たかが殺人じゃないか (昭和24年の推理小説)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488028107

感想・レビュー・書評

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  • 最初は淡い青春物かと思うストーリー。なかなかトリックが明かされず最後に一気に。ミステリーというか戦後の混乱期の雰囲気も感じられるお話でした。

  • ミステリランキング3冠ということで、つい購入。
    タイトル通り、戦後間もない昭和24年に起きた2
    つの殺人事件を描く。できたばかりの共学。その推理研究会と映画研究会のメンバー5人と顧問の先生が遭遇したのは、1つは密室殺人、もう1つはバラバラ殺人。どちらも不可能犯罪に見えたのだが…。
    しかし思わせぶりなところが随所にあるなと思ったら、これシリーズの第2弾なのね。本筋に関係ないところで翻弄された。笑
    ラスト1ページを読んだときは思わず顔がニヤけた。これだよなー、ミステリのすてきなところは!
    3冠をとるほど大好きかと言えばそこまでではないけど、でもシリーズ前作も買う!

  • 2020/12/20読了

  • 2021年版『このミステリーがすごい!』、2020年『週刊文春ミステリーベスト10』、2021年版『ミステリが読みたい!』と、3つのミステリーランキングで堂々第1位を取った傑作!と言う謳い文句に釣られて、図書館にあったこの本を借りた。
    確かに面白かった。但し推理とかトリックとかいう、いわゆる推理小説的内容がではなく、敗戦後の混乱がまだまだ続いていた頃の昭和の雰囲気がよく伝わってきたし、その雰囲気の中で個性豊かな主人公たちが、青春のど真ん中を自分なりの感情、感覚、正義感を持って生き、行動していく姿が面白かった。
    それにしてもRAAなんて、この小説を読んで初めて知った。本当に時代が時代だとしても馬鹿げた政策が実際行われていて、馬鹿げた思想がまかり通っていたのだなと思った。勿論、私がこの小説を読んで感じたことであり、他の人たちの考え感想は違うかも知れないし、当時の人たちの実際の思い考え方は分からないけれども。
    とにかく私的には、時代背景や登場人物の個性がよく描かれていて、怒りを感じたり泣きそうになったりして面白く読めた。
    ただ推理小説として読む場合、「密室殺人事件」のトリックは理屈では不可能ではないし、密室の理由もトリックとの組み合わせではそうなるだろうと思える。「バラバラ殺人事件」も同様でトリック、その理由は理屈上分かる。が、まぁ実際は無理だろうとも分かる。私の個人的感想だけど、推理小説で描かれている犯罪って現実的には不可能犯罪が多いよなぁと思う。つまり推理小説としてはトリックの方法は別としてありふれた内容だと思う。
    まぁ、私は推理小説好きだから面白く読めました。「名探偵○○○」も好きだし、「真実はいつもひとつ」と言う決め台詞も好きだし。

  • 昭和の
    と言うより戦後ミステリ

    戦中や敗戦直後、それから復興計画
    地方都市の様子
    貧しくなった国、その中でも必死に生活し社会と文化を保つ人々

    子供が映画や小説に触れられる文化的社会だったかどうかは分からない
    祖父母に聞いてた感じではもっと貧しかったイメージだったから
    随分愛知の都市部はお金があったんだなーと言う印象だった

    明るく楽しい思い出ばかりじゃなかっただろうし
    令和向けにかなり緩く書いてある気もする

    そのお陰か十分にイメージして雰囲気や空気を味わう事ができた


    高校3年生って古今東西やっぱり「若者」なんだなーと思えた

    色んな事に一生懸命で、友達と語り、家族に庇護され、自分の未来を選ぼう、切り開こうとする若者

    主人公が異性を意識する時の表現が「昭和24年」とされればすんなり読める
    平成や令和の高校生だと思うとちょっと気持ち悪いと言うか、浮いてる感じ
    なので主人公の感覚も昭和24年だし、その表現も24年 とても良い





    読み進めるにつれてその「昭和24年」の小説と言うのも忘れてしまうくらい



    そして最後の最後に「そっか……戦後すぐの話だったのか」と現実に引き戻された

    多分このミステリが評価されるのってここだと思う

    戦中の常識をやっぱり令和には持ち込み切れない
    その感覚を物凄く上手く利用した叙述ともいえるミステリだと思った


    しかもこれシリーズでもう次まで出てるとかマジか
    勿論読みたい

    一兵探偵の少年時代も、勝利たちのその後の話も楽しみ

  • おもろしかった

    犯人はすぐに分かる
    謎解きは「名探偵コナン」くらいの説得力 

    いろんな小道具、伏線を張ってきれいに回収するストーリーはとても楽しめた
    ロッキングチェアは関係なかったのか。。。

    終戦4年後の戦後の雰囲気はよく分からないけど、こんな感じだったんだろう
    横溝正史、江戸川乱歩、松本清張などの作品の雰囲気よりも明るく感じられた

  • 昭和が舞台なので、現在とは違った考え方が知れた。

  • 昭和、終戦前後を舞台とした話。犯人も、話の流れも何となく分かってしまうので、推理小説としては少し物足りない印象。また、昭和が舞台となっているので、現代の感覚で読むと一部不快に感じる表現もあるかもしれない。ただ、それはある意味、「古き良き」とされる昭和を美談のように語らず、当時の腹黒い側面をよく描いているとも言える。話としてはよく纏まっている。

  • 昭和24年、男女共学の新制高校3年生になった主人公が殺人事件に巻き込まれる。

    当時の時代感が伝わってきて、とても好み。そしてラストの回収、悔しいと思いつつ最後まで引き込まれて楽しめた。
    前作は未読なので読んでみたい。

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著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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