三鬼 三島屋変調百物語四之続

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著者 : 宮部みゆき
  • 日本経済新聞出版社 (2016年12月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (572ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171414

三鬼 三島屋変調百物語四之続の感想・レビュー・書評

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  • 三島屋シリーズ四 それぞれの話が重く辛く でも温かく心に染みいる物語だった。「人の世は思うに任せぬ。悲しい悔しい腹が立つ。..でも後ろばかり向いていたら後ずさりで生きる事になっちまう」宮部さんの現代物は同じように重く辛いものが多いけれど 時代物はその辛さのあとに 救いやぬくもりが残って 好ましい。そして やはり日本語 大和言葉は優しく綺麗だと心から思う。

  • 三島屋百物語第四弾。「迷いの旅籠」では死んだ人一人一人に言い聞かせるやさしさに胸が打たれた。「食客ひだる神」ではひだる神のために夏の商いを休むという面白い話。表題の「三鬼」は貧しい洞ヶ森村での出来事が息もつかせないくらい迫力でせまってきて人間の醜さ、おろかさを痛感した。「おくらさま」も呪いと引き換えに受けていた守護も消えてしまう最後にどきどきした。最後に聞き手のおちかは時を止め、悔恨に打ちひしがれ昔を恋うて懐かしむだけの老女になってしまう。さもなきゃおくらさまになると言われることから次回の聞き手はおちかではなくなるのか?趣向がかわるのかと思ってしまった。このシリーズは続いてほしい。

  • 【ネタばれ感想注意】

    シリーズ四冊目で、今作は四話入っています。

    第一話「迷いの旅籠」
    『三島屋』シリーズによく出てくるような生者と亡者のお話だと思いました。

    第二話「食客ひだる神」
    このシリーズには珍しい人と妖しの持ちつ持たれつの共存のお話で、読み終わった時に温かい気持ちになりました。
    『あんじゅう』を彷彿とさせるお話です。
    この世に未練を残して亡くなったひだる神だったので、弁当屋の夫婦の情の深さと腹いっぱい食べられた満足感に成仏したのだろうと思います。

    第三話「三鬼」
    表題になった物語です。
    シリーズ三冊目『泣き童子』の中にあった「まぐる笛」のような正体不明な妖しの話かと思ったら、貧しい山村の口減らしという哀しい風習の話でした。
    国を治めるお殿様がしっかりしてないと、貧しい人達がより一層辛い目に遭うという戒めの話でもあると思いました。
    しかし、題名にもなった『三鬼』。
    初めは「三人の鬼」を予想してたのですが、読み終えて「三人『目』の鬼(の正体)」という意味だと分かりました。
    四話の中でもかなり重い話だと思いますが、やはり一番強く心に残りました。

    第四話「おくらさま」
    別れと出会いのお話でした。
    人の良い叔父夫婦に似て、二人の従兄弟も性格の良い兄弟でおちかを妹のように可愛がってくれているのがほっとします。
    結局、「おくらさま」は生け贄で成り立っていたのでしょう。
    そして、お梅さんは「おくらさま」の良心だったのかなと思いました。

  • 三島屋の百物語シリーズ4作目。
    4つの話で560ページ!
    読みでがあります。切ない話が多かったように思います。
    三鬼。ちょっと怖ろしく、やるせない思いです。
    おくらさま。切なさでいっぱいでした。
    今後の展開が楽しみ。新聞で連載されているので本になるのが楽しみです。

  • 全体的に長く、やや冗長に感じる。
    明るくて面白かったのは「食客ひだる神」。疎んじるのではなく、ひだる神を肯定し、共存する関係性が好ましく、珍しく楽しい話。
    「おくらさま」は、ルールを逸脱したところが目新しい。去る者、加わる者。おちかの変化の兆しを感じる。
    「迷いの旅籠」は、ことがおこるまで長かったものの、落とし前のつけ方にグッとくる。

