子育てはもう卒業します (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
3.59
  • (43)
  • (141)
  • (161)
  • (12)
  • (2)
本棚登録 : 1590
感想 : 116
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396342241

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • タイトルから内容は想像できたけれど世代も自分に近いからすっかりお隣のことをのぞいてるような気になりながら読了。
    大学の仲良し3人の子育ての結末は色々だけれど何が幸せかも人により違っていることはよくわかる。他人の幸せを羨んでも仕方ない。それぞれの子供たちが集まるラストは出来過ぎ感もあるけれどこの話の終わりとしてはよかったと思う。

  • タイトルから想像していたほど子育てメインの話ではなく、1980年代に4大を卒業した3人の女性の、それぞれの生き方のお話だった。

    まだ大卒の女性が多くなく、女性の就職口や仕事内容が限られていた時代。
    やっと見つけた仕事も、結婚を機にやめてしまう。専業主婦となり子どもを育てる彼女たちの人生とは。
    今の時代でも女性は生きづらいなと思うことは多いけど、昭和の時代の比じゃないな。
    それでも彼女たちは強い。

    実家との確執や、嫁姑問題、学歴問題、お金のことなどなど盛りだくさんで、3人の女性のドキュメンタリーをがっつり見た感じ。

  • ずっとフランス人の夫のことを怠け者だといって毛嫌いしていた紫が、最後には夫の良さを認めるところが個人的には好きだった。

  • リアルでした。
    時代と共に、自分も歩まねばならないですね。

  • この時代の背景が、よくわかる私である。
    当時は、4年大学より短大の方が、就職率が、良かった。
    なぜなら、結婚年齢も、25歳位迄の時代、寿退社等だとしたら、企業は、新社員に養成にお金と時間を無駄にするからである。

    そして、一般的に、この当時、女性が、外で働くなんて・・・・男の沽券にもかかわると、思っている男性諸君が、多かったから、内助の功と、妻はなるものだと、考えられていた。

    この本で登場する3人の女性。
    お受験問題を抱え、義理の父母の顔色を見ながらの生活を強いられている淳子。
    夫の転職、子育てが、終わって就職した娘の仕事場は、香港だった、明美。
    フランス人と結婚した良家の娘だった紫、娘はモデルに。

    3人共、大学時代は、和気あいあいで、悩みもしれていたけど、配偶者の両親、そして、きょうだいの配偶者との確執、子どもの教育費等々、就職をしたかと、思っても退職してきてしまう息子等。

    よりよい生活を求め頑張って来たのに、閉塞感ヘと。
    この題名曰く、「子育てもう卒業しまう」と、言いたい気持ちがよく表れている。

    そうそう40年程前に フランスヘ行った時の帰りの飛行機の中で、スチュワードさんと仲良くなって、仕事は、「家事手伝いだよ」と、言ったら、「家で、商売をしているのか?」と、聞かれ、「母は、専業主婦」と、答えたら、・・・・「???」だった。
    専業主婦というのや家事手伝い等、外国では無く、女性も勤労が、普通という事を その旅行で、初めて知った私だった。

    結婚を機に退職(離職)するのが、当然であり、家庭におさまるという感じである。
    商社に勤めたが、海外旅行も、休暇を取ってなんか行けない時代である。
    勿論退職してからにと、会社側からのお達しである。
    外国で、何か事件があったら、社名がマスコミに出て大変だからである。
    当時は、外国も治安が、悪い所が多かったからなのかもしれないけど、型にはまった思想が、この時代の社会であった。

    今は、自由になれたかもしれないが、晩婚化や雇用環境も年功序列も無くなって来た。
    個人個人が、努力しないといけない世代になって来ている。

    読んでいて、共感と、思い出にふけってしまった。
    今、母親の年齢だった時は、どうだったのだろうか?とも ふと思う。
    子供も 親になってみて、わかることが多いかも・・・・と、思いながら、本を閉じた。

  • 世間体、見栄、自分が後悔した経験からの学びを子供に押し付ける母親。母親の意見はそっちのけで自分のやりたいことを貫き25歳頃現実の厳しさを知り、あの時母親の言うことを聞いておけば…と後悔する子供。
    子育て真っ只中の自分には考えさせられる内容だった。

  • 子育ての卒業の仕方が面白おかしく書かれているのかなあと期待して読んだが、果たして違った。ただ、昔と違い今の親も子供に何かを期待して子育てをするので、それに反すると感情が昂ってしまい、時には非常に発しては行けない言葉を発してしまうのだなあ、と思った。

  • 卒業どころかまだ入学したばかりの私ですが、タイトルに興味をひかれて読んでみた。期待していたような斬新な内容ではなかったけど、母親3人の葛藤は共感できた。自分の経験からいろいろ口出ししたくなるだろうけど、結局本人が経験して納得しないとダメなんだろうなぁ。自分は親として何をしてあげられるだろう

  • 淳子、明美、紫、の3人は大学の同級生。それぞれの17歳から55歳までを順番に綴ってある。結婚して、子供が生まれ、育て、子供が成人してまでの話。女同士比べて、相手を羨み、時には優越感に浸る。自分が誰に一番近いか、わかるか、感情移入してしまう。よくある話のようなところが親近感を持て、よかった。

  • 子育ては真っ向勝負だ。どうなるか予想もつかないようでいて、自分がにじみ出てるから面白い。子どもが大きくなって、子育ては形を変えるってことを、この頃感じる。

全116件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

垣谷美雨の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×