乗客である『座間味君』であります

    なんてことない、ただ、偶然に乗り合わせてしまった、一般人

    ですが、いつのまにやら、名探偵・・・・・・違和感①・・・・・・

    そして、乗客の死

    周りの登場人物の反応が軽い・・・・・

    人が死んでいるのに・・・・・違和感②・・・・・・

    前回読みました『水の迷宮』と同じようなテイスト

    サスペンス&ファンタジー??

    登場人物の死体への向き合い方の軽薄さ

    限られた空間の中でのお話というところも

    内容に飽きてしまうことはないんだけど

    終わってみると

    消化不良って感じでした

  • ハイジャックされた機内で殺人。
    困ったハイジャック犯が探偵に指名したのは。。。
    座間味島Tシャツの、座間味くん。
    さすがの論理的と、切ない最後素敵。

  • 「師匠」と呼ばれる男は、不登校の生徒や社会に上手く適合できない子供達を集めキャンプを行ってきた。

    自身もキャンプに参加した経験をもつ村上聡美は、逮捕された「師匠」こと石嶺孝志と会うため、柿崎、真壁と共にある計画を実行する。

    それは、乗客240名を乗せた琉球航空の旅客機をハイジャックすること。

    3人はそれぞれ武器を持ち込むことに成功し、離陸直前に機内を制圧し要求を警察へ伝えることに成功する。

    2時間を制限とし石嶺を連れてくることを条件に3人はそれぞれ人質として幼児を抱えていた。

    聡美は乗客の中に、かつて同じときにキャンプに参加し、現在は有名な歌手として活躍している麻里に気づく。

    思わぬ再会に驚く4人だったが、さらに聡美の人質となっている子供の母親である女性がトイレで死んでいるのを発見する。

    想定外の出来事に、彼らは女性が何故死亡したのかを、<座間味>Tシャツを着ていたカップルの男性に解明することを要求する。



    とてもおもしろく一気に読みました。

    最大の謎は<何故>トイレに鍵をかけないで入り、<どうやって>女性が<誰に>殺されたのか。

    犯人探しに指名されるのが座間味君で容疑者?となる村上は読者側の目線で行われるやり取りが面白かったです。

    やはり制限時間のある殺人の犯人探しと平行してハイジャック犯と交渉する警察の動きという設定が良かったです。

    それにしては警察がいささか頼りなく感じましたが…

    少し残念なのは最後に描かれた石嶺を殺した柿崎の動機や石嶺の神秘的な力のくだりが私にはちょっと長く感じられた点でした。

    舞台が良く知っている場所なのでイメージしやすく、特に<座間味>Tシャツを着る座間味君が容易に想像でき楽しめました。

  • なんだか不思議なミステリーだった。もう少し周りの人たちも絡んでほしかったかな。特に中だるみなく、ほぼ一気読み。

  • 前作『アイルランドの薔薇』と同様にユニークなクローズドサークルを作り出すのが巧いと思います。ハイジャックされた飛行機の中で起こる不可能犯罪。その事件の推理をハイジャック犯に指名された乗客の一人が行うという趣向も面白かったです。ただ、仕方が無いとはいえ推理が始まると乗客が置き去りにされてしまう感があり、緊迫感が無くなってしまったような気がします。ハイジャックの動機や結末で見られる幻想性は好き嫌いが分かれそうですが、月の光を思わせる不思議さと物悲しさを残す物語に最後まで惹きつけられました。

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著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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