往復書簡

著者 :
  • 幻冬舎
3.52
  • (207)
  • (670)
  • (714)
  • (130)
  • (21)
本棚登録 : 4311
感想 : 670
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344018839

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 文通だから成立する物語。
    「十年後の卒業文集」「二十年後の宿題」「十五年後の補習」の三篇からなる中篇集。

    最初の二編は率直に言って、読む価値なし。

    「十五年後の補習」だけは、どこまでが本当で、本心なのか。本心ってなんなのか。考え考え、ドキドキしつつ読むことができた。

    ラストについても、どう解釈すればいいのか。
    久々に読後、それについて心に残る作品。

  • 往復書欄だけで行われる対話。普段言えない事も手紙にすると言えたり、相手の思わぬ気持ちが分かったり。昔起こった事件の誤解が往復書欄だけで解けていくのは読んでて引き込まれました。

  • 手紙の内容だけで綴られた3つの短編集。分類としてはミステリーなのかな?
    タイトル通り書簡は往復し、物語りが展開していく。心地良く予想を裏切られ、楽しく読めた。
    著者が女性だからか、女性の手紙にはとてもリアリティーを感じた。男性の手紙は少し嘘っぽく感じられた。
    また、手紙というメディアはあまりお目にかかれないが、心情を伝えるという点において有効だと感じた。
    手紙から遠ざかっている人にオススメです。

  • 手紙のやり取りのみでの物語
    放送部月姫伝説
    川の事故
    幼馴染の事故
    どれも人には言えなかった心の奥にある苦しい辛い思い出などが手紙を通して告白されていき、胸が詰まった

    270311

  • 一気に読めた。手紙のやり取りで全編構成されているのはなかなか面白い。

  • 最近、手紙を書くのがすっかりなくなった。メールとは違う、言い回しや言葉の表現などを感じ取れる。相手からの返事を待つ間、自分の思いや客観的に振り返ってみる時間ができるのでは。手書きの文章は人となりが出て、温もりを感じさせるのがいいものである。罪の共有が感じられ、「Nのために」の内容と通じる所が見える。手紙によって段々過去が掘り下げられ、そこに贖罪や懺悔の気持ちが伝わってきて、続きが早く読みたいと感じた。「十五年後の補習」、「二十年後の宿題」が良かった。手紙の良さが感じられ、見直したのである。

  • まさしくタイトルどおり。
    手紙のやり取りだけで進んでいく。
    どの話も事件の核心までいくのにイライラモヤモヤしながら読んでました。
    個人的には今ひとつかな。

  • すごく大好きな本です。特に最後のお話は胸キュンしながら何度も読み返してました。ネットの時代に手紙の大切さを実感します。

  • 14/11/24

    手紙のやりとりのうちにどんどん真実が見えてゆく、息の詰まりそうな三編。
    定年した教師が過去の教え子たちの近況を探る依頼をする『二十年後の宿題』が一番オッとなった。

    人から見える自分と、自分の思う自分ってかなり差があるよね。

  • 書簡をかわすことで明かされる過去の事実を短編4作で構成。

    手紙という形のみで、あっと驚く(途中で先が読める話もありましたが・・・)事実を明かしていく作者の力量はすごいと思いますが、どの話も後味がよろしくないです・・・。

    湊かなえさん作品でしたら、先日読んだ『花の鎖』をお薦めします。

全670件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

湊かなえの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×