双頭の悪魔 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 2-3)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 388
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  • Amazon.co.jp ・本 (698ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488414030

感想・レビュー・書評

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  • ★3.6くらい
    EMCは全員登場した方が面白いなと思った。話を読み終えるとタイトル通りなのに、読んでるうちは全く気が付かなかった。学生アリスシリーズの読みやすさを再確認。
    動機についての納得感が個人的に少なかった。

  • 完璧なフーダニットなのは頷けました。
    この人が犯人なのかなぁと漠然と感じながらも、3度の挑戦は挑まず進んでしまいました。
    緻密な論理展開がやはり魅力で、少し頭が疲れました。全二作よりも事件がトリッキーで、複雑大規模でした。

    動機なども含めると、個人的に前作の孤島パズルの方に軍配です。フーダニットだけで言うと、こちらが圧勝かな?と思いました。

  • これまた新しい〇〇殺人、、江神シリーズ

  • 個人的に初の有栖川有栖。どこかでお薦めされてたので読んでみた。

    他人を寄せつけず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだまま、マリアが戻ってこない。
    救援に向かった英都大学推理研の一行は、大雨のなか木更村への潜入を図る。
    江神二郎は接触に成功するが、ほどなく橋が濁流に呑まれて交通が途絶。
    川の両側に分断された木更村の江神・マリアと夏森村のアリスたち、双方が殺人事件に巻き込まれ、各々の真相究明が始まる…。

    マリア側、アリス側の双方で殺人事件が発生し、マリア側は江神が、アリス側は推理研の3人+αがそれぞれ推理と真相究明を行うという一冊で二度美味しい(?)長編。
    特にアリス側のあーでもないこーでもない感が結構楽しい。
    最終的に双方の事件は一つに収斂されていくのだが、その流れが怒涛の勢いなので最後は読むのが止まらなくなる。

    途中に3つほど「読者への挑戦」があり、それぞれWho done itを示せ、との事だった。
    個人的にはこの手の仕掛けは好きではないのだが、好きな人にはウケそうである。
    (推理小説を単純なエンタメとして読んでるもので…。犯人を先に当てる楽しさとかよく分からない)

    こっから豪快にネタバレ。


    殺人としては3件発生し、最初の2件は「交換殺人」とかいうとんでもない代物だった…。が、調べてみたらミステリでは割と良くある話なようで。
    殺す相手を交換することで動機からの割り出しをやりにくくし、かつアリバイも作り易いとか。
    んでこの小説では交換殺人を裏で操ってた黒幕まで登場。
    ここで不思議なのが「黒幕氏は実行犯2人にどのように信頼を得たのか」って所。
    だって人殺すんですよ?依頼を受けて、バレないからって「はい分かりました」ってやらないでしょ。
    そこに特に言及が無かったのでややモヤモヤ。

    あと小野さんの死体はあんな風に派手にする必要なくね?とか。
    逆立ち状態で台の上とか、必要性が薄いんじゃないかと。
    それこそ誰も知らなさそうな鍾乳洞の奥の方とかに落としておけば発見されにくいし。
    耳も保管する必要ないし、相原さんも川に落としておけば良いのに。

    いわゆるWho done Itに無茶苦茶力を入れていて、whyと howが若干弱いなーと。

    それと途中に入る芸術?音楽?の深い話。何にも知らない人にとってはよく分からない話が延々続くので、やや苦痛である。

    そんな風に色々とツッコミ所はありそうだが、これだけの長い話を最後に一気にまとめた上に読み物としての面白さを保っているのは単純に凄い。
    長さを苦に感じない良作である。

  • 環境や状況説明がながく、事件発生まで時間がかかった。
    後は文字に流されるまま、必死に読んでいくのだがやはり挑戦には勝てなかった。悔しさはなく、なるほどなるほどと頷きながら本書を閉じるのだから、チョロい読者だなぁ、と我が事ながら苦笑してしまう。

    しかしマリアはなぜまだ帰れない理由を口にしなかったのだろう。そこだけ釈然としない。

  • 「学生アリスシリーズ」第3弾。
    四国高知県の北で徳島県との県境、四国山地の奥深い集落「木更村」に向かった有馬麻理亜が戻らない。英都大学推理研の江神・織田・望月・アリスは連れ帰るべく集落へ向かう。芸術家が集う「木更村」と隣接する「夏森村」が大雨で橋が分断され、マリア・江神は木更村、アリス・織田・望月は夏森村でそれぞれ殺人事件に巻き込まれる。前作の傷の癒えぬマリアが再び惨劇に。
    読者への挑戦を3度挟む超大作であり、マリア・アリス各々の視線で語られる物語は面白く、ロジックは美しく素晴らしい。
    ★★★★★ 5.0

  • 第3弾
    家出したマリアを取り戻しに来た4人、江神の侵入、村の孤立、両方で起こる殺人。4人の誰も思っていないのに、マリアの我儘さにうんざりして、でも事件が起こったら忘れてぐいぐい読み進められた。江神の回転率にやっぱり驚かされた。そこへの道のひとつずつが納得できるし、挑戦にあったように、本当に読んでいればわかっていい結論だった。でも、彼が最後そうすることにしたことには驚いた。本人には良かったかもしれないけども。理想宮ってどこかにあるのだろうか… 初読の記憶と物語が違い過ぎて、自分の記憶力のなさが1番怖かった。

  • これも鈴木有布子さんにコミカライズして欲しいなあ。
    何回も読み返しているのに、「読者への挑戦」にたどり着くまでに何にも分からない。またしても。誰が犯人なのかはうっすら覚えていたのに、途中の手掛かりがつかめません。修行が足りない私です。

  • 2回めもすぐに読んだ。芸術家がこれだけたくさん出てくる小説なので、キャラクターも魅力的で申し分ない。相変わらず読者への挑戦も分かりそうで分からない展開に翻弄されました。なんだろう、あっと驚くというよりは、少ないヒントから正攻法で推理をしていく展開が非常に鮮やか。トリックや動機で驚きたい自分に気づきました。好き嫌いのところで星4点です。

  • 前衛芸術家集団の住む四国山奥の洋館と対岸の村で起きた殺人事件に、英都大学推理小説研究会のメンバーが挑む推理小説。

    唯一の女子部員マリアが、旅に出たきり帰ってこない。
    マリアの父親からその居場所を告げられた江神たち部員は、彼女を救うべく洋館への潜入を試みるが芸術家たちに阻まれ失敗、江上を除いて川の両岸に引き離されてしまう。

    事情を理解した芸術家たちがマリアを帰そうとした矢先、大雨で両岸を繋ぐ橋が決壊してしまう。さらには両地で殺人事件が発生…犯人は誰か?江神は明晰な頭脳を駆使し、アリスたちは議論の末に真相に迫っていく。

    直前に読んだ島田荘司作品の反省を活かし、目を皿のようにして文面を追った。しかし、僕自身は第2、第3の謎を解くことは出来なかった(すぐ見破る人も多いでしょうが)。

    複雑な舞台設定の一方で、使用されているトリックは至ってシンプルであり良い意味で呆気にとられた。また、要所要所でユーモアがあふれ、推理小説なのに血生臭さがない。

    さらに、表紙カバーイラストが素晴らしい。

    有栖川有栖は初めて読んだが、本作が傑作といわれる所以がわかったような気がする。他の作品も読んでみたい。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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