ノラや―内田百けん集成〈9〉 ちくま文庫 (ちくま文庫 う 12-10)
- 筑摩書房 (2003年6月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480037695
感想・レビュー・書評
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2009/10/19-
100年読書詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
猫に関する随筆を集めた一冊。
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内田百?の飼いネコ「のら」「クルツ」に対する愛情がそのまま書かれたエッセイに近い小説。
のらは本当にどこに行ったのだろう。
クルツは何歳だったのだろう。
そんな飼い猫の話と内田百?の不思議な世界のお話いっぱいの猫本。
涙が出てきます。 -
内田先生、ネコ好き過ぎ...愛すべき人。
いなくなったノラを狂おしく想い続ける様に、大人も子供もないのだな
と在りし日の自分に重ねた。
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この作品を読んでから家で飼ってる猫がもっと好きになった。
百?先生大好きだー -
姉が昔読んで面白かった、と言うので貸してもらおうとしたらもうどこかにやってしまったのこと。古本屋で探しても無かったので買ってきました。
自分のところも去年22年生きた猫を亡くしたのでその時の哀しいこととか、大分前ですがやはり猫が居なくなってしまい、いつまでもいつまでも心に残ったこととかがよみがえってきました。22歳の猫はやはり長い間一緒だったこともあり、残念だし、哀しいし、喪失感がありますがそれでもずっと一緒で最後も看取れたのでまあ仕方が無いか、と言うあきらめはありました。
ですが、居なくなってしまった猫はどうにもやり切れない、しこりが残っています。ちょうど引越しで連れて行った先で居なくなってしまったので、やはりこの子は連れてこないで伯母さんの家に他の子と一緒に預かってもらえばよかったんじゃあないか、とか引っ越したその日に出さないでせめて一日二日は家の中に閉じ込めておけばよかったんじゃあないか、とか。似たような猫が居る、と聞いてその辺りをうろうろしたこととかも思い出されるのです。
百?先生はすごいなあ、と思うのは百?先生はおそらく猫好きなわけではないのです。ただ、一緒に暮らして愛着を持ったノラとクルツを愛した。その2匹は猫だった。そういうことなんだと思います。ノラやクルは猫だけど先生にとっては一人の人間と同じくらいその猫格を尊重した存在だったことが文章からよくよく感じ取れるのです。自分なんか前述の22歳の猫が居なくなってしまい彼女に良く似た猫が飼いたいなあ〜なんて結構強く思っているのですがそれってよくよく考えると死んだ猫に対して失礼な話ですよね。幾ら似ているからって彼女なわけではないのですから。文中にノラは別に特殊な猫ではない、どこにでも居る普通の駄猫だが私たち家族にとっては代わりの無い、大事な存在なのだ、とありました。ただの猫だけれども、うちの大事な猫。なんか星の王子様を思い出しました。
そして別の猫を飼いたいなんて自分に反省。まあ猫でも人でも何でもそうですが縁があれば又出会えるのだと思います。そのときまでさようなら、なんでしょう、きっと。
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07/--/--
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「立春」「彼ハ猫デアル」〜「『ノラや』」
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感情を文章にするということに関して、目から鱗の発見がある。これで読ませる百?先生、さすが。凡人には絶対に真似できない境地。泣かせる。
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この本読んで、ますます猫を飼いたくなったと同時に、ますます猫を飼えないという気持ちになった。ひたすら泣き続ける先生に貰い泣き。