申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479794332

感想・レビュー・書評

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  • コンサル批判の本ではない。コンサルティング業務の望ましいあり方やクライアントとコンサルタントの正しい付き合い方を提唱した本。

  • 元ジェミニコンサルティングのコンサルタントだった女性が書いた、コンサルタントが犯す過ち等を書いた本。

    内容は、一部のコンサルタントは方法論などを説いて解決するように謳うが、実際はまったくうまくいかないケースが多々あるとのこと。

    興味深かったのは、『評価基準は管理職が参考にするものであり、管理の方法になってはいけない』という点。

    たしかに管理職やコンサルタントが成果を可視化するために評価基準を設けることがある。だが、こういった基準を設けると人はその基準に支配されてしまう点。

    本の中では、ある優秀な社員が5段階評価のうち、4.1の評価を受けた。他の人はだいたい3くらい。本来であれば4.1はかなり良い評価なのだが、もともと優秀な人はなぜ自分は5の評価をもらえないのか?と落ち込んでしまい、やる気をなくす。という例。

    まぁ、これはホントに完璧主義者だと思ったが、一部考えとしてはありえるな。と思いました。

    数字はわかりやすい面、人の心も左右されるので注意が必要だと思う。

    ■他に印象的だったフレーズ
    戦略が大事ではなく、考える過程で予想外の事態に対応できる

    実際従業員はどこが悪いのかわかっている

    まずは業務プロセスと情報データを正確に把握すること

    方法論は道具にすぎないが、人々はそれにすがって解決策を作りたがる

    ノルマや売り上げに連動した成果報酬は、下手すると現状の業務モデル破壊や顧客への強引な販売を招く

    数値目標などの達成に向けての行動が、人の判断を誤らせる

    評価基準は管理職が参考にするものであり、管理の方法になってはいけない

    グーグルの優れたマネージャー8カ条

    何度やってもその方法でうまくいっていないときはやり方を変える。いつかはうまくいくはずだという魔法のような気持ちは思わないこと。

  • 経営の根幹を問う書 管理ではなくビジョン
    どうしたら我が社はビジネスを通して
    人びとの暮らしをもっとよくするために貢献できるか?
    ✕財務会計の数字・収益に囚われすぎた

    1.経営 ビジョンとコミュニケーション
     管理ではない 経営コンサルは誤り
     誠実さとリアリスト 
     大本営発表はダメ
     数値目標はダメ
    2.優れたマネジメントの難しさ
     性善説が基本 コミュニケーションと信頼→VISION
     マネジメントの訓練を 
      形ではなく実質
      手間と時間を掛ける

  • いまちょうど仕事でコンサルティングファームと絡んでいる。その関係もあって、読んでいて頷く点が少なくはなかった。
    「色々な思考、戦略フレームワークがあるけど、やっぱり顧客との関係づくりが大事なんだよ」という内容。色々な方法論も結局は人間が実施することなので、血の通っていない対応はだめで、しっかり心を通わせた寄り添いが必要。

  • ビジネス

  • ★5
    Library
    Reserved

  • タイトルから想像した内容とはちょっと違っていた。コンサルタントというものはどういうものかを、失敗談を中心として内側から眺めた本だった。非常によみやすく、読み物としても良質。ぐいぐい引き込まれて、読み進めてしまう。7つの習慣や、アインシュタイン、南北戦争のグラントなどのよく知られた話を引き合いに解説しているところも非常にわかりやすくかった。コンサルタントとはどういうふうにつき合えば良いのか、ヒントがもらえると思う。

  • ・アイゼンハワー「戦闘準備において、作戦そのものは役に立たないことをつねに思い知らされたが、作戦を立てる行為こそが重要だ」―計画を立てる過程にこそ価値がある。業界の動向や経済シナリオ、競合企業の強みと弱み、規制の変更、消費者の声などをしっかりと把握することにより、洞察と知恵をもって一企業としての意思決定を行うことができる
    ・戦略開発は企業にとっての自己発見の場となるべき。自分たちで学び発見するプロセスにこそ価値がある。自己発見に多くの従業員を巻き込む必要がある
    ・資料や報告書や計画表じたいは、改革プロジェクトの本当の成果物とは言えない。価値があるのは、考え、学び、創造することであって、結果をまとめた文書ではない
    ・業績考課のプロセスは、社員の熱意を挫く。日々のふれ合いのなかで指導やフィードバックを行ってこそ、社員の業績は向上する
    ・例えば、会社の利益が基準値に達した場合は、全員に同じ割合の報酬を支給する―一体感の醸成
    ・経営陣とスタッフが協力し、会社の目標達成に向けてどのように取り組むべきかを一緒になって考えることが、業績考課などより、余程まともな時間の使い方である
    ・細かいことにこだわる部下に対して「本筋から離れず、要点を簡潔に」
    ・「このあいだ渡した指示書だけど、ちょっとわかりにくかったかな、と思って。まず何からやろうと思ってる?」これなら、相手が何を考えているのかちゃんとわかる
    ・何をいつまでにやるべきかを決め、その情報をチーム全員で共有する。チームの抱えている業務を全員が把握して、誰が何をやっているのかわかるようにすること。そうすれば、自分から新しい業務を引き受けたり、仲間の業務を分担したりできる
    ・経営陣の半分が航空機事故で死亡した場合の人事の危機管理計画まで策定するヒマはあっても、大部分の社員の能力を最大限に引き出すための対策を練る時間はない(バカなことをやってる)
    ・研修などの、「やる気」を試すには、誰でも参加可能にしつつも、申し込み手続きをうんと厳しく大変にする
    ・メソッドやベストプラクティスやビジネスソリューションを実行するまえに、それを実行したらどのような影響が出るかについて、あらかじめよく考えること。他社がやっているからといって、それを実行することが正しいとは限らない
    ・「どうやって」解決するかを考えるまえに、少しでも時間を取って「なぜ」問題が起こったのかを考えるほうが、結局は時間の節約になる

  • 業績管理シートの記入(特に自分の)が本当に嫌いで嫌い。そんな「業績管理システム」を含む様々なコンサルティングファームの「発明品」をバッサバッサと切り捨てる、痛快な本です。経営コンサルタント、そして大企業のマネージャーとしての約30年のキャリアの中で、多くの経営手法が流行っては廃れて行った過程を実例としてあげつつ、ビジネスの常識の誤りを暴露していきます。
    コンサルタント業界への評価は、ユーモア溢れる文章ながら、かなり辛辣。著者曰く、経営コンサルタントの多くは「流行りのダイエット」の様に、次々と経営手法を開発しては、それを特効薬として売り込み続けているだけだと。

    自虐や批判ばかりではなく、著者からの提言も全体にわたり織り込まれています。それは特効薬などではなく、至って常識的な人と人とのコミュニケーションの改善を第一に考える、ということです。

    続きはブログへ
    https://hana-87.jp/2018/10/29/コンサルタントの誠実なる自虐「申し訳ない、御/

  • 申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

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