ケンネル殺人事件 (創元推理文庫 103-6)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488103064

感想・レビュー・書評

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  • 密室殺人事件のお話。
    古典的パズラーとしては良作だと思うが、ヴァン・ダインも6作目になって、色々と線を複雑に絡め過ぎてのではないかな?という印象。所々あまりにも突飛な話も絡んでいるのも、ちょっと、という感じ。

  • 図書館で。シジンカンに出てきた作家さんのもう一人。

    個人的には動物の方が虐待された記憶を引きずると思うので、あそこで立ち向かいはしないと思うんだけど、まぁフィクションだしなぁ。
    色々な要素が絡み合って複雑になってるけれども、煎じ詰めるとそれほどからくり自体は難しくないのかも。死んだ人間が動くというと語弊があるけれども、死に至るまで動けた、という説明の方が納得できるかな。

  • 派手さはないが、良くできたパズラー小説で、古い作品だが、今読んでも古さを感じない。
    矛盾をはらんだ、不可解な状況が次々と示されるが、真相はそれを十分に説明しており、納得できるもの。
    犯人特定や、中国人料理人がある事実を知っていたことを指摘するヴァンスの推理も論理的。
    密室トリックの方法も、図があって、わかりやすい。
    登場人物の数やその行為、ストーリーの進行、ヴァンスの捜査内容等、いずれも無駄がない(スコッチ・テリアや中国陶器のことも、真相解明に関係していた)。
    犯行が行われた図書室と、死体が発見された二階の部屋とで距離が離れていた理由は突飛だし、犯人の意図しない、複数の要因が複雑に絡み合っているので、読者には推理困難な作品。

  • 推理小説の歴史の中で、密室トリックは星の数ほど考えられて来たが、真相を知ってこれほど唖然とさせられたのは本作を於いて他にない。これを面白いと感じるか、あり得ないと憤慨するかは読者しだいだが、個人的には気持ち良く驚かされた。密室ものの歴史を語る時、同じヴァン・ダインの「カナリヤ殺人事件」には触れても本作は無視される事か多い。もう少し評価されても良い作品だと思うがどうだろうか。

  • これが許されるのであれば、なんでもアリではないか!
    それでも作品世界は好きである。ドアマス医師は今回も最高だし、ヒース部長の部下への罵詈雑言もシビれる。
    ヴァンダインで唸ったのは、今のところカブト虫殺人事件のみ、というのが悲しい。

  • ヴァンスもの。密室状態で殺害され自殺かと思われた人物の背中には、刺し傷があり、それが致命傷だということから、自殺説は否定される事件に挑む。事件内容がかなり複雑で、論理的な解釈は難しすぎるというほどこんぐらがっていましたが、最後には見事論理的になり、納得しました。ただ、なぜ死体は二階にあったのか? という疑問の答えが、こじ付けみたいな感じでちょっとうーんという感じでした。

  • 密室で死亡していたアーチャー・コウ。自殺に見えた被害者は撲殺された後自分の頭を打ち抜いたように見える。そして新たに被害者の弟ブリスベーンの刺殺体が発見される。シカゴに向い留守にしていたはずのブリスベーンの遺体発見の謎。アーチャーの姪ヒルダの婚約者レイモンド・リード。現場で発見された怪我をしていた犬。レイモンドが昔飼っていたドーベルマンの様子。

     2007年4月6日再読

     2009年2月14日再読

  • ヴァン・ダインは1人の作家は6作以上の傑作は書けないと言っておりましたが、彼はこの6作目以降から作品の質が本当に落ちてきました。
    事件には重要な意味で犬が関わっているのですが、相変わらずファイロ・ヴァンスの薀蓄は凄いです。
    今回のヴァンスは犬と古代中国陶器の事についていろいろ語っております。
    この薀蓄も楽しみの1つです。
    最後の最後まで事件の真相を明かさないヴァンスに歯痒い想いをしながらも楽しめた1冊でした。

  • 死んだはずの人間が歩く、中国製の陶器、犬の復讐

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