解夏 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (499ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344404649

感想・レビュー・書評

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  • ペーチェット病という難病に侵される主人公の隆之。
    失明を余儀なくされる病のため、婚約を約束した女性に別れを告げ、働いていた小学校も辞めて、実家のある長崎へ戻る事になるが、その人間的魅力故に、婚約者は彼を追い長崎で共に暮らす事を選択する。そして、彼の児童達もまた、先生への思いを手紙にのせて応援する。
    寺での老人との出会いから、病を受け入れ強く生きていこうとする隆之。そして、その隆之を精一杯笑顔で支える婚約者の陽子。
    もし自分が隆之の立場だったら、どのような人生が考えられるだろうか。そこに希望はあるのだろうか。闇しかないかもしれない。しかし、物語では、隆之を支える婚約者の存在、母の存在、そして、寺の老人の存在が、彼を明るく照らしている。
    そこには失明しても変わらない確かな「つながり」が存在しているように思う。幸せとは何か考えさせる作品。

  • 夏に三方五湖に行った時に「サクラサク」が来春(2014年)映画化されると云うことを知って、読んでみる。
    「解夏」が映画化されたのは知ってたけど、こう云う話だったんですね。

    しかし、さださんの歌詞はストーリーだといつも思ってるけど、その才能は小説書いても素晴らしいですね。さださんの小説を読むのは6冊目ですが、いつも感動させられてます。

    「解夏」、「サクラサク」、共にとてもいい話でしたが、私が一番感動したのは「秋桜」の最後ですね。なるほど、それで「秋桜」なんだ。

    あと、これくらいのページ数なら1冊で出てるものもある「水底の村」もぐっと来ます。先生、いい先生だよねえ~

    最後の解説が重松清さんて云うのもええわあ~

  • ひとつひとつが温かくて涙でした。
    特に「秋桜」が一番好きかなぁ。

  • めっちゃ泣いた。

  • タイトルにもなっている「解夏」(長崎)の他、長野、栃木、福井を舞台にした短編小説が集結した傑作。人情の機微を深く掘り下げた描写が、穏やかで優しい気持ちにしてくれます。タイトルのオチの深さと言い、さだ氏の言葉選びのセンスのよさを感じずにはいられない。各編で住人でないとわからないような場所がさりげなく紹介されており、リサーチ力にも脱帽。本書でさだ氏の小説に開眼した。

  • 面白かった。
    「解夏」「水底の村」がとくによかった。
    どちらも久々に最後のシーンに、震えました。
    趣は違ったか、読みごたえがありました。
    他の作品もなかなかです。
    さださんの作品は最後の余韻が、すごくいいです。
    作品がすくないのが、とても残念ですね。

  • 短編だった。
    母さんに貰った本。

    解夏はやっぱり良かった。

  • 2013.6.7読了
    さだまさしの短編小説。4つともいいが、特に水底の村が良かったな。しかし、この人、天才だわ。

  • 解夏、秋桜、水底の村、サクラサクの
    4つの小説が収録されています。

    何れも最低の状況なんだけど、
    視点や考え方でその状況も良しと思うという感じの話です。

    どの話も登場人物、風景の描写は非常に鮮やかです。
    ストーリーも最後にしっかり完結する感じも良いです。

    個人的には特に水底の村が面白かったです。
    結末が途中から見えてくるんですが、
    そこを裏切らずに、きれいに話がまとまるところが良いです。

    もちろん表題の解夏も面白い。
    主人公が病気で目が見えなくなるまでの生活を
    描いた作品なのですが、見えなくなる前にやりたいことを
    やっていきながら、見えなくなる恐怖と葛藤する感じが
    人間的で、非常に共感できました。

    全体的には500ページ位ありますが、あっさり読めます。

  • サダワールドに期待しすぎたかな!

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著者プロフィール

一九五二年長崎市生まれ。シンガーソングライター。二〇〇一年、初小説『精霊流し』がベストセラーとなる。『精霊流し』をはじめ、『解夏』『眉山』アントキノイノチ』『風に立つライオン』はいずれも映画化され、ベストセラーとなる。その他の小説に『はかぼんさん―空蝉風土記』『かすていら』ラストレター』『銀河食堂の夜』など。

「2021年 『緊急事態宣言の夜に ボクたちの新型コロナ戦記2020』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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