- Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334747237
感想・レビュー・書評
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初期の頃の作品。ホラーミステリーらしいが、あまり怖く・グロいシーンは少なく、漫才のような笑える箇所も多い。
プー太郎の主人公の瑞希26才とTV局の敏腕プロデューサーである叔母38才の織江。織江から超能力者が行方不明者を捜索するという番組の通訳者として瑞希が依頼を受ける。小さい頃、透視らしきものでトラウマになっている瑞希は胡散臭さを感じながら、金の為に引き受ける。
ブラジル人の超能力者エステーラに対して、心の中では悪態を吐きながら、通訳する瑞希。
早速死体を見つけるが、本筋とは別に中国からの密航兄妹と一般家庭の話しが脈絡無く並行する。
密航の内容が壮絶だし、事故で亡くなったり、殺人者に狙われたり、展開が目まぐるしい。
同時並行しているのに、時間経過が不調和であり、最後に一本となる。
超能力者のエステーラの透視が悉く当たるのに、信用しない瑞希、それを最後まで撮り続けるTVマンの織江。生放送で進行するシーンが生々しい。昔の似たような番組を食い入るように観ていた事が懐かしい。
最後の章での種明かしが腑に落ちたような、落ちないような・・。 殺人者を倒したのは誰?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
3.4
二つの話が交互に進んでいきます。
当然どこかで繋がるものと思いながら読み進めていきました。
漠然と想像していた繋がりとは違っていて、結構複雑に絡み合っていました。
伏線もしっかり回収されてますし、面白かったんですが、物語の背景や設定そのものにイマイチ入り込めませんでした。
恐らく主人公の魅力が足りなかったのかな、と思います。 -
ホラーミステリーになるのかな?
守敬のくだりが切なすぎる。
映像で見てみたいかも。 -
20110718読了
#季節 -
霊の存在など信じないといいつつ、不気味さは感じる。なにか落ち着かない場所がある。
が、超常現象は信じない。超常現象を判断の基準にしない。
というタイプだが、それはさておき面白かった。多分、霊媒師を持ち出さなくても物語できたのではないだろうか。
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昔あったなぁ…こういう番組。
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「春を嫌いになった理由」
誉田哲也初期作品。
今やジウシリーズ、姫川玲子シリーズ、武士道シリーズといった警察小説や青春小説のイメージが強い作者だが、初期は伝奇、ホラー作品も執筆していた。2002年には「ダークサイド・エンジェル紅鈴 妖の華」で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を、2003年には「アクセス」で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞している。「春を嫌いになった理由」もホラー路線の一冊である(かなり、オカルト寄りな気もするが)。
主人公は、通釈者志望の実質無職で霊能力者が嫌いな二枚目半な秋川瑞希。テレビプロデューサーの叔母の名倉織江から霊能力者・エステラの通訳兼世話役をむりやり押し付けられた瑞希は、番組スタッフと共に若い男の幽霊が目撃されるという交差点に訪れる。
が、訪れた現場でエステラはとんでも無いことを言い出す。交差点近くの廃ビルに男の死体があると言うのだ。そして、実際に調べてみるとエステラの言う通り、ミイラ化したら死体が発見する。超能力が信じられない瑞希は、織江ら番組スタッフがエステラと組んだヤラセの可能性を疑うが、またまたエステラがとんでも無いことを予知する。
この瑞希を主人公にした物語と並行して展開されるのが、中国からの密入国者・林守敬(リンソウチン)をめぐる物語である。こちらは瑞希のような二枚目半キャラもいなく、中国から日本への過酷な旅や妹・従兄との日本の暮らし(こちらも過酷)、そして、新宿歌舞伎町で最も恐れられている男「月(ユエ)」との邂逅とコミカル要素は全くなし。
当然この二つの物語は交差していくのだが、瑞希は置いてきぼりになる。何が何か分からずにエステラに突っ走られ、織江にかき回され、テレビ番組作りの都合に巻き込まれる。結局、最後にとっておきの活躍の場が用意されているが(あれだけ嫌いだった超能力に最後気に入られる形となるとは瑞希の心境はどうだったのか)、ちょっと同情するほどの目の回りようだ。
瑞希が超能力を嫌いになった理由が重いが、瑞希の二枚目半と織江との掛け合いがコミカルな分、全体的に読みやすい。因みにホラー・オカルトも薄めなので、そこを期待すると物足りないかも知れない。
さて、タイトルの「春を嫌いになった理由」の理由だが、てっきり重いと思いきやコミカルな理由であった。が、それで引き受けてはいけないよ、瑞希よ!