本バスめぐりん。

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027674

感想・レビュー・書評

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  • どうして忘れていたんだろう。
    私と図書館の本との出会いは、まさにこのバスの様な
    移動図書館だったことを!
    毎週金曜日、移動図書館が来るのが楽しみでしょうがなかった頃のことを。
    ページをめくりながら、バスの色や借りた本のことなど
    ポロポロと思い出がよみがえって来ました。
    本を貸し出す側の人たちが、利用者の事をこんなに温かい目でみてくれていたのだとしたら、
    毎回大好きな絵本を借りられるのがうれしくてたまらなかった当時の私の事を
    見守ってくれていた人もいたのかな。
    懐かしくて心がホワンと温かくなる物語でした。

  • 移動図書館のお話。
    めぐりん見てみたい。そこから紡ぐつながりいいですね。

  • 見守る、信じて待つ、に関するテルさんのコメント、しみじみ心に持ちました。

  • 題名に惹かれて図書館で何気なく借りました。
    借りて良かった!!
    久しぶりにほっこりする温かいお話に出会えて嬉しいです^_^

    人と人を繋ぐ場所って素敵だなぁ。
    うちの近所にも移動図書館来て欲しいなぁと思いました。
    何より主人公達の人柄も好きです。ほんと、ほっこり。

    最近このシリーズの第二弾が出たということなので、ぜひそちらも読んでみたいです^_^

  • 今度の舞台は、移動図書館。

    サラリーマンをリタイアしたテルさんと、元気溌剌な司書ウメちゃんが良いコンビです。
    テルさんの奥様の聡子さんがこれまた、とってもいい味出してます。

    小さな謎解きのコージーミステリーというのをはじめて知りました。

    バスがめぐる町の5つのお話、どれもふんわり優しくて、本が大好き!が溢れています。
    軽いタッチで短編なのであっという間に読み終わってしまいますが、あちこち深いなーと感じるとこもあって、こういう本はやっぱり好きです。

  • 移動図書館を描いた連作短編集。定年退職後、移動図書館の運転手を始めたテルさんと、若いけどしっかり者の司書のウメちゃんが、移動図書館の出張先「ステーション」で起こる日常の謎を明かしていくというもの。そんなに難しい話でもなく、どこかほんわりとした印象。

  • 「めぐりん」という言葉に親しみを覚え、地元図書館の特集コーナーにてつい手にとった本書。
    このめぐりんは、移動図書館。
    約3000冊の本を載せ、種川市内をめぐっている。
    場所や時間などに応じ、少しずつ違う本を積み、定年後の再就職運転士、久志と司書の菜緖子の2人でぐるりと市内をめぐる。

    物語自体は日常の謎。
    本の話と謎解き。
    うーん、我が図書館、やってくれるじゃないの。

    物語は5篇。
    好きな物語は、「気立てが良くて賢くて」。
    訪問先を減らすため、その検討にあがる住宅街は、多分に漏れず、高齢化が進んでいる。
    造成当時は、声の大きい人もいて、安住の地を奪われまいと必死だった。
    近くにできるはずの保育園も迷惑施設として猛反対。
    せめてめぐりんを使わせて、と保育園から頼まれても梨の礫。
    子供たちの野外活動も規制、規制。
    それなのに、どのツラ下げて、めぐりんが来てくれなくなってしまうから、めぐりんを使ってくれませんか、なんて言えるだろうか…。
    さて、めぐりんはこの住宅街をこれからも回るのか。
    保育園児は来てくれるのか。

    心に残る言葉は、「今までを変えるのは、今までにない人材」91頁。
    優しく、温かい物語の数々に心が暖かくなる。
    冬の、ひだまりのように。

  • ▼「いっぱい借りて、いっぱい買って、いっぱい読む、これですよ。私も買ってますから。本屋さん大好きですし」(p.122、「ランチタイム・フェイバリット」)

    移動図書館めぐりん号で本を借りるようになり、小説を読むようになった野庭さん。「時間ができたときに町の書店に入り、棚や平台を眺めるのが楽しみになった」と言う野庭さんに、司書のウメちゃんはすかさず本を買うようにすすめる。

    そのココロは、「気に入った本を買って手元に置いたり、贔屓する作家の新刊をいち早く購入することで、誰でも出版界に貢献できる。誰かが支えなくては、新しい本は作れなくなる。図書館の棚も痩せ細ってしまう」(p.121)からだ。

