解夏 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (499ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344404649

感想・レビュー・書評

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  • すごくいい、さだまさし天才か…。重松清に温かさのベクトルが似ているなぁと思っていたら、解説に重松清が…。どうでもいいところでも鳥肌。どの話も本当に素敵だったが、個人的には秋桜とサクラサクが好き。重松清に大人のテイストを加えた感じ。地理に明るいところが、渋みを出しているのかな?あまり歌は聞いたことないけど、この人が歌う歌なら聞いてみたいと思った。

  • 「解夏」の他にも「秋桜」「水底の村」「サクラサク」全部で4作品が綴られてます。

    さださんって、とても素敵な時間をお持ちなんだなぁ って思いました。
    どの作品もとても優しくゆっくりとした時間が流れてるような・・・
    作品の雰囲気が本当に素敵だなぁと思いました。

    歌手としてのさださんも、歌詞の中に何とも言えない優しさが込められてるものがありますよね。
    解夏は映画化されて『大沢たかお』さんが隆之の役をされたようですが。
    大沢さん大好きなんです。
    観てませんけど・・・

    さださんの作品は「精霊流し」も読みました。
    さだまさしって名前ではなく作家さんとして別の名前で出されてたら、なんの先入観もなく手にとられて読まれる人も多いのではないのかなぁ…って思うんですけど、それは考えすぎですか?
    とにかく優しく素敵な時間が訪れます。

  • 表題作の「解夏」は勿論のこと、「秋桜」、「水底の村」、「サクラサク」どれをとっても深く胸に沁み入りました。手元においておきたい1冊です。


  • でもまぁこれは…短篇がいくつか入っていてそのどの作品もイイ、ととある筋から聞いたので買ってみたのですけれど。

    今までさだまさし、と言えば特に曲も聞かなかったしそこまで意識してなかった。(私たちの世代じゃだいたいはそうでしょう)
    だけど…してやられました。
    私の中のさだ まさし株急上昇ですよ!(笑)

    この単行本には「解夏」、「秋桜」、「水底の村」、「サクラサク」と四つの短篇が入っております。
    解夏は映画化されているし、なんとなくストーリーを知ってるって方も多いと思います。
    でも他の作品も良いですよ!
    なんて言うのかなぁ。なんか心に響くって言うか…。

    私は「秋桜」と「サクラサク」がじんときました。(いえ、解夏も良かったんですけどね…)
    「サクラサク」なんて外で読んでたから思わずじわっときた涙を必死に押し殺してましたよ!

    「秋桜」は異国人が日本へ嫁ぐ話。
    日本でもよくある話だけど姑と仲があまりよろしくないのですね。
    でも舅は異国人である彼女を守るんですよ。
    その「守り方」って言うのがサ!
    彼女が舅のことをサムライって言うのがなんとなくわかりました。
    これぞ男!です。
    まぁ、そこで話が終わるわけではないのですけれどね。
    それは読んでのお楽しみってわけで。

    「サクラサク」は年老いた父親のお話。
    痴呆になっていく父親が主人公にいろんなことを教えて行くのです。
    元がしっかりした人だから余計こう…。
    私はこの話が一番好き。

    ああ、なんか感想になってない…!
    いや、もうこれは自分で読んで感動を得るしかないですよ!

    四つの話に共通するテーマは「ふるさと」
    一言に「ふるさと」と言ってもみんな環境が違うし状況も違うけれどだけどなぜか涙してしますます。
    私はふるさとが恋しくなるくらい長く生きていないけれど…もし親元を離れて働いて家庭を持って…ふと、ふるさとが恋しくなったらまたこの本を手に取ってみたいと思うの。

  • 短編集、秋桜が特に好き
    義母からのラストのセリフが心に沁みる

  • さだまさしさんと言えば、NHKの長時間番組でゆるゆるお話ししている面白いおじさんという印象しかなかったが、こんなに温かい文章を書く人だということを初めて知った。
    解夏
    視力を失いつつある主人公にとって、失明する恐怖は行(修行)であり、失明した瞬間に失明するという恐怖から解放される。その日が修行が終わる日であり仏教の言葉で「解夏」というらしい。
    視力を失う程ではなくても、人生は苦悩の連続であり、また死ぬことへの恐怖は誰もが抱えているだろうから、そういう意味では生きている間は行であり、死んだ瞬間が解夏ともいえるのではないかと思った。

  • 初さだまさし
    自分が大人になるとこういう昔からいる有名人に抵抗が無くなる気がする笑
    病気ものとか結構小狡い王道シナリオではあるけど暖かい文章で間違いない。

  • ベーチェット病に罹患した隆之がハヤシ老人に会って力を与えられるお話。
    「『自分の眼の残りの時間の全てをかけて、歩いて歩いて、歩いてこの町の風景をぜんぶ眼の中に閉じ込めて記憶してしまおう』と決めた。」

    さださんの文章力に驚いた


  • 小学生の時にドラマをみて、なんとなーく覚えていた「解夏」。
    お堅い文章かなあと避けていたが今回本屋で見つけて読んでみることにした。この選択は間違ってなかったと思う。ここ最近手にした作品の中でいちばん良かった。

    故郷長崎で恋人や母親、友人と過ごす日々。お互いがお互いを思いやる様や、だんだんと病に蝕まれていく主人公の気持ちが丁寧に描写されていて、自然と涙が溢れてきた。
    最後の1文を読み終えた時、その1文の為だけにこれまで物語が紡がれていたような、なんとも言えない読了感を味わった。

    他の短編も甲乙つけがたく、どれも素敵なお話だった。ぜひ周りの友人にも勧めたいと思う。

  • 4つの物語のいずれも良かったです。
    さだまさしさんはスゴいと思った一冊でした。

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著者プロフィール

一九五二年長崎市生まれ。シンガーソングライター。二〇〇一年、初小説『精霊流し』がベストセラーとなる。『精霊流し』をはじめ、『解夏』『眉山』アントキノイノチ』『風に立つライオン』はいずれも映画化され、ベストセラーとなる。その他の小説に『はかぼんさん―空蝉風土記』『かすていら』ラストレター』『銀河食堂の夜』など。

「2021年 『緊急事態宣言の夜に ボクたちの新型コロナ戦記2020』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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