深い疵 (創元推理文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (521ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488276058

感想・レビュー・書評

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  • 海外の小説が苦手と言う人から、
    「だって、登場人物の名前がごちゃごちゃになって
    わからなくなっちゃう」とその理由を聞かされるとき、

    「へぇ~、ふぅん、そうなんだぁ…(わたしは違うけど~)」と
    全く心のこもらない返事をしていた事、ちょいと反省。

    今回、ドイツが舞台のこの小説を読んで、
    はじめのうち
    「これ誰?、この人誰だっけ?、んんん?この人…???」
    の連続。
    何度人物紹介の欄を見直したかわかりません!

    そのうち、刑事コンビ以外はもうわからなくてもそのうち
    わかるでしょうと言うおおらかな心でリラックスして
    読んだ、ら、上手くいったよ。

    だんだん慣れてきたら変わったドイツの名前も
    混乱こみで面白かったけれど、
    作者の方がもしかして、珍しい名前をお茶目心で
    付けていたとしても(小説にたまにそういう事ありますよね)
    全く気付くことが出来ず、そこは申し訳ありません。

    この本は、例の「海外ミステリ・ハンドブック」(早川書房)にて
    紹介されていて、
    「あ、面白そう、帰りにBBの本屋で…」と思ったけれど
    「待て待て待て待て…」と猪木さんの物まねみたいな
    もう一人の私に制され、家に帰って本棚確認、
    やっぱりもう持っていた!(なんとなくそんな気がしたの)

    ブクログの登録をみると、発売後すぐしているので
    きっとどこかで見かけて面白そう!となってさっと買った、みたい。
    (その後放置)

    主人公は貴族出身のお坊ちゃま警部と
    平民代表の部下の女性のコンビ、

    事件はホロコースト生存者の著名な老人が殺されたが
    実はその男性はナチス親衛隊だった…?と言うのがはじまり。

    わたくしの感想としては、
    ダイアナ・バーリー(アンの腹心の友)が書いた
    小説並みに人が死ぬな、ってこと。
    (『赤毛のアン』物語クラブの項参照)

    ただ、後半は夜更かしして読み上げたので
    やはり引き込まれる面白いミステリ小説と言うのはもちろん、
    なのだけれど、

    何点か疑問と言うか強引な点がいくつか…

    ①同僚ベーンケの不機嫌で不可解な行動は謎のまま

    ②偶然再会した平民代表の部下ピアの友人が不思議なほど
    捜査に協力してくれるの、何故?

    ③ある人の行動に、主人公二人は憤慨、
    私も大いに肩入れし、鼻息荒く応援していたのに
    その人が何故か突然「改心」し、
    思いっきり肩透かしで転びそうに…!
    (そんなことなら、言ってよ、言ってよ!)

    ドイツでは人気シリーズの途中の巻が日本では最初に
    発売されたとのことで、
    上記の謎も通読すれば解かれるのかも知れず。

    今では日本でも発売されているその他の巻、
    今後は、積極的に、ではないけれど
    機会があれば読むかもしれません。
    (…つまり…?)

  • 本当はシリーズ3作目らしいのだけど、日本での紹介はこれが1作目だそう。
    テーマがとても重くてセンセーショナルだし、60年も隔りがある過去と現在が絡み合う話なのに、現在だけを追いかけてこれだけ読ませるのってすごいなあ。

    内容とあんまり関係ないけど男女のバディもののシリーズって、巻を重ねるごとに、キンケイドシリーズみたいに段々2人の間に恋愛感情が…てパターンが多い気がする。オリヴァーとピアには安易にそういうパターンに陥らないで欲しい。

  • ノイハウス氏を知るきっかけの1冊。白雪姫も面白くよんだ。3冊めには今行き詰まっているけど。。。。
    ドイツ・ミステリーの深みにはまる途で出会った作者。好きです。

  • ドイツの社会において今もまだナチス時代の出来事が深い疵として残っているのはわかる。
    でも、この作品の小説としての面白さとしては…。
    ドイツでベストセラーとなったシリーズの3作目で、シリーズ中の代表作とのことだが、見方を変えると前作が良かったから読者層が広がり、本作が売れたとも言える。
    そんなわけで2作目を読んでみたい。