    私の読書は、主に「図書館で借りること」と「本屋で買うこと」で支えられている(それ以外に、人からまわってきたり、もらったりが時々)。図書館が近くになかった頃には買いまくっていたこともあるが、本の置き場に困り、片づけられず、「たしか買って持ってたはずの本」が探し出せなくなったりして、図書館にシフト気味。

    とはいえ、買わないようにしていても、本を結構買っている。確定申告のときに本の領収書をひっくりかえしていて思う。この頃は、読んだ本を人にまわしてしまうようにして(それが滞り気味ではあるが)、また時々買っている。

    ジャンルや造りや値段などによって本といっても様々なのだろうが、著者(作者)が、たとえば自身のブログなどで「図書館で借りて読みましたと言われるとガッカリ」とか「買えよ!」とか表明しているのを見ることがある。

    もちろん、本そして本をつくっていく環境に対してできる一つの貢献は「買い支える」ことなのは分かる。でも「図書館で借りて読んだ」ことにガッカリするのは、ちょっと待ってほしいと思う。

    私の場合は、図書館で借りて読み、また借りて読み、そしてやはり本を買うこともあるし、図書館で借りて読んで、よかったので「これが!」と人に勧めることもあるし、自分で買って読んだあと、図書館にないのに気づくと「これは図書館にあってほしい(他の人にも読む機会があってほしい)」と図書館へリクエストすることもあるし、図書館へリクエストして入るのを待っていたが、待ちきれずに買って読むこともある。

    「本を読むこと」「本を買うこと」「本を借りること」はぐるぐるとつながっていると思うから、ウメちゃんの「いっぱい借りて、いっぱい買って、いっぱい読む」は、うれしかった。

    大崎梢の小説は、本屋モノ、書店営業モノ、出版社モノなど本にまつわる話がかなりある。そっちもまた読みたいなあと思い出す。

    (2018/5/24了→6/6再読)

    大崎梢『本バスめぐりん。』
    https://amzn.to/2luqo6v

    過去ログ
    『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』
    http://we23randoku.blog.fc2.com/blog-entry-4802.html
    大崎梢『クローバー・レイン』
    http://we23randoku.blog.fc2.com/blog-entry-4505.html
    大崎梢『プリティが多すぎる』
    http://we23randoku.blog.fc2.com/blog-entry-4445.html
    大崎梢『背表紙は歌う』
    http://we23randoku.blog.fc2.com/blog-entry-3573.html
    大崎梢『平台がおまちかね』
    http://we23randoku.blog.fc2.com/blog-entry-357.html

  • 定年退職した男性が、知り合いの紹介により、移動図書館の運転手となる。畑違いの仕事に最初は戸惑いを隠せなかったが、相方の女性司書とともに、移動図書館での仕事や利用者さんとの関わりや利用者さんに関わる謎を解いていく内に、思いやりある周囲の方々、司書に支えられ、仕事に誇りを持てるようになった姿が良い。定年間近に世代の違う人との関わりについて悩んだりしたが、エンジニア時代に培った対人スキルと、司書の心温まる一言、移動図書館の認知度を高めたいという思い、利用者さんとの本などの話で交流を深めるのが良い。

  • 本屋さんを舞台にした成風堂シリーズの著者の最新作は移動図書館!

    人生の酸いも甘いも噛み分けた?テルさんと、元気いっぱいの司書ウメちゃんのコンビが、移動図書館で体験する謎を解く!

    本を介して人と出会ったり、めぐりんに置かれた紙袋の謎や、「モモ」を見てなぜ女の子は泣いたのか・・。土地も違えば利用する人も違う移動図書館の醍醐味を味わえます。正に一期一会な物語です。

    また、テルさんは年齢を重ねただけではなく、サラリーマンの世界を体験しているからこそ、謎の裏に隠れた人間の心や苦しさ(失業したり、妊婦が会社で働くことの辛さ)を見れるのだろうな。違った世界に飛び込むのはとっても不安だけど、新しい価値観を持てるのが良いところ。色んな人がいるっていうことを知るのはだいじですね。

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著者プロフィール

大崎梢
東京都生まれ。書店勤務を経て、二〇〇六年『配達あかずきん』でデビュー。主な著書に『片耳うさぎ』『夏のくじら』『スノーフレーク』『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』など。また編著書に『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』がある。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大崎梢の作品

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