たかが殺人じゃないか (昭和24年の推理小説)

著者 :
  • 東京創元社
3.32
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本棚登録 : 1857
感想 : 212
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488028107

感想・レビュー・書評

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  • しまった、シリーズ2作目から読んでしまった。

  • 時代の証人である著者だからこその設定のリアリティに、それを裏付ける参考資料の多さに驚嘆。
    その一方で王道ど真ん中の推理小説に仕上がっていて、ジュブナイルタッチの読みやすくほろ苦い青春小説でもあるわけで、今までの作品もそうなんだけれど御年90付近の作風としてとにかく若く現代的なものだから、そこにもびっくり。

  • 犯人はおまえだ!

    この一言で全て解決。
    戦後日本の時代の雰囲気に学生生活をトッピング。暗い話になりすぎず、最後までワクワク読ませてもらった。

  • 評価ほど悪くは無いか・・・
    言葉尻に歴史を感じるが、昭和24年の話なので、違和感はそれほど大きくなかった。
    ただ、登場人物の表現が、名字や名前やあだ名や「少年」と、使い分けてる意味が全く判らず、前半かなり読みにくかった。使い分けの理由があるのなら教えて欲しい。

  • まだこういうコテコテの推理小説てあるの
    だなあ、が第一印象です。

    しかし舞台は昭和24年です。作者も実際に
    その時代の空気を知っているからこそ、リ
    アリティを持って描かれているのだろう。

    トリックの中身や質はここでは置いておき
    ますが、読み物としては楽しめます。

    冒頭のシーンが思わぬ形での伏線になって
    いるあたりは、伊坂幸太郎を彷彿とさせる
    一冊です。

  • ものすごく語弊があるかもしれませんが、

     殺人が発生する「古典部」シリーズ・戦後風味

    という感じの読後感でした。

    本筋とはあまり関係ありませんが、
    学園祭での「春歌」による暴力ともいうべき蛮行と、
    それを黙認(または奨励)するかのような大人たちの態度に、
    吐き気がするほどの嫌悪感と憤りを覚えました。
    どんな時代背景があろうと、
    これが容認されるような社会は絶対に間違っている。

  • 登場人物の名前が、あだ名だったり、名字だったりして統一されていないところが少し読みにくいと感じた。
    トリックや謎解きの部分はあっさりしていて、ミステリーというより戦後の様子の描写を楽しむ本だと思う。

  • 昭和24年GHQの戦後復興政策で男女共学 小中高制が開始された初めの年に高校三年生として就学する若者の姿を描く青春本格ミステリー

    焼野原で地獄絵図を見た彼らだが若いエネルギーに圧倒されます

    復興途上の名古屋の街並みを知る史料としても貴重な作品です

  • 21/10/15読了

  •  昭和24年の名古屋の高校を舞台にしたミステリ。
     ミステリ作家を目指している主人公の高校生は、推理小説研究会で行った合宿先で密室殺人に遭遇し、さらに台風の廃墟で首切り殺人に巻き込まれる。
     戦後まもない復興真っ只中の日本のゴチャゴチャした状況と、バンカラでウブな高校生たちの青春謳歌は読んでいて懐かしさを感じる。途中で「読者への挑戦状」ならぬ「読者への質問状」もはさまっており、最後に登場人物を全員集めて真犯人をあてる、というスタイルも王道のミステリらしくて楽しめた。作者が思いきり懐かしんで楽しんで筆を走らせているのがわかるが、同時にタイトルに込められた悲哀というか皮肉も感じとれ、そういう時代を生きた人だからこそ書けた作品なのだろう。
     ただ、肝心のトリックや伏線は緻密に作られていてフェアではあるものの、昭和ミステリにつきものの偶然に頼りすぎている非現実感があり、その部分まで真似しなくてもという気がした。犯人あてやトリックではなく、昭和の雰囲気を懐かしみながら楽しむミステリなのだろう。
     作者の名前は昔から知っていたもののミステリ長編をちゃんと読むのは初めてであり、いまだに現役バリバリでこのような意欲作を書けるパワーに驚いた。

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著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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