子育てはもう卒業します (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 118
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396342241

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5
    私よりも少し上の世代の女性3人のお話
    時代が少し違うだけで、社会での女性の立場や考え方が違ったんだとびっくりした。

    共感できない部分も多かったけど、周りからは幸せに見える人でも、その人それぞれ悩みがあること

    それを打開するのは、結局自分だということ

    40歳すぎてからでも、挑戦できること

    子供も自分は違う人間だということ

    共感できる部分も後半たくさんあった!

    人生を楽しく生きたい、そのためには今のままで良いのかなとも考えさせられました!

  • 久しぶりに笑った。
    どれだけ取材したらこの話が書けるのか分からないが、作家というのは立派なものだ。
    全ては無理にしても共感できる部分ばかりで短編集だったとしても秀逸だった。

    隣の畑は青いのは当然だが、誰しも後悔と不満の日々。
    子育てになると一層そうなるだろう。
    3家族を舞台に田舎と都会、就職と子育て、幸せや満足や価値観など、時間軸と語り手を変えながら次々とテーマが広がる。

    中年になったから余計に面白いのか。
    満足した。

  • 3家庭について、それぞれの視点からオムニバス形式で語られる。20年間あると、いろいろあるよね。
    徐々に明かされる各家庭の事情と、変化。うまい。
    語りても時代もどんどん変わるが、不思議と読みやすい。子育て卒業というタイトルは無視していいかな。

  • いつも心を鷲掴みにして離さない垣谷さんの作品。今回は「子育ての卒業」という、親にとっては解放感を感じるタイトル。

    10代で出会い故郷を離れてからも結婚、出産、嫁姑問題、子供の進路…と、悩みを打ち明け合う3人。こういう繋がりは正直羨ましい。
    「隣の芝生は青い」し「タラレバ」を考えるときりがない。みんなその時にベストだと思う選択してきて今がある。
    女性の生き方に対して、一昔前の昭和の価値観も感じました。

    自身も子育ての終盤なので、物語に自分を重ね合わせながら読みました。
    思うのは「子どもはいくつになっても可愛いし心配」

  • 親って偉大だと改めて思う。

    置かれた境遇と時代によって考え方が全く異なってくるのが興味深かった。女性は専業主婦であるのが当たり前な時代から、女性総合職が生まれた時代へと女性の働き方が大きく変わったのがよく分かる。

    昔から自分が後悔していることを自分の子供には後悔してほしくないから、口うるさく言うんだとよく親に言われてきた。子供の頃はそれがとても嫌だったけれど、今なら少しわかる。自分が親になった時には同じことをするのだろう。

    大人も他の人と比較して劣等感を抱いたり優越感を抱くのだと思った。夫の年収や家族の仲、子供の進学先や結婚など、劣等感や優越感はいつまでもついてくるもの。他人と比較せず、自分を受け入れる努力をしなければいつまでたっても幸せになれないとつくづく感じた。

  • 今の自分の境遇と同じ年代の内容だったので、わかるわかるーと共感しながら読みました。
    自分もそうであるように、やはり社会の中で生きていると周りと比べて不安になったり、落ち込んだり迷ったりしながら必死で子供を育てなんとか学校も卒業させて、就活にハラハラしやっと親の手を離れる。
    そして気付いた時に自分は更年期と言われる年になっていた。
    子育てに必死な時ははやく自由になりたいと思っていたけど、いざその立場になったら自分に残っているものって何だろうという漠然とした不安がつきまといます。
    読後にはしばらく会ってないかった学生時代の友達と話したようなほんのり暖かい気持ちになっていました。

  • ちょうど自分と親がこの物語の世代と
    ドンピシャだった。

    登場人物の親から言われていることが
    まさに自分も親から言われていて
    笑った。笑

    どこもいっしょなのかなー。

    親は子供に期待するから
    お金をかける。
    親の希望通りの未来から
    子供が外れていくと、
    キレる。笑

    いつまで子供は親の子なんだろうな。

    大手で働き続けたら安泰だなんて
    今は通じないのにね。
    ひとつの会社に勤め上げることが
    一番大事だと信じている両親。

    考えが古いよなぁ。

    今はいろんな働き方があるのにね。

  • 私自身は子ども世代にあたるので子どもたちの言動のほうが共感できる部分は多かった。一方で、親世代が就職や子育てで経験した苦労がしっかり描写されていて、そんな苦労を子どもにはさせまいと色々な口出しをしてしまう。
    自分の親と重なるところもあって、あーこういう気持ちで口うるさくしてたのかなと思うところもあった。
    親世代と私の世代どちらがいいとかではなく、それぞれ違った苦労があって、きっと私の子どもの世代に私の世代の常識は通用しないんだろうな。
    結局、最後に幸せだと思えるのが一番だよね。

    この人の本が好きで色んな作品に手を出している最中なんだけれど、この本は語り手の視点や年代がころころ変わって最初は少し読みづらかった。慣れてくると平気になるけどね。

    この人の本はもっと大人になってからもう一度読みたいと思うものばかりだけれど、この本も例外ではなかった。

  • 3人の女性が主人公。地方出身で大学の同級生が、それぞれの人生を歩む中で、滑稽な苦労が連続する。世の中の移り変わりとともに価値観も変わっていく様も面白い。 

  • 色々あっても明るくて一所懸命で、著者の本を読むと元気が出る。普通の人の人生をここまでドラマチックに明るく面白く、しかし誰が読んでも共感できるように描ける人は、プロの作家でも少ないかもしれないと思う。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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