  • 三島屋シリーズ第四作。
    相変わらず前置きが長いけれど、その前置きもドラマがあって入り込める。本題に入ると益々目が離せない。
    「迷いの旅籠」死者に再会できる代わりに…。
    「食客ひだる神」飢える神様を食わせれば商売は上手く行くがその代わり…。
    「三鬼」極貧の村で生きていくためにはその代わりに…。
    「おくらさま」商売繁盛、お店を守ってくれる神様は代わりに…。

    何かを得るために何かを失わなければならない。。何かを増やすためには何かを減らさなければならない。
    どちらかを選ぶことが幸せに繋がるなら良いのだが、それが難しい場合は…。

    唯一ほのぼのしたのは「食客ひだる神」。こちらは良いバランスを最終的に得られて良かった、
    他の話は切なかったり苦かったり。
    そのことが主人公おちかにまた一つ新たな思いや決意をもたらしたのは良かった。
    シリーズとしても転機の回。一つの別れと新たな出会い。
    どのような展開を見せるのか楽しみ。

  • 「おそろし」シリーズの4作目になるようだ。しかしまあよくこんなに嘘話を思いつくなあと感心する、著者のストーリーテーリングは現段階では日本一ではないかとさえ思う。本作で話の展開点を迎えたようで、密かに恋していた青野利一郎が去り新たに勘一が登場しきっと変化が生じるだろう、このシリーズはまだまだ続きそうだ。BS・NHKで波瑠が主演で映像化されたが、出来はすこぶる良かったので、「おそろし」の続編を製作してほしいものだ。

  • 分厚いけれど、相変わらず一気に読める面白さ。最後の「おくらさま」のように、おちかの身近な人々が登場するお話が好き。

    人の世は出会いと別れの繰り返し。後ろばかり見ていたら、後ずさりで生きることになって余計に危ない。
    縁を失い、新たな縁を得ることで、一歩前に進むおちか。次作で三島屋のシリーズが終わってしまうのではないかという不安を感じる一方で、富次郎や勘一という新しいキャラクターも登場して新たな展開の予感も。

  • 560ページもあるのに今回もあっという間に読み終えてしまいました。三島屋シリーズ、安定の面白さです。
    煮売り屋と富次郎の甘味談義が、とても美味しそうでお腹がすきました(笑)。
    タイトルにもなっている三鬼のお話は、色々辛い物語でした。
    おくらさまでは馴染み深い登場人物がいなくなってしまって、私もおちかと一緒に悲しみました。
    今、一番続きを楽しみにしているシリーズです。次巻も期待。

  • 変わり百物語四冊目。
    100話続けたらどうなるんじゃろう、と、いらんことが脳裏によぎりました。

    重く、語りごたえ、聞き応えのある話がよっつ。
    ただし読んでいる方としては心の臓に刺さるでもなく、あるいは笑い飛ばしてしまうでもなく、なんともいい塩梅。
    町人、お武家、小百姓、様々な立場の人が出会ったかいいと言うべき何かが折り重なる。
    前作までにおちか自身に降りかかった怪異はあまり、なんというか、(私の読感的に)好ましいものではなかったけれど、今度の話は好きですね。
    はい。
    面白かったです。

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三鬼 三島屋変調百物語四之続の作品紹介

待望の最新作は冬に贈る怪談語り、変わり百物語。
鬼は人から真実を引き出す。人は罪を犯すものだから。不思議な話に心がふるえ、身が浄められる。

江戸の洒落者たちに人気の袋物屋、神田の三島屋は“お嬢さん"のおちかが一度に一人の語り手を招き入れての変わり百物語も評判だ。訪れる客は、村でただ一人お化けを見たという百姓の娘に、夏場はそっくり休業する絶品の弁当屋、山陰の小藩の元江戸家老、心の時を十四歳で止めた老婆。亡者、憑き神、家の守り神、とあの世やあやかしの者を通して、せつない話、こわい話、悲しい話を語りだす。
「もう、胸を塞ぐものはない」それぞれの客の身の処し方に感じ入る、聞き手のおちかの身にもやがて心ゆれる出来事が……

第一話 迷いの旅籠
第二話 食客ひだる神
第三話 三鬼
第四話 おくらさま

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