もしも月がなかったら―ありえたかもしれない地球への10の旅

  • 東京書籍
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487761135

作品紹介・あらすじ

もしも月がなかったら?…月のない地球は、自転速度が地球よりずっと速く、1日は8時間となる。強風が絶えず荒れ狂い、高山も存在せず、生命の進化も遅い。もしも月が地球にもっと近かったら?…月がもっと地球に近いところにあると、公転周期が短くなり、日食や月食がひんぱんに起こる。近い月は宇宙から降り注ぐ隕石から地球を守る絶好の盾となる。また潮の干満差が激しく、地震も頻発する。もしも地球の質量がもっと小さかったら?…地球が小さくなると、内部のマグマが減り、地殻が厚くなって大陸移動は起こりにくくなり、地震・火山活動の頻度が極端に小さくなる。酸素が少ないため、小型動物は生存しにくく、人類は肺を大きくするため、背を高くし胸を厚くするだろう…。その他、「地球の地軸が90度傾いていたら?」「太陽の質量がもっと大きかったら?」「地球の近くで恒星が爆発したら?」「恒星が太陽系のそばを通過したら?」「ブラックホールが地球を通り抜けたら?」「可視光線以外の電滋波が見えたら?」「オゾン層が破壊されたら?」まで、さまざまな「ありえたかもしれない地球」への旅をたどるシミュレーション・ロマン。

感想・レビュー・書評

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  • 「もしも月がなかったら?」…こんな思考実験したことがない。
    せいぜいお月見が出来なくなるな、アポロ計画がなかっただろうなくらいしか思い浮かばない凡人の眼に飛び込んできたのはなんともエキサイティングな科学的事実と検証だった。そうか、お月見ができないなんて呑気なこと言ってられるレベルではないんだな。とても勉強になりました。

  •  表題の「もしも月がなかったら」、地球はどのような姿になっているか、を科学的に描写していて面白い(他9テーマ)。月がなかったら今と比べて潮汐がほとんどなく、そうすると地球の自転が遅くならないので地球の一日は約8時間になる。また土砂の移動も少ないので生命に影響を与える…など、どんどん予想外の問題が出てくるのである。「へぇ、こんな原因でそんなことが起きるのか」という多くの驚きとともに、やはり地球は奇跡の惑星なのだな、と感じた。現在のあらゆる条件が多様な生物界に「良く」影響していると思った。

     天文学以外にも、化学や生物学など様々な自然科学分野(また時に考古学や歴史学などの人文・社会科学分野も)が広く考慮に入れられており、素晴らしい。

     ただ、「このような時はこうなるのでは?」と簡単に想像できる点もいくつかあった。そのような素人がすぐに思いつくような仮説に触れていない時が何度かあり、少し残念なところである(その仮説が正しければ「こうなる」と書いてあってほしかったし、違うのであれば何故そうはならないのかを述べてほしかった)。また、訳が若干ではあるが直訳っぽく、読みづらかった。

     NHKのドキュメンタリーか何かで映像としてみるともっと面白いのではないかと思う。是非CGで見てみたい。

  • [評価]
    ★★★★★ 星5つ

    [感想]
    この本では宇宙空間における月や地球の置かれた状況を少し変化させた場合、地球や我々にどのような影響を与えるのかを解説している本
    単に変化を解説するだけではなく、既存のものも解説されているので宇宙というものに興味を持つのに良い内容となっている。

  • ふむ

  • 科学的な解説と、挿入されるフィクションの部分がそれぞれ良いです。

  • 「月が無かったら」、「月と地球がもう少し近かったら」、「太陽がもう少し大きかったら」、「地球と太陽の距離がもう少し離れていたら」等々の思考実験の中で、どのように地球環境が変化し、それにより人類や、生物がどのように影響を受けるかが詳細に語られている。単なる仮定ではなく、物理的にあり得る仮定を使用した思考実験であり、これにより現地球の環境が如何に微妙なバランスで成り立っているかを実感できる。実に興味深い。しかも最後は、「オゾン層が今の75%しかなかったら」の思考実験。これが実現するとホントに怖い。

  • また面白い題材がひとつ失われてしまった。
    本書は月がなかった世界のみならず、地球の質量が小さい場合、地軸がより傾いていた場合、ブラックホールが近づいた場合など、
    興味深い仮定から地球を再考するものであるが、
    天文学・物理学専攻の筆者一人で書かれているため、専門外の部分への考察が甘い。

    例えば生物については『非常に複雑である。ここから先は読者にまかせて、生態的地位について考えてみたいと思う。』と丸投げされる。
    地学については『この世界の陸塊は巨大な超大陸を形成して固まっている。なぜなら地球の大陸もひとつの超大陸を形成していたからである。』と、常に移動していることも考えずに大陸は固定したものと考える。
    進化については『酸素が少ないと肺が小さな小動物が生きていくのは困難だろう。』としながら『動物は物理的に大型になり、肺をふくらませる筋肉はより強力になる。』と、どういう進化を思い描いているのか意味不明になる。

    こうも怪しい記載が多いと、専門の天文学の分野についても疑いの目を持たざるを得ない。
    テーマは面白いだけに、残念ながらもったいない一冊。

  • WHAT IF THE MOON DIDN'T EXIST?
    ......Voyages to Earths that might have been ―
    http://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/76113/

  • 『もしも月がなかったら?』この問いに始まり、地球とそこに住む人類を含む生物が、現在と異なる仮想の状況に置かれたとき、何が起こるのか、人類は生き延びられるのか、等といった問いに答えていきます。

    すべて仮想の話ではありますが、月と地球をはじめとした惑星間の関係性を理解し、地球の環境を構成する物質の力学的な関係性を理解し、さらには進化の帰結を想像するにはとてもわかりやすく情報が書かれていると感じます。
    個人的に天体の話や宇宙誕生の話はかなり難しく感じ、苦手なジャンルですが、それでも飛ばしながら面白く読めたので、続編も読んでみようと思います。

  • とても斬新な、ファンタジーのような、それでいてリアル感のある内容の本です!
    マニアックとかそんなことは全然なく、例えば月が大きすぎたり、離れすぎたり、「もし月がこうだったら地球はどうなっていたのか」そんな仮定に基づいて話が作られているのですが、本当に細かく分かりやすく想像力を書きたてられます!
    ただ、ずっと読んでいくと疲れて眠くなります(笑)

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