快楽なくして何が人生 (幻冬舎新書 た 2-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980105

感想・レビュー・書評

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  • 団鬼六の自伝のようなもの。盛っているようなところもあるが、愛人斡旋業から紹介された女子大生を愛人にしたらハマってしまった話や、作家になるまでの話は読み物として面白い。
    新人賞を取り作家を始めるが、その後に酒場の経営に失敗。神奈川の三崎で教員として3年過ごす(当時は教員不足?だったそうだ)がその間も「花と蛇」を執筆し、洋画の字幕・吹き替え作成の仕事で東京に戻るという彼の半生は波乱万丈だ。

    下着マニアが物干しから下着を盗み出せば泥棒行為になるが、下着マニアの性欲そのものは犯罪には該当しないのです。

  • 憧れる

  • 末期の腎不全を患いながらも「不快だから」と人工透析を拒否するほどに破天荒な人生を謳歌している団鬼六の自伝。

    快楽哲学のようなものがあるかと思えば、そういうものはない。三つ子の魂なんとやらで親も親なりに破天荒な様子。

  • 父親が自称相場師で、
    本人は将棋好きの文筆家。
    SM小説等がヒットした。

    破天荒で非常識にも写る生き方だが、
    真面目に堅く生きがちな人には正反対の
    価値観に触れることによって視野が広がる
    のではないだろうか。

    不謹慎で不道徳だが、当たり前に洗脳されてないが故にそこに真理もある。

  • 寝取られ体験がいくつか書かれていて、プラトニックな初めての彼女を寝取られるという経験は著者の原点かもしれない。寝取られの暗い悦楽を描いた金字塔「不貞の季節」、これなどを読むと寝取られは、快楽には痛みを伴うという、著者の人生の象徴のように思える。

  • 自分が快楽主義者である事を認識。無常と快楽はセット。言われてみれば当たり前なんだが。内容的にはそれほど過激ではなく、その辺に転がっている話だったのは、団鬼六と言えども結構普通の人だったんだなというある種の安心感にもつながる。真面目に生きてきて、これから快楽に生きようとした矢先、62歳で死んだ同級生の話が示唆に富む。(こういうのを矢先症候群というらしいが)
    75歳で人工透析を拒否。80歳で食道がんで死去。これでいいんじゃないの?と思わせるものはあるが、実際自分が75歳で同じ決断が下せるのだろうか?という疑問もある。
    人間死ねばゴミ。今後も快楽を追求し、遊んで暮らしていきたい。

  • 早速、赦す人も購入。
    酒、相場、女。凄すぎる人生を軽く言えるのがすごい。

  • 2013/04/20読了

  • SMの大家、団鬼六の自伝的エッセイ。あまりにも破天荒な生き方すぎて、自分の生き方を考えてしまう。かっこいいおじいさんでした。「一期は夢よ、ただ狂え」

  • 75歳の団鬼六が自身の半生を書いたもの。
    結局最終的に団鬼六は自分のことを奇人だと言っている。たしかに数奇な人生を歩んでいるし、彼の周りの人物たちはどうもおかしな人が多いが、彼自身は至極まともな人間であるように思えた。彼の周りの人物は、フィクションであるといったほうがしっくり来るような人ばかりだ。特に彼の父親は喜劇に出てくるキャラクターとしか思えない。父親に関するエピソードを読んでる時はただおかしかったのだが、今読み終わって冷静になってみるとこんなおかしな人間が本当にいるのか?リアルのフィクション性の高さに驚かされる。そしてなんといっても敏江と中川だ。彼らの結婚報告には思わず、えええええ!!と声を上げて驚いてしまった。そして団鬼六に対して仲人をお願いする無神経さには開いた口がふさがらなくなった。若い頃の話で当時真面目に付き合っていた菊江をかっさらって行った後輩山田もまた無神経な人物だし、菊江もまた然り。どうもこういう彼の周りの人物たちは、寛容性を要求してくる質の悪い人が多い。自分の性的倒錯を認めてもらうのと無神経を認めてもらうのはぜんぜん違うのに、それがごっちゃになってしまっているようだ。
    英語教師の妻については翻訳を手伝ってもらったエピソードしか書かれていないから彼女は常識人なのだろうか?
    団鬼六は常識人とか真面目人間と馬が合わないという。それは理解できるのだが、奇人たちとも馬があっているようにみえないのはおかしかった。
    とにかく読みやすい文章で一息で読み終わった。長らく新書を読んでなかったけどこんなにおもしろいのもあるのならまたいろいろ手を出してみたいと思わせる一冊だった。団鬼六の小説も是非読んでみたい。
    タイトルは団鬼六の生き様で、内容とは無関係。でも自分の半生にタイトルをつけるならこれが的確なんだと思う。というよりアウトローとして生きてきた彼だから、常に世間に対する違和感があったんだと思う。真面目で常識的な世間に対して、「快楽なくして何が人生だ」「一期は夢よ、ただ狂え」と言ってるだけで、生き様って言うより彼の世間における立場を表した言葉なのかもしれないな。

    本書のレビューを幾つか読んだが、団鬼六の生き方が豪快で真似できないだとか、好きなように生きて羨ましいだとか、本当にこの本を読んだのか?と疑いたくなるようなレビューが幾つかあったのにおどろいた。こういう人達の事をさして、団鬼六は常識人はつまらない、と言っているのかもしれない。ということはこの本を読んで面白いと感じたら奇人なのかもね。

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著者プロフィール

団 鬼六(だん・おにろく):1931年滋賀県彦根市生まれ。57年、文藝春秋「オール讀物」新人杯に「親子丼」で入選。執筆活動に入り、SM官能小説の第一人者となる。89年に断筆宣言。95年『真剣師 小池重明』で執筆再開。代表作に『花と蛇』『不貞の季節』『美少年』『落日の譜――雁金準一物語』『死んでたまるか――団鬼六自伝エッセイ』『一期は夢よ、ただ狂え』、秘書を務めた長女・黒岩由起子との共著『手術は、しません――父と娘の「ガン闘病」450日』ほか小説・エッセイ・評伝等著書多数。2011年逝去。

「2024年 『大穴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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