アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア) (ミステリ・フロンティア 1)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488017002

感想・レビュー・書評

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  • 「三人には三人の物語があって、その終わりに君が巻き込まれた。」

    主人公が物語を俯瞰でみてストーリーテラーをしている作品はよく見るけど、本当に物語に関係ないっていうのも珍しい。笑

    2年前の「わたし」と現在の「僕」、2つの視点で話が進んでいく。

    全てがわかったとき、なるほどー!すごい!すっきり!ってなるけどそれは一瞬で、同時にドルジの悲しみと喪失感の深さを思って切なくなる。
    2年前からずっとエンドロールをさがしていたのかな。1人になって、思い出と3人で撮った写真を抱えて、何を考えていたんだろう。「神様を閉じ込めた」のは「悪いこと」をした自分はもう2人には会えないかもしれないと思ったから?見て見ぬふりをしてもらってまた生まれ変わった世界で一緒にいたかったから?

    ちなみにすごく好きな感じなのに☆5つにできないのは琴美に共感しきれないからで。
    ペット殺しにいらない啖呵切るし脅されても誘拐されかけても警察に言うの渋るし。勇気とか負けず嫌いじゃないだろ、バカなの?と。琴美の暴走で事態が悪化してる気がする。。
    琴美の年齢設定がもっと下か、それかもう少し深くキャラを掘り下げる描写があったら変わったかな。そこが残念。

  • 印象的な言葉とか考えさせられることも多くて面白い!
    ・・・んだけど、好きとはいえないこの感覚。
    そう感じる理由は分かってるんだけれど。

  • 久々凄い勢いで読み終わった。
    広辞苑になんの意味?
    ドルジと琴美どんな関係?
    と、ボーッと読んでいたら、
    時間差の2つの物語がどんどん重なり。
    若者の軽薄な残虐行為に苦しめられ、
    恐怖に恐れ、どん底の悲しみを味わう。
    ドルジが鳥葬?で残虐。
    凄く分かる気がする・・・
    それほどまでに、深い。
    悲しみ、憎しみ。
    伊坂先生の作品は、悲しみが深い。
    そして、最後に子供達がレッサーパンダを捕まえた。ところとか、やられたぁ。
    涙出そうなったもん。
    ほぼ、100点。
    なぜほぼかというと、配役イメージが、映画での役者さんイメージで読んでしまってたから笑

  • 2016年4月22日読了。過去と現実が少しづつ近付いて来て最後に全てが分かる。そっちは予想してたけど、そーきてさらにそーだったのかーって感じ。すっかり騙されたけど非常に心地よい。ブータンってホントにそーなのかなぁって興味が湧いたので、調べてみよう。
    そしてまた読みたい。

  • おもしろかった。途中のトリックに全く気づかず、素直に読んでいたのでビックリ。なるほどーと思ってしまった。
    話は重くて暗いけど重力ピエロよりは好き。

  • 2016年読み始め本で、初"伊坂幸太郎"さん作品。

    人気作家さんということで期待していたのだけど面白いと感じられなかったな。

    河崎の正体も「ふーん」という程度でさほど驚きがなかった。
    ただ、彼女の結末は少し驚いて悲しかったというのが印象に残った

  • 久しぶりの再読。
    こんなにも切なかったのかと突き刺さる。

    椎名が感情移入しない辺りがとても好き。
    彼も彼で主人公であり、それが自分に重なる感じがとても良いと思う。

  • 再読2015.7.13読了

  • かなり前に一度読んでいて、よく出来た話だと唸ったし、とても楽しんだのだけど、読後感がすっきりしなくて再読を避けていた。
    もう一度読んでみる気になったのは、本作は村上春樹の「パン屋再襲撃」を意識しているに違いないという感想がネットにちらほらあり、どうだったか気になったのだった。
    それについては、言われてみればそうかもと思うし、パン屋以外にも動物を盗む(いなくなる)エピソードは「象の消滅」、尻尾の曲がった猫は「ねじまき鳥と火曜日の女たち」から拝借しているようにも取れる。
    オマージュなのか読者の勘ぐりすぎなのか、私には結論は出せないが、もしオマージュなのだとしたら不要だなと思う。
    襲撃については、「パン屋再襲撃」は全くその行為が無意味だからこそ成立する話であって、そこを変えるのはどうかと私は思う。
    後の二つについては、遊び心というにはそこそこ意味ありげに使われていて、それは虎の威を借る何とやらでは、と感じてしまう。
    いや、結論は出せないのだけど。
    そしてやっぱり今回も、読んだ後にもやもやした…。
    私が単純なのもあるし結局好みの問題なのだけど、こういう、人物の心理より動きのある物語に重きをおく小説では、ある程度は勧善懲悪が好きだなぁ…。

  • 伊坂幸太郎さんは、小説を使ったトリックの天才だと思う。
    オーデュボンの祈りでも、やられた!と思ったけど、他の作家さんが使わない技法をうまく使って、ミステリーをより鮮やかに表現している気がする。
    読み解くうちに、最終的にはこうなるというオチはある程度想像できるけど、その前にある大前提でうまくトリックに嵌められる。
    他の小説も楽しみにしていよう。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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