たかが殺人じゃないか (昭和24年の推理小説)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488028107

感想・レビュー・書評

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  • 2020.1.18
    読了

    時は戦後、昭和の名古屋。
    時代のギャップがあるものの、
    読み進めるにつれて引き込まれる。

  • 私には読みにくいタイプの小説。
    「このミステリーがすごい2020」の1位でとても楽しみだっただけにスラスラ読めなかったのが残念。
    時代も戦後直後ということや殺人現場やトリックの情景が頭に入ってこなくて、その辺はスルーして読むしかなかった。


    でもエピローグで、ふふっとなる

  • 新年一冊目。第二次世界大戦後に男女共学がスタートした直後の話。当時を知る作者ならではのリアリティがいい。それだけでも一読の価値あり。
    上記のリアリティと対極的にトリックや密室を作った理由が荒唐無稽なところが好き嫌いの分かれるところだと思う。(特にトリックは二つとも実行不可能と思われる要素が含まれていたように思う)大がかりなトリックは好きだが「本陣殺人事件」のように、恐ろしさの中に美しさ雅さが漂うものであれば星五つだった。

  • 息をもつかせぬ、という感じではないが隙のないストーリー展開、謎解き、そして最後3行の意表を突いた伏線回収。

    このミス一位も納得。

  • このミスや早ミスで一位になっているのを見て読んでみた。戦後の時代背景が詳細にわかりやすく書かれていてその時代を経験していない私でも物語の世界に比較的容易に入り込むことができた。戦後の日本人の価値観や考え方は今とは全く違っていてそこも興味深かった。犯人はなぜ殺人を行なったのか…悲しかったー最初と最後の遊び心もマル。

  • 戦後の傷跡の残る中、高校生の青春ミステリー。当時の生活も細かく描写されており、楽しく読めた。戦後ミステリーものでは、松本清張や横溝正史はよく読んだが、この作品は個人的には新鮮な感じでした。

  • 辻さんの作品は45年くらい前から読んでるが、軽い話っていうイメージが強かったので、結構前半は鬱陶しかった。で、中盤からようやく話に入り込めた。最後に納得はしたね。那珂一兵シリーズの2作目なのね。しかし、辻さんもまもなく90歳か。すごいなあ~

  • 昭和24年、戦後間もない名古屋。去年までの旧制中学5年生の生活から、試験的に導入された男女共学の新制高校3年生に通う、勝利少年。
    女子に内心ドギマギし、実家の老舗料亭は区画整理で取り壊しの予定、憧れて始めた推理小説の執筆も進まず、悶々と過ごす。
    そんな彼の前に殺人事件が。

    男女共学に生徒も教師も戸惑う空気。
    上海帰りの女生徒の艶かしさ。
    友人の西洋映画かぶれ。
    軍国のカケラの残る警察に地方名士たち。
    真夏の茹でる息苦しさ、嵐の夜の悪夢。
    こういう戦争の描き方、読ませ方もあるんだなー。
    犯人は割とすぐにわかってしまうし、トリックも強引な気もするけど、少年少女の鬱々とした、やるせなさ、ささやかな楽しさが伝わってきて、切なくも爽やかな余韻。
    タイトルの台詞、いつでるのかとハラハラしてたけど、出て欲しくないところで、やっぱり出てしまった。
    そして、ラストシーンに思わずニヤリとして、一頁目を開いてみる。

    「憲法で戦争を放棄しても、戦争は日本を放棄してくれないのか」

    前作は明智くん色が強かったけど、今回は金田一っぽいかな。

  • タイトルに込められた意味、出だしとエンディングの結びつき方、本当にうまいなぁと思いました。
    文中で語られる当時の様子も興味深いし、特に映画の事などは映画好きにはたまりませんでした。

  • ミステリー3冠に惹かれて読んだが、期待が大きかった分評価が低くなったかもしれない。戦後間もない頃の情景や世情が目の前に広がる見事さは、さすがだと思う。女性が苦難に身を投じなくてはならない状況は、昔読んだ武者小路実篤の小説を思い出した。二つの殺人事件の謎解きのうち、どのように行われたかについてはちょっと無理っぽさを感じたが、なぜの部分は、時代背景も含め違和感はない。登場人物たちは、皆個性が強いが、特に、メインの高校生たちは、この時代にこんなに芯が強くて考え方も進んだ少年少女もいたんだと思わせるキャラクターだった。

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著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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