- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344980815
感想・レビュー・書評
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「理解」とは「プラモデルの組み立て」に似ている。材料を加工し、適切な順序で組み立てると形が出来上がる。完成後は型と手順を人に渡すことができ、価値を産み出す。
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憧れのサッカー選手、中村俊輔の本です。
俊輔流「空気を読む力」=「察知力」。
単に周囲に合わせて、とか協調性を持ってとかではない。
未来を考える。自分に何が求められているのか、何が必要なのかを考えて準備する。
そして、メンバーの空気を読んで、監督(上司)の戦略方針を察知する力が重要だということ。こういう考えは全ての職種に通じるものだと思いました! -
しゅんすけのマメさが好き。
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(「BOOK」データベースより)
自分より身体能力の高い選手と戦うには、相手よりも先に動き出すこと。そのときに必須なのが、瞬時に状況判断をして正解を導く力だ。それを、中村俊輔は「察知力」と呼ぶ。サッカーでは一瞬の判断が勝敗を決する。彼は、毎日の反復練習と情報収集、こまめな目標設定と自己反省を、特にノートに「書き付ける」ことで、自分を客観視し、この力を磨いてきた。世界から注目される名選手の心身鍛練術は“シンプルなことの継続”だった。 -
中村俊輔が世界で戦うために何をしてきたのか。それは常に先を見越し、周りを観察し、何を求められているのかを察知し、目標に向けて努力し続けてきたこと。
要するに、周りを観察すること、察知することが大切だということが書いてありました。サッカーノートに関してが、個人的に興味深かったです。 -
なるほど。話にはきいていたけど、なかなかの苦労人だったんですね。
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同じ年の高校サッカーのスター選手、中村俊輔の本。
内容は想像通りかなと。「察知力」よりも彼がどういう風に今迄過ごしてきたかという事が興味深かった。
そして、この本は2008年に出版されたものなので、2010年ワールドカップをどう過ごして今その経験をどう活かしているのかが気になる。 -
【MM230 mylibrary 2008/10/22】
本日ご紹介する一冊は、こちらです。
中村俊輔『察知力』(幻冬舎新書、2008年)
著者は、ご存知のとおり、サッカースコットランドリーグ・セルティックや日本代表としても活躍する名MF。おそらく始めての著書
だと思います。
最近『○○力』といった作品が多い中で、ちょっと独特な文句である『察知力』というタイトルにも引かれたのですが、海外で活躍す
る数少ないサッカープレーヤーでもある(決して話が上手だと思わない)著者がどんなことを語るのか興味を持ったことも確かです。
以前、このマイライブラリで、前サッカー日本代表監督・オシム氏の著書『オシムの言葉』をご紹介しましたが、それに続き、サッ
カー関連の1冊です。
参考:『オシムの言葉~フィールドの向こうに人生が見える』(木村元彦著、集英社インターナショナル、2005年)
http://tinyurl.com/lxvtm
私自身、それほどサッカーが好きというわけではありませんが、こうやって紹介するのは、日本のプロ野球と違い、サッカーの国際的
な広がりというか、奥深さにいろいろな可能性を見出しているのかもしれません。メジャーリーグで活躍する日本人はいても、世界最高
峰のリーグで活躍できる日本人は少ない。そういう未知への好奇心が、興味の対象になっているのかもしれませんね。
さて、中村俊輔の言う『察知力』とは何か。彼は、第1章でこのように述べています。
「察知力というのは、人が成長するためには欠かせない力であり、目標を達成したい、願いを叶えたいと思うなら、磨くべき重要な力
だと思う。」
「空気を読むというのは察知することであり、それは人を思いやり、他人の気持ちを感じる力でもあると思う。」
