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- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478180358
作品紹介・あらすじ
「人間後」(ポストヒューマン)の世界は、人間の遺伝子に他の種の遺伝子をいろいろ融合させすぎて、「人間とは何か」はもはや曖昧になり、「共有された人間性」という概念すら失われてしまうかもしれない。一〇〇歳を超えて長生きし、死を望みながら、しかし死ぬこともできず、介護施設でじっとしている人であふれるかもしれない。こうした未来社会を受け入れる必要はない。テクノロジーの進歩が人間の目的に役立たなくなったのに、進歩は止められない、自分たちはその奴隷だ、などとあきらめる必要はない。
感想・レビュー・書評
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古い本だが、必要があって読み返した。クローン人間やヒト胚研究で「人間の尊厳」が問題になっていたころで、筆者は「X因子」という言葉を用いて人間の尊厳あるいは人格の根拠を同定しようとするが、そのあたりは大雑把な結論で終わっている(200頁あたり)。しかし、人間の尊厳を守る必要があり、われわれにはポストヒューマンになる自由はないという主張になっている。「真の自由とは、社会で最も大切にされている価値観を政治の力で守る自由を意味する」(253頁)というのが本書の保守主義的な結論だろう。
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