人間の終わり: バイオテクノロジーはなぜ危険か

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478180358

作品紹介・あらすじ

「人間後」(ポストヒューマン)の世界は、人間の遺伝子に他の種の遺伝子をいろいろ融合させすぎて、「人間とは何か」はもはや曖昧になり、「共有された人間性」という概念すら失われてしまうかもしれない。一〇〇歳を超えて長生きし、死を望みながら、しかし死ぬこともできず、介護施設でじっとしている人であふれるかもしれない。こうした未来社会を受け入れる必要はない。テクノロジーの進歩が人間の目的に役立たなくなったのに、進歩は止められない、自分たちはその奴隷だ、などとあきらめる必要はない。

感想・レビュー・書評

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  • 古い本だが、必要があって読み返した。クローン人間やヒト胚研究で「人間の尊厳」が問題になっていたころで、筆者は「X因子」という言葉を用いて人間の尊厳あるいは人格の根拠を同定しようとするが、そのあたりは大雑把な結論で終わっている(200頁あたり)。しかし、人間の尊厳を守る必要があり、われわれにはポストヒューマンになる自由はないという主張になっている。「真の自由とは、社会で最も大切にされている価値観を政治の力で守る自由を意味する」(253頁)というのが本書の保守主義的な結論だろう。

  • 「歴史の終わり」にあやかる気満々な邦題は仕方ないにしても、ないわーなのは巻末の注記。通常、和訳がある場合は併記するもんじゃないの?こういうのは訳者がやるのか編集者がやるのか知らないけど、ちょっと不親切過ぎでは。一瞬、邦訳のない文献ばかりなのかと思ったら、カントとかあるしw
    個人的には、「人間の権利(第7章)」「人間の本質(同8)」「人間の尊厳(同9)」と続く第2部が面白かったが、人権は人間性に基づくというなら、第7章と第8章は入れ替えた方が読み易いかも。

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著者プロフィール

1952年、アメリカ生まれ。アメリカの政治学者。スタンフォード大学の「民主主義・開発・法の支配研究センター」を運営。ジョンズ・ホプキンズ大学やジョージ・メイソン大学でも教えた。著書『歴史の終わり』(三笠書房、1992年)は世界的なベストセラーとなった。著書に、『「大崩壊」の時代』(早川書房、2000年)、『アメリカの終わり』(講談社、2006年)、『政治の起源』(講談社、2013年)、『政治の衰退』(2018年)、『IDENTITY』(朝日新聞出版、2019年)などがある。

「2022年 『「歴史の終わり」の後で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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