さすがにプロの作家ではないので、言い回しの軽さや時間軸のブレ、同じ内容が何回も書いてある部分もあるのですが、どちらかとい
うと寡黙な印象がある著者が一体どのようなことを語るのか。いろいろな見方ができる1冊です。
それでは、著書の中で気になった文章をピックアップしてみましたので、ご覧ください。
1つか2つは、心から納得できる言葉が見つかるかもしれません。
第1章より
「喜びをはじけさせることよりも、僕はそんな気持ちに支配されていた。それはちょっとした危機感に似ているのかもしれない。未来を
察知し、そのための準備を怠らない。これは僕にとって、とても自然な気持ちの流れだ。だって、そうじゃないと、すぐ誰かに追いつか
れ、追い越されてしまうから。」
「危機感がなくなれば、僕はサッカーをやめる。まあ、なくならないと思うけど。」
「僕は必死で壁を探していた。未来を察知して、必要な壁を探していた。」
「普段の生活でどんなに悩んで、考えても、それが無駄になることはない。『考えること』は、今の僕にとっても重要な作業だ。
僕は身体的に恵まれたとは言えない。線も細いし、身長が高いわけでもない。それでもヨーロッパで身体能力を武器にした選手と戦え
るのは、『考えているから』だと思う。頭を使ったプレーができなければ、今の僕はない。」
「細かいことを感じるか、感じないか、考えるか、考えないかで、人の成長は違ってくる。」
「彼ら(ヨーロッパでプレーしている選手)は欠点を補うことよりも、その長所を伸ばす教育を受けてきた。
日本は逆で、長所は長所として活かしつつも、欠点を補うことの大切さを教えられる。だから日本人はなんでもできるけれど、個性が
乏しいと言われるのかもしれない。
でも、僕自身、ヨーロッパでプレーして、平均的にいろいろなことができる力は武器にもなると考えた。」
「全員で守備をして、全員で攻めないと、日本は世界では勝てない。それくらい日本と世界との差はある。身体能力の差も大きいし、思
考速度や判断のスピードにも差がある。(中略)だからこそ、選手にはいろんな仕事ができる多様性、ポリバレント(ひとりの選手が複
数のポジションや役割をこなすこと)な能力と機動力が求められる。」
第2章より
「困難な状況に立たされたときに、人間の真価が問われるという。
もちろん、どう対処するかということで、その人の力が試されるのかもしれない。でも大事なのは、“その後”なんだと思う。
うまくいかないときは必ずある。壁が見えるときはまだいいほうだ。それを乗り越えればいいだけだから。でも、壁すら見えないとき
もある。
そういうときは、考える。」
「基本的には、壁から逃げないで立ち向かったほうが、得るものは大きい。」
「察知して、考える作業は、必ず、先につながる。」
「大事なことは、自分を知ること。新しいサッカーのなかで、何ができ、何ができないのかと自分とサッカーを照らしあわせながら、工
夫していく。」
「大事なことは、変化の空気を読むこと。
監督がなにを望み、どんなプレーの選手を求めているかを察知し、要求に応えられる準備をしなければいけない。」
「選手同士のコミュニケーションのなかで、大事なのは言い合うことだと思う。自分の要求を伝えたうえで、相手の言葉も聞かなくちゃ
いけない。(中略)
チームメイトへ要求する機会も自然と増えた。そういうときは、言うタイミングや言い方に気を配る。(中略)
何も言わないよりは、言ったほうがいい。
何か言うことで、言われた選手は意識し始める。すぐにうまくいかなくても、そういう積み重ねが大事。意識をすれば行動は変わるも
のだから。」
「不満を口にすることまでは、否定しない。誰だって文句を言いたいときくらいある。
大事なのは、言ったあと、すぐに気持ちを切り替える術を持つこと。」
第3章より
「『考える力』は、年をとっても関係ない。いや、逆に、経験を積んだぶん、判断のスピードや質は上がるはず。『考える力』は武器と
なる。だからこそ、年を重ねれば重ねるほど、今まで以上に空気を読み、察知し、考える力を磨いていかなくちゃいけないと思う。」
勝敗は、すでにピッチの外でついている。
混沌の中、最短距離で正解を見つける力。
第1章 成功へ向かうとき、必要なものが「察知力」だ
第2章 僕はこうして「察知力」を磨いてきた
第3章 「察知力」を活かして未来へ進む
あとがき