アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア) (ミステリ・フロンティア 1)
- 東京創元社 (2003年11月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488017002
感想・レビュー・書評
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琴美とドルジと河崎、途中参加の椎名。
現在と二年前の物語が交差しながら少しづつ絡み合って繋がっていく。
伏線が回収され謎が解けて行く爽快感と、予感はあったけど結末の内容とで、読み終わりは複雑な気持ちだったけど面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前半は物語の全体像が見えにくかったので、読むのに時間がかかりましたが、後半からは怒涛の展開で一気に読めて面白かったです。
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大好き。
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すっかり気に入った伊坂作品。本作は吉川英治文学新人賞受賞作。
題名の謎さ加減も相変わらず。
引っ越した初日、いきなり隣人に「本屋を襲わないか?」と持ちかけられた青年・椎名。
「河崎」と名乗る隣人はいったい何が目的なのか…?
という◇現在◇の章と
ペットショップで働く琴美、同居人のブータン人ドルジ、琴美の以前の彼氏である河崎。
この3人と“ペット殺し”という事件との物語を描いた◇二年前◇の章が
交互に登場する。
はじめは全く別の世界で展開されている2つの章だが、
「河崎」「ペットショップの麗子さん」「ブータン人」という所で徐々に話がリンクしていく。
「現在」の章では椎名の周辺で小さな事件(教科書が無くなったり、ネコの尻尾にくじが結ばれてたり)
が起き、河崎の奇妙な動きとあわせて展開される。
「二年前」の章では琴美とドルジがペット殺しの犯人グループと、ひょんな事から出会ってしまい
河崎を巻き込みながら物語が進む。
どちらの章でも河崎がキーになるのだが、ここが伊坂幸太郎の上手い所なのだろう。
敢えてネタバレはしない。読んで欲しい。両方の章の物語の繋がり方も絶妙である。
伊坂幸太郎の書く本は、いずれも会話のテンポが良い。不思議でもやもやした部分を残しながらも
どこか爽やかな印象がある。
また、物語が最終的にキッチリまとまるのが素晴らしい。
作品中で提示された謎や前フリがすっきりと収まるのである。パズルに一欠片の過不足も無い。
この作品、ラストで何とも言えない寂しさに襲われる。
軽快なテンポで独特の世界を作り出してきた、主役とも言える3人の物語が
一つの終わりを迎えるからである。
楽しい物語が寂しく終わる、そんな切なさがあった。
一つ言えるのは、ブータンに生まれ育ってみたいという事だ。
伊坂作品は更に読み続けるだろう。4.5点。
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どの作品だったか忘れたけど、学生時代に伊坂幸太郎を読んで、なぜか苦手意識を持ってそれ以来読んでなかったのですが…
ふと、思い立って読んでみたら、面白いじゃないか!
大人になったのねわたしも。
学生時代は古典と純文学ばっか読んでたからかな…
ミステリーのようでミステリーじゃないような、
素敵な物語でした。
2年前と現在が交互に描かれているのも、読みやすくて気に入った。 -
この本が凄く気に入ったので、映画も見てみました。映画ではカットされている部分が多々ありましたが、やはり面白い作品です。
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後半の展開が見事。伏線が随所に散りばめられていて繋がっていく様は壮快だった。ミステリーってこれやねって思った。図書館本だが買って置いても良いかな…。
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広辞苑を盗むために本屋を襲う。裏口に立っていれば逃げられない…この伏線が最後まで…。何で椎名も初対面の河崎にノルんだ?と謎でしたが、これは面白い♪伊坂さんも冊数を重ねてきましたが、この点と点が繋がっていく快感は病みつきです。ドルジと河崎に振り回されました。琴美さんは好きなキャラだったのでかなり悲しかったですが…。ロッカーにたどり着き、ボブ・ディランが流れるシーンは何故か青春を感じ清々しい気分になりました。決して全体は明るい話ではないのに不思議♪まだまだ読めていない伊坂さん作品が多々。この先も楽しみです。
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内容の重さを感じさせない軽妙な語り口はこの作品の魅力の一つだと思いますが、それでも緩和しきれない哀切さが残る物語でした。
ブータンの思想(特に死生観)も興味深く、命の捉え方は様々なんだなぁ、などと今更ながらに感じます。
ちょっと不思議なタイトルの意味も、最後まで読めば納得です。 -
英語を必死に勉強したい。
それこそ、死ぬ気で。
やればできる。
でも実際は全然できてない。
「それって恰好悪くない?」
「ダサイと思うよ、それ。」