つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫 よ 18-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 797
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480421746

感想・レビュー・書評

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  • 吉田さんの作品は本作が初めて。
    みんなそれぞれ自由に暮らしているけど、いつもの商店街コースで自然にいつもの顔を見かけて会話を交わす。。独特の箱庭感があって素敵だった。
    夏の夜の窓際で生ぬるい夜風に吹かれたながら、もういちどじっくり味わいたい。

  • さくさくと読めました。今は特に心に残るようなフレーズはありませんでしたが、もう少し時間を置いたら印象が変わるような気もします。

  • つむじ風がくるりくるり。名無しの食堂には一見立派なメニューブック。クロケット(コロッケ)、ジンジャーポーク(生姜焼き)などお馴染みの料理もちょっとよそいき顔。

    刺激やわくわく、ドキドキを求めているときには物足りないかもしれません。あっさりした、でもじんわりゆっくり温まるコンソメスープのような味わいの本です。安定の吉田篤弘さん。

    揚げたてのサックリほくほくのコロッケ(この際クロケットでなくても問題なし)!ミンチ肉なんてちょっぴりでかまわないんです。火傷しそうに熱いのをはふはふと!

    フレンチなんかで付け合わせに出てくるマッシュポテト!バターの香りがふわっとして、なめらかな中にほんのりおいもの甘みを感じる…

    フライドポテトはマクドのが好きです。しなっとしてるのもカリカリのも、好きです。やめられない、止まらない。

    …単なるじゃがいも好きの芋レポになってしまいました。

    • katatumuruさん
      美味しい料理が出てくる本っていいですよね!(^^)!
      でも私はイモ類が苦手なんです^^;
      何となくイモ好きな女子に憧れます。
      美味しい料理が出てくる本っていいですよね!(^^)!
      でも私はイモ類が苦手なんです^^;
      何となくイモ好きな女子に憧れます。
      2013/08/28
    • hetarebooksさん
      katatumuruさん

      なんと!イモ類ダメですか~。なんだかクールでそっちの方が憧れます。

      私は栗・芋・南瓜などほくほく食感に弱くて・...
      katatumuruさん

      なんと!イモ類ダメですか~。なんだかクールでそっちの方が憧れます。

      私は栗・芋・南瓜などほくほく食感に弱くて・・・イモ好き女子なんてイモ臭くてオススメしませんよ(笑)
      2013/08/29
  • 独特で素朴な世界観だなぁと思った。
    つむじ風"食堂"だけれど、店の主人がパリで修業していたこともあり、メニューが欧風なところが少しちぐはぐだけれど、妙に美味しそうな雰囲気を醸しだしている気がした。
    時代の設定は分からないけれど、何だか昔懐かしい気持ちになった。

  • とくに何が起こるわけでもない、いつもの生活をちょっと哲学的な角度から見てるようなそんな感じの物語。とにかく読んでいて心地が良い。心がささくれだった時に読めばお薬の様に心を鎮めてくれそう。

  • 月舟町にある、通称「つむじ風食堂」。最近のグルメ小説みたいに、料理がこれでもかと美味しさを縷々と語られてはいないけれど、常連さんたちはリラックスして美味しそうに食事やお喋りを楽しんでいます。不思議なお店、アパートメント、夜道、月の綺麗な夜に迷い込んでみたいなぁ。

  • 短い内容なんだけど、凄く素敵なお話しだった。
    雨を降らす研究をしてる主人公、彼がいつも行く食堂で出会う人々との交流。
    月舟アパートの屋根裏っていうだけでワクワクしちゃう。
    吉田さんの作品をもっと読みたくなりました。

  • 食べ物が出てくる
    小説や映画に目がない自分にとって、
    まさにヨダレが出るほど
    ツボにハマった小説です(o^-^o)


    古めかしい飴色のテーブル、

    漆喰の
    不思議に色褪せた壁、

    傷だらけだけど美しい
    白の皿やコップ、

    ため息さえも
    宙に浮かんでしまいそうな、
    暖房のきかぬ
    オンボロの安食堂。

    それは十字路の角に
    ぽつんとあって、
    店前にはいつも
    つむじ風が舞っているので、
    「つむじ風食堂」と
    いつしか客たちは
    呼ぶようになった。

    そんな「つむじ風食堂」に集う人々の距離感が
    近すぎず遠すぎず
    本当に絶妙で、

    ベタベタしていないのに
    あったかくて、

    自分自身が
    食堂の常連になったような気分で
    身近な人々の話として
    終始ニヤケながら
    読んでました(笑)
    (このへんは映画「かもめ食堂」に流れる空気感に少し似てるかも)

