解夏 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (499ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344404649

感想・レビュー・書評

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  • 短編集て、あまり読まないけど、すごい満足感のある短編集だと感じました!恋愛、家族、親子の色んな気持ちが混ざり合って、綺麗な言葉と風景、素敵なストーリーも混ざり合って、素敵だなと感じました。どの話も感動てきでした!

  • 短編集ですが、それぞれの作品に心打たれます。さだまさし、言葉の使い方は昔からうまいけど、やっぱり小説も上手い。

  • ああ、さださんらしい。
    まず、そう思った。

    やわらかなタッチで、見つめる視線がとてもやさしい。
    人は悲しみに出会うと自分と向きあったりするけれど、
    そんな中でのチクリとした胸の痛さや、揺らぐ気持ちの様子を、寄り添うようにしてつづられている。

    じんわりほのかにぬくもりの残る読後感。
    4編ともにどこか癒しを感じる、そんな作品集だった。

  • 「人の優しさ」「家族のあたたかさ」と、「家族であっても冷たい者」をうまく描いていると思う。長編かと思っていたら短編集で、サクサクと読めた。ただし涙必須の感動作ばかり。
    「秋桜」が1番好きです。

  • 解夏・・・大切な人と一緒に歩む
    げげ・・・解夏・・・初めてみる言葉である。

    結夏・・・旧暦の4月16日
    雨期の始まる頃 生命が躍動するときに 外にでず、修業をはじめる。

    解夏・・・旧暦の7月15日
    修行生活で、それぞれの共同生活の中で気づいた、互いの欠点を指摘し、修行を終わりとする。

    隆之は、ベーチェット病という難病にかかり、
    次第に目が見えなくなる。
    目が見えなくなるという行が始まり、
    目がみななくなって、
    初めて行が終わる・・それが解夏。

    「光が見えないものには、暗闇が見えない。」
    ・・・すごい印象的な言葉。

    隆之は、恋人 陽子がいたが、
    失明するというおそれから、結婚することを破棄する。
    陽子は、その隆之のそばに一緒にいようとする。
    目が見えなくなるというおそれの中で、
    陽子が、なぜ隆之のそばにいようとするのか?

    「隆之さんの眼が見えなくなるまでの、この、1日1日、
    大切な日々を、一緒に歩かせてもらうことで、
    私、いまとっても充実しているのです。
    隆之さんは、婚約を解消することで責任をとったのです。
    今度は私が隆之さんへの責任をとるのです。」といって、
    隆之に寄り添う陽子

    竜舌蘭の花を見ようとしたとき、隆之は、失明した。

    そして、白いサルスベリ(百日紅)の花が、
    心の中に鮮やかによみがえった。
    隆之と陽子の「解夏」である。

    さだまさしは、詩人である。
    埋もれた言葉をうまく発掘して、
    私たちに大切な人と どういきていくかを教えてくれる。

  • さださんの作品には本当の優しさ、本当の強さのある老人、大人がいる
    そんな彼らの考え方、発言は印象に残るものが多く、読後の心温まる感情につながる

  • 何度読んでも良いですね。何と言うか、しばらく余韻に浸っていたいと思わせる作品ばかりです。全体的にとてもとても穏やかな雰囲気で、それはどの作品も『故郷』を中心に描かれているからだと思います。

    母親、恋人
    義父、義母
    幼馴染
    父親、そして妻と子

    人は心で繋がっているのだなと思いました。言葉に出さなくとも、たとえ態度は真逆だとしても。取り返しがつかないことは、実はただそう思い込んでいるだけなのかもしれません。

  • アントキノ〜読んだ時も思ったけどさだまさしは作家業に専念すべき!人の表面を取り巻く負の感情と心の深いところにある優しさをしっかりと書いてくれる。避けられない現実にも温かさを感じさせてくれる。これは故郷の話たち。

  • どれも心に染みるお話でした。個人的に2つ目の「秋桜」が好きです。

  • 処分

    1.解夏
    徐々に目が見えなくなる病気を抱えた主人公が、仕事(小学校経論)を辞め、母の暮らす地元(長崎)に恋人と帰り、病気を受け入れていくというお話。
    徐々に目が見えなくなる恐怖。完治=失明。原因不明。そんな病気があることも知らなかったけど、読んでるだけでその怖さが伝わってきて、最後には病気を受け入れる主人公に感動してしまった。
    登場人物もいい。お母さんも恋人も解夏ということばの意味を教えてくれたお坊さん、全員に人間的な深みのようなものを感じる。
    この章がなかったら★★★。

    2.秋桜
    フィリピンから日本人の農家に嫁いだアレーナ(愛)のお話。
    秋桜がコスモスって読むこと、知らなかった(恥)

    3.水底の村
    テレビ局で構成作家をしている純一が、かつての恋人の敦子と再会するお話。

    4.サクラサク
    中年サラリーマンの父親の痴呆をきっかけに、家族の絆を築きなおすお話。

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著者プロフィール

一九五二年長崎市生まれ。シンガーソングライター。二〇〇一年、初小説『精霊流し』がベストセラーとなる。『精霊流し』をはじめ、『解夏』『眉山』アントキノイノチ』『風に立つライオン』はいずれも映画化され、ベストセラーとなる。その他の小説に『はかぼんさん―空蝉風土記』『かすていら』ラストレター』『銀河食堂の夜』など。

「2021年 『緊急事態宣言の夜に ボクたちの新型コロナ戦記2020』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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