  • 久々の読書で、なかなか前に進まず時間ばかりかかってしまった為 面白かったのかそうでなかったのか分からない状態。 確かに重く深い疵ではあるが、まさかのハーレクイーンなエピローグにはちょっと苦笑した。

  • 第2次世界大戦(と言うよりナチ)の傷痕が今だ生々しいドイツ。あらすじを読んだ時には、政治的な意味合いで「ユダヤ人問題」がクローズアップされた事件なのかと思ったが、あまりそこは突っ込まれず、正直ホッとしてしまった。それよりも驚いたのは、ドイツではまだまだ前時代的(だと思っていた)な「貴族」という存在にかなりの価値があるのだということ。この価値観は理解しづらい。
    しかもこの話、登場するほとんどの女性がタフで、男性陣のヘタレっぷりが際立っているけど、これはドイツの国民性?(確かにメルケル首相はタフそう)

    だいぶ細切れで読んだ為、警察が右往左往していた印象しかない。でも一気に読めばなかなか面白いと思う。気になる点はあるけれど。
    以下、不納得な点。
    ・カタリーナがカルテンゼー家を憎む理由(読み落としでなければ、そもそも明かされていない気がする。どんな理由だろうと興味津々で読んでいたので、肩透かしを食らった気分)
    ・勧善懲悪すぎるラスト(手記が発表されれば確実にユッタも終わりでは?普段は勧善懲悪の方が好みだけれど、この収束の仕方には違和感)
    ・大きな事件の割に関係者範囲が狭い
    ・捜査陣側の苦戦に対して、犯人の告白であっさり解決方向(苦戦した甲斐がまったくない。告白が無ければ、解決したかが怪しい)

  • とにかく登場人物が多くて、同じ人でも名前で呼ばれたり苗字で呼ばれたり(本当は・・・みたいな人もいるし)で「この人誰?」と登場人物一覧と首っ引き状態なのがちょっとつらかったけど、でも面白くて(ネタ的に『面白い』はないんだろうけど)結構一気に読めてしまった。こういうのを読むと、ドイツじゃまだ第二次世界大戦は終わってないんだな、と思う。日本でもありそうな感じもするけど、どうなんだろ。

  • 大変読みごたえのある作品でドイツらしいずっしりとした重厚なミステリーであると言える。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file5/naiyou19301.html

  • ホロコーストを生き残り、アメリカ大統領顧問をつとめた著名なユダヤ人が射殺された。凶器は第二次大戦期の拳銃で、現場には「16145」の数字が残されていた。司法解剖の結果、被害者がナチスの武装親衛隊員だったという驚愕の事実が判明する。そして第二、第三の殺人が発生。被害者の過去を探り、犯罪に及んだのは何者なのか?

    前半は登場人物が多くて、ただえさえ海外の人物名を覚えるのが苦手で辟易しかけたんですが、二人目の殺人が起こるあたりからようやく関係図が理解できて、オリヴァーとピアの二人の刑事にも親しみが出てきたおかげもあり、一気読みでした。面白かった!日付の意味とは・・・そうか、日本だと書き方が違うから違和感ですが、納得。ナチスに関しては社会常識程度しか知りませんが、十分ミステリとして楽しめました。さりげなくエロかったりグロかったりするのは海外って感じですねw幼い頃よく読んだ本を翻訳してた酒寄さんが翻訳ということでちょっと親近感。シリーズ第3作目ということですが、他に邦訳版が出てる4作目も読みたいな。

  • 「白雪姫には死んでもらう」から読んだので時系列は遡ってしまう。
    オリヴァー夫妻がラブラブなのがチョット違和感。
    80歳を超えた老人を次々に処刑する連続殺人事件が発生。
    何故ひざまづかせて後頭部を撃ち抜くのか、事件現場に必ず残される6桁の数字は何を意味するのか?
    戦時中にまで遡るドイツ貴族一族の隠された暗部とは?
    中々いい出だし、一族郎党がうじゃうじゃ出てくるのは「ドラゴンタトゥーの女」を思い出させる。スウェーデンの名前も覚えにくかったがドイツ人名も覚えにくい。しかも物語後半で殺された老人達は名前を偽っていた事が判明、読み手は益々混乱、もう登場人物一覧表と家系図に首ったけ。(あれ?この日本語は正しい?)
    じっくり、且つ一気に読まないと面白くないでしょう。
    人間関係がチャンと頭の中に入っている人には素晴らしいオチが待っています。

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