本バスめぐりん。

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027674

感想・レビュー・書評

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  • 移動図書館。
    できすぎた話ばかり。
    図書館を利用するが、現実にはそこに物語は期待しない。手弁当では継続が難しいような。人の善意がどこまでのものか。同じくらい悪意もありそう。

  • 【感想】
    ・調べてみたら近所に移動図書館の巡回場所がいくつかあるので、寄ってみたくなった。
    ・大阪市にはBM所属の本がある(その本を普通の図書館から予約することも可能)が他所はどうなんやろう? 本館の本を適宜持っていくんやろうか。
    ・誰それが何を借りたとか、フライバシーやかましくなった昨今、そんな話を気楽にしててええのかなとも思ったが、職員間の話では普通にあり得るやろうなとは。

    【内容】
    ・移動図書館のお仕事小説、かすかにミステリ風味。
    ・うっかり移動図書館の本に大事なものを挟んだまま返却してしまったという訴えに、その本を次に借りている人に聞いてみるが要領を得ない。何か知っているようだが?
    ・少子高齢化で利用者が減り廃止を取りざたされている高級住宅地のステーションを存続させるため近くの保育園の子どもたちを呼ぼうという意見が出るが、かつて住宅地と保育園には軋轢があった。
    ・ビジネス街のステーションで常連になった若い男性のことがウメちゃんは気になるようだが彼は始終ある方角に目を向けているようだった。
    ・宇佐山団地の美少女がいきなり泣き始めオロオロする周辺にいたみんな。
    ・市民祭りへのめぐりん参加が決まり準備が進む中、めぐりん運転手の接客へのクレーム葉書が届き狼狽する照岡。


    ▼簡単なメモ

    【アカネ】トーマスの恋人。名のみの登場。
    【杏奈/あんな】ある日突然泣き始め周囲をオロオロさせた美少女。宇佐山団地に最近引っ越してきた宇佐中の生徒。当初は子鹿のようにおどおどしていた。父子家庭のようだ。
    【宇佐山団地】種川市内で最も古い公団住宅。少子高齢化の問題はここでも。
    【梅園菜緒子/うめぞの・なおこ】主人公の相棒。司書。二十代半ば。体育会系というより運動部系の元気な女性。ただ、ちょっとガサツで性急。「ウメちゃん」と呼ばれるようになる。
    【榎本賢一/えのもと・けんいち】照岡のかつてのクラスメート。やはり定年退職して移動図書館の手伝いをしている。照岡は彼の仕事を引き継いだ。
    【大島】寺沢さん好みの本を先に借りていくことがある利用者。
    【聡子/さとこ】久志の妻。全人類と自分一人を同列に扱う。
    【立川】北部ステーションを利用している人。玩具会社勤務。
    【種川市】横浜近隣の小都市。中央図書館と七つの分館がある。
    【たんぽぽ保育園】殿ヶ丘にある保育園。そこの子どもに借りてもらえれば利用実績が上がると思い立つが若林はダメと言う。どうやらかつて地元との軋轢があったようだ。
    【寺沢】利用客の一人。本だけが友だちの一人暮らしの女性。同じ日に二ヵ所のステーションで閲覧し一ヵ所だけで借りていく。コージーミステリが好み。
    【照岡久志/てるおか・ひさし】主人公。定年退職した後移動図書館の運転手兼雑用係となった。サラリーマンとしてはそれなりの地位まで登ったもよう。「テルさん」と呼ばれるようになる。
    【トーマス】ニュージーランド出身。宇佐山団地在住。
    【殿ケ丘】閑静な高級住宅地。少子高齢化で人口が減り移動図書館の利用者も激減している。ステーションの撤廃も取りざたされている。
    【ノアちゃん】寺沢さんと親しくなった女子高生。
    【野庭悦司/のば・えつし】北部ステーションの利用者。大手玩具メーカーのミツバシと取引がある企業の社員でよく派遣されてきている。二十代後半でイケメンだが、まあ普通の好青年。ウメちゃんは彼が気になっているようだ。
    【浜口】北部ステーションでの利用者。巨漢で夏はアロハシャツ。ミステリやSFご好きでSF作家になるのが夢だったとか。野庭の取引相手の社員。
    【藤ケ谷】北部ステーションを利用しているOL。二人目を出産予定。いろいろ辛い目にあっているようだ。
    【北部ステーション】ワーキングエリアとして設定され企業が集まっているビジネス街にあるステーション。
    【三浦】殿ヶ丘ステーションの熱心な利用者でいろいろ手伝ってくれたりする。
    【みっちゃんorみつさん】金田光代。宇佐山団地のステーションの常連。団地居住歴三十五年。団地内の「歩こう会」副会長。
    【みやちゃん】北部ステーションでの利用者。カフェのウエイトレス。転職を考えている。
    【宮本杏奈/みやもと・あんな】→杏奈
    【めぐりん号】移動図書館。市内十六か所を二週間かけて回る。普通免許で運転できる。大丈夫なの?
    【元教授】殿ヶ丘に暮らす白髭の元大学教授。美術史家。
    【森さん】北部ステーションの近くに店を出しているシチューの移動販売車「森のシチュー屋さん」の人。
    【若林】利用者のひとり。