    どんな人でも
    2時間もあれば読めてしまう本だけど、
    誰もが持つ遠い記憶の中の
    童話を読んでいるようで
    とにかく心地いい。


    シンプルだけど
    厳選され吟味されたであろう言葉たち。

    やわらかで繊細な文章が
    読む人を
    ここではない
    どこかにある世界へ
    連れていってくれる。


    昔堅気で無口な
    「つむじ風食堂」の店主。

    月舟アパートに住み、
    この物語の語り手である
    「雨降り先生」。

    帽子屋で変わり者の
    桜田さん。

    コーヒースタンドのマスターの
    タブラさん。

    体の半分が白毛、
    もう半分が黒毛の
    チビ猫のオセロ。

    イルクーツクに行きたい
    果物屋の青年。

    背の高い舞台女優・
    奈々津さん。

    古本屋の店主の
    「デ・ニーロの親方」

    そして地下のフロアにある
    小さなコーヒースタンドと
    銀色に輝く
    エスプレッソ・マシーン。


    好きな場面が沢山ある小説やけど
    オレンジに反射した光で
    本を読む果物屋の青年のシーンや、

    仲直りするために
    階段に置かれたオレンジのシーンが
    特にお気に入りです。

    静かで穏やかだけど、
    決して変わらない
    『確かなもの』を描いた
    雨の夜に
    ゆるゆると読みたい小説。


    それにしてもいつか、
    いつか、
    いつの日か、
    「つむじ風食堂」に行って、
    心も身体もあたためてくれるような
    クロケットを食べてみたいなぁ〜(^O^)


    姉妹編となる
    「それからはスープのことばかり考えて暮らした」
    も併せてオススメします♪

    • 円軌道の外さん

      maiさん、
      フォロー&コメント&お気に入りポチ
      ありがとうございます(^O^)

      あははは(笑)
      お気に召していただけたなら...

      maiさん、
      フォロー&コメント&お気に入りポチ
      ありがとうございます(^O^)

      あははは(笑)
      お気に召していただけたなら恐縮です♪

      自分も食べることには目がない
      いただきます体質なんで(笑)

      『食』をテーマにした作品は
      大好きなんです(^_^)

      自分がブクログで紹介してるものは
      自分が感動した作品ばかりを選んで並べているので、
      どれもオススメです(笑)

      瀬尾まいこさんの作品は
      読まれてますか?

      彼女の小説はどの作品にも
      食べるシーンが必ず出てくるし、
      どの食べ物もホンマに美味そうなんで(笑)

      未読でしたら
      また読んでみてくださいね♪


      2012/05/31
    • maiさん
      瀬尾まいこさんなら、卵の緒が大好きです!田辺聖子さんの、春情蛸の足も是非読んで欲しい!最高です!
      瀬尾サンも、深めてみます!
      瀬尾まいこさんなら、卵の緒が大好きです!田辺聖子さんの、春情蛸の足も是非読んで欲しい!最高です!
      瀬尾サンも、深めてみます!
      2012/06/01
    • 円軌道の外さん

      maiさん、ここにも
      ありがとうございます!

      おおーっ
      『卵の緒』いいっスよね〜(^O^)

      田辺さんの
      『春情蛸の足...

      maiさん、ここにも
      ありがとうございます!

      おおーっ
      『卵の緒』いいっスよね〜(^O^)

      田辺さんの
      『春情蛸の足』は読んだことないんで、
      今度チェックしてみますね♪

      よだれタラタラになるかな?(笑)



      あと食べ物が美味しそうな小説なら
      吉本ばなな、

      エッセイなら
      高山なおみ、平松洋子、

      料理本なら飯島奈美、

      あと漫画なら
      羽海野チカかな(笑)

      2012/06/04
  • 初めての吉田篤弘作品
    ファンタジーな雰囲気もあり、終始穏やかな文章で心地よいお話でした

    出てくる人たちの個性が面白い
    考え方の違いを話し合える つむじ風食堂 に行ってみたいと思った!

  • 「ここってなんでしょう?ここってどこでしょう?」『ここ』の定義とは?、答えがあるようなないようなお話が、現実にあるようなないような月舟町で淡々と静かに優しく流れていく。
    先生と奈々津さんの「ここにいる」がよかった。私もここが好き、だからここにいるんだ。

    本を読んでいる間先生の言うところの「頭ここにあらず」の時間が多々あった。私はどこに行っていたのだろうか?つむじ風にのって月舟町へ?そこでぼんやり先生たちを眺めていたような気がする。そんな1週間だった。

    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪

      この作家さん、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』の方だよね?
      どこかつかみどころのない温かさ...
      けいちゃん、こんばんは~♪

      この作家さん、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』の方だよね?
      どこかつかみどころのない温かさと、
      美味しそうなサンドイッチとスープでほっこりしたのを覚えてます。

      これも美味しそうなもの出てくるのかな?
      つい、そこが気になるという…(笑)
      2016/09/06
    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      コメントありがとう♪
      そうそう「それからはスープのことばかり考えて暮らした」の人だよ。
      私はこの作品が初...
      こんばんは(^-^)/

      コメントありがとう♪
      そうそう「それからはスープのことばかり考えて暮らした」の人だよ。
      私はこの作品が初めてなので読んだことはないけどね。
      この世界どこか摑みどころないよね。
      ほんわかした世界に迷い込んだ感じ。
      サンドイッチとスープが美味しそうだったんだね(*≧艸≦)

      この作品も食堂が出てくるからクロケットとかステーキとか出てくるけど、あまりお話に絡んでこないのでちょっと食いしん坊に私には物足りなかったよ(笑)

      もっと温かい料理、温かい人々の話を期待していたからね。
      でもこの町の雰囲気はなんとも言えない良さがあったよ。
      2016/09/08
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著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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