たかが殺人じゃないか (昭和24年の推理小説)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 212
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488028107

感想・レビュー・書評

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  • シリーズものらしいが、私は著者作品を初めて拝読。
    少し時代背景の記載がクドイのは気になったが、敗戦から戦後の混乱期、朝鮮戦争で戦後が転換するまでの時代を、それも名古屋近辺を舞台に描いたところが新鮮。知らないことも多くあり、その点は非常に楽しめる。犯人に意外性がなく、トリックもこじつけに近い気はするが、タイトルのもつ深い意味には納得感ある。

  • 辛い。なんとも悲しい終わり。タイトルの意味は、「戦争と比べたら」の意味。途中本編と無関係でもなくはないが、古い映画の話が多く、読みづらかった。二つの事件のトリックは説明を聞いても、滑り台と看板用算盤とスライドさせる屋根の大きさや位置関係、駐車場と穴と階段の位置関係が、残念ながら私にはイメージできなかった。青春群像のような闇市の話、学園祭の話は惹きつけられるものがあった。

  • 最後がさすがだった!
    うまいなぁ

  • 本屋大賞受賞作
    またタイトルしか知らずに読みました。
    この作品はタイトルからの期待通りの殺人があり、でも戦後すぐの学生たちの心境とかもあったりで今まで読んだことがないストーリーでした。
    それだもちゃんと殺人が起こり、謎も解いて、なかなか他にないんじゃないかな。
    戦後すぐのお偉いさんとかの、凝り固まった思考になんとも言えない気持ちにもなった

  • 2020年このミス第一位。図書館で5か月待ち。
    633制になり、男女共学になったのが昭和24年。歴史は改ざんされるから、共学になって楽しくやってるように見受けられるのだが(実は良く知らない)、実際は違ったらしい。そんな簡単に女子と話せないのだ。
    ここの書かれているのは、若かりし作者の体験や見聞きしたこと。
    タイトルは長年温めていたタイトル。何回かNGくらったので、このタイトルが生きる話にしたかったそう。
    一人殺せば殺人で、大量に殺せば英雄、みたいな言葉があったなぁ。
    改ざんされる歴史とは別に、実際はこうだったんだよ、こう感じたんだよって語って残るのが良い。
    昭和12年、36年も読みたいわ

  • 途中断念。
    中盤以降は面白くなるそうだけど、そこまで行き着けず。

    北海道とか東北とか長野とか岡山とか、私だけかもしれないけど土地に興味が持てるところと全く興味が持てない所ってある気がする。
    愛知の歴史とか地名とか全然興味持てず。

    またリベンジします。

  • 戦後のリアルな様子と当時だからこそ起こってしまった事件、いろんな状況が何とも言えなかった。そしてとても面白かった。名古屋在住としては、名古屋、愛知の歴史について知れるのも楽しかった。

  • ジュブナイルノベルの雰囲気がしていて、得意分野でないので登場人物のあだ名や文体に最初はなじめないまま読み進んだ。しかし第2の殺人が起こった辺りからはテンポの良さにほぼ一気読み。行動を見てれば犯人はわかるが、そうであって欲しくないと思う人物だった。そしてタイトルが台詞として出てきたとき、その意味の重さに愕然とした。作者が描きたかったのは、一つは戦争に纏わることだったろう。その戦争が殺害の理由にあまりにも大きな意味を与えているしかけに驚嘆と哀しみを覚えた。そして戦後を描きながら、どこかで変わらない、いや今諸々問題が顕在化している現代の日本の一部言動に通じるものも垣間見せている気がした。もう一つ作者が描きたかったのは戦後の名古屋(及び愛知県三河地方)の姿だったのだろう。学校や街の描写の細かさはそこに自分もいるかのような気になった。脚本家でもある作者の筆力のおかげか。登場人物たちが名古屋弁でなかったのは残念だったけど。

  • なんというかその当時の空気や景色がすごくイメージさせられる作品でした。
    評判通りという感じで満足。ひとつ前の作品も買いました。

  • 昭和24年の日常がとてもこまかく書かれていて、当時の雰囲気や常識がわかるのがおもしろかった。
    そういう場面描写を楽しんでいたら、意外にも(というかタイトルに推理小説ってかいてるんだけど)本格ミステリーで、そのギャップもおもしろかった。

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著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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