  • 軽く読めるお話だった。
    移動図書館の利用者は良い人ばかり。みんなとっても協力的だし。
    でもそのお手伝い、本当に大丈夫?
    図書館って究極の個人情報の宝庫だと思う。
    どんな本を読んでいるかってその人の思想信条にリンクする情報だと思う。
    良い人ばかりが出てきてほんわかとした移動図書館の情景が描かれているが、ちょっと危なかない?
    それ、いけないよ、と突っ込みたくなる場面も多々あった。
    続編も出ているようだ。
    気になるので読んでみようっと。

  • 大崎さんの、こういうお話大好き。うちの近所も、図書館バスがやってくる。図書館っていいよね。

  • 移動図書館って本物を見たことがないから見てみたいな。
    利用者の好みに合わせてちょっとずつ選書が変わるなんて
    棚を眺めるだけでも楽しそう。

    全体的に嫌な気持ちのまま終わる話もなくて
    元気のないときでも楽しめそうな本。
    杏奈ちゃんがもし美しくなかったら、学校でも外でも
    こんな風にならない可能性もあるのでは、という点だけ
    (そんなことはないのかもしれないけれど)ちょっとなんとも言えない感じがした。

  • いやー、ハートフルだった。ほんとこの人の話は心温まる。本がらみの話だし。今回は移動図書館・本バス・めぐりんのお話。憧れの移動図書館。司書のうめちゃんが図書館でたくさん本を借りて、気に入ったのをたくさん買って、たくさん読んでくれと言ってたというのが、胸に痛い。本を買わず、図書館ばかりでごめんなさい。最初の読書だけが友達、という人に非常に共感できる。私もこんな出会いをしてみたいものだ。やっぱ私も図書館で働いてみたいなー。

  • 必ず決まった日時に決まった場所へやってくる移動図書館というのは利用者との距離が近い印象を受けました。実際に利用したことはないのですが、興味がわきますね。移動図書館「めぐりん号」を担当する司書のウメちゃんと、運転手のテルさん。二人のコンビネーションがとても好ましく、微笑ましいです。

  • ずいぶん前だけど 移動図書館を利用してた事があって 懐かしくて 手に取った。
    …でもちょっと残念な感じ
    文章が読みにくい 内容もあまり面白くない

  • あまり人と作品の感想を共有するのは苦手だけれど、この本は誰かと語り合いたいな。
    私は本が好きだし本当は誰かと好きなことを分かち合いたいのだと素直な気持ちに気づかされました。
    本だけではなく出会いも運ぶ素敵な存在、本バスめぐりんに感謝。

  • 最初から最後まで、ふんわりあったかい柔らかなお話やった。
    身近に移動図書館がないので見たことないが…!!通ってみたい!!
    すごいなぁ。
    図書館が近くになくても本と出会える機会を作ってくれるなんて、本当に素敵!!

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著者プロフィール

大崎梢
東京都生まれ。書店勤務を経て、二〇〇六年『配達あかずきん』でデビュー。主な著書に『片耳うさぎ』『夏のくじら』『スノーフレーク』『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』など。また編著書に『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』がある。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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