- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344980815
感想・レビュー・書評
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瞬時に周囲の状況を察知する力と、その為に必要な予測について
目次
<blockquote>第1章 成功へ向かうとき、必要なものが「察知力」だ
第2章 僕はこうして「察知力」を磨いてきた
・サッカーノートが僕を作った
・フリーキックを徹底追求して見えたもの
・自分の“引き出し”の数が、未来の可能性になる
・僕を育てた「壁」
・海外へ移籍した理由
・イタリアからグラスゴー、海外での壁に向かった
・すべての監督から、学びがある
・チームメイトから察知できる学び
・妥協しない姿勢
第3章 「察知力」を活かして未来へ進む
・僕にとっての日本代表
・ベテランの価値
・指導者として歩む夢
</blockquote>
有名なサッカー選手である著者ならではの体験をベースとした人生訓ですな。
文章は平易で、すんなり読めます。これくらいなら楽。
自分より強い人が多くいる海外で対等にやりあうには、周囲を察知する能力が必要なのだ……と説きます。
それは、「試合に出続けることによる経験が生きる」から、より試合に出るには、「ユーティリティプレイヤー」であることを決意した著者の選手観があります。「引き出し」という言葉が何度も出てくる点が、強い思想となって出てきます。
何処でも生きる程の経験があるからこそ、監督は起用するのだと。そして海外でも結果を出せるのだと。
彼の中学の経験と、代表の経験(どちらも苦い経験)がこの思想を強いものにしてますね。
後は、かなりストイックな考え方がベースにあることが、珠々のエピソードから伺えます。
出発地点は過酷なほど可能性は広がるとか……。あとはサッカーノートかな。記録の大事さ、ビジョンの策定と目標の決定の高さは参考にすべきかなと。
そういうの、何も考えてない人多いんじゃない?
それらが全て、いざというときの「察知力」、行動力になると。
これは感覚を研ぎ澄ます、スポーツ選手ならではの人生訓でしょうね。試合外でその結果に必要な努力を積む姿勢も。
チームメイトとの交流や、お国の違う文化に関する考察も興味深いです。
結構、参考になるポイントの多い本だと思いますよ。 -
At that time, I wanted a title.
I wanted to be recognized at work as soon as possible.
I wanted to be recognized by my boss.
It is a book that gave hope to my heart. -
ビジネス
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著者の経験をもとに書かれたもの。
彼が察知力を身につけるきっかけになったのは中学時代の挫折だったとのこと。
サッカーノートについて書かれている部分は興味深い。
色々な所で読んだ事があるが書くことは本当に大切なのだと思う。
ふてくされている時間程、無駄なものはない。
これは本当にそう思う。自分も常に意識しなければならない。
見た目のイメージで人は判断するもの。
これは意識しなければならない。サッカー選手も同じようだ。
本書で著者の姿勢が垣間見えた。
サッカーノートやよく考えること。はとても参考になる。
彼は将来指導者を視野に入れているとのことだが、そのステージに立った彼も見てみたい。
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周りの空気を察知して自分で動け。命令に従うだけじゃダメだと言うお話し。
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中村俊輔!
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常に壁を探して、立ち向かう。どうしようもない時も中にはあるが、立ち向かった方が得るものが多い事が多い。常に新しい壁を探して、見つけているため、MVPを獲っても達成感はない。中三の時に自分のやりたいプレーだけをやって試合に出られないという苦い経験を繰り返したくないという思い。
サッカーは趣味。ラーメン好きな人が遠い所にあるおいしいラーメン屋に足を伸ばして食べに行くように、サッカーが好きだからヨーロッパまで足を伸ばした。
トルシエジャパンの時の葛藤も書いている。トップ下というポジションへのこだわりは持ちつつ、代表で左アウトサイドで起用された時に、しばらくしてからそのポジションを理解しながら、監督が何を求めているのか考えるようになった。海外のチームでも同じ。求められていることを察知しなければ試合に出られない。試合に出ないよりも出ることで得る物は大きい。 -
困難な時こそ成長できるチャンスってね。
ぜひ監督やって欲しいね! -
どんな状況に陥っても素早く対応できるように色々な能力を高めていく、引き出しを増やすというのは想像以上の苦労だと思います。サッカーのことはよく分かりませんが、まぁ攻撃する人と防御する人では役割が全く違うわけで、普通はどちらかに特化して個性を伸ばして戦力になるのが常道ですが、著者はそうではなく、その時その時での監督の意図や咄嗟の状況判断で臨機応変にできることが良いということで、どの役割もある程度はこなせるゼネラリストを目指しています。ここが面白いところで、普通は何かに特化した能力を発揮して活躍するはずが、著者は何でも屋さんになることで、サッカー人生を長いものにしています。攻撃陣が多ければ競争が大きくなって、反対に防御陣は供給過小になります。需給のマッチはその時々によって変わるので、何でもできると便利だな~と感心させられます。『このチームはフォワードが少ないから僕がフォワードをやろう』とか、『監督がこういうのを求めてるからやってみよう』とか、著者の言葉で言えば『引き出しを増やすことが大切』とはよく言ったものです。
ただ、著者はフリーキックをさせれば右に出るものはいないぐらい達人で、色んなことをできる総合力に加えて、自分の武器をしっかり持っていますし、総合力を底上げするための努力は凄まじいもののはずで、決して真似できるようなものではないと思います。
コミュニケーションにおいては、察知力とは『空気を読む』ことと同義で、相手が何を求めているのか、何を考えているのかが分かると、スムーズに意思疏通ができて良いことだと思います。
一言で察知力と言っても、対象への観察力や洞察力も必要だし、その対象からの要望に応えるだけの能力も必要だし、非常に高度な力です。
サッカーに対する姿勢がストイックで、安定を求めたらダメだという考え方には賛成します。自分を追い込む環境に身を置くことで自分自身を鍛え上げるというのは、口で言うのは簡単ですが実際に行動に移すのは難しいものがあります。
僕は大学時代、単身で県外に出だ身だったので、新しい環境に適応していくには先ず自分から友達を作らなくてはいけませんでした。最初は多少なりとも苦労しましたが、そのおかげで友達をたくさん作ることができました。
逆に、数人の友人と一緒に他県の大学に入った人は、交遊関係が狭くなっている人が多いように感じました。結局、同郷の友人と一緒にいることが多くなって、そこで安定しているために、新しい友人を作る必要がなかったのだと思います。
自らを不安定な環境に置くことで学べるものは非常に多いと思います。現状に満足せず、常に上を目指していくためには、そういうことが必要だと痛感させられます。
僕の評価はA-にします。