ウィニング勝利の経営

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532312404

感想・レビュー・書評

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  • ジャック•ウェルチが説く経営についてのエッセンスを知る内容。尖った手法が多いが、とかく大企業を運営する上においては、有益と思われる指摘項目が多い。

  • 最初の数ページを読んだだけでもう既に五つ星なんですけど!
    それから、和訳がとても自然で読みやすい!いい本だ。

    1.ミッショントバリュー
    ミッションとは「私たちはこのビジネスでどうやって勝とうとしているのか」
    バリューとは行動規範。具体的過ぎるということはない。実践する人には報酬、しない人には罰を与える
    ミッションは方向性を正確に示し、バリューはその目的に到達するためにとるべき行動を表現する。一貫性が必要

    2.率直さ
    勝ち抜くためには率直であることがきわめて重要。(アメリカでさえそこが問題ならいわんや・・・)
    「ワークアウト」による生産性向上。(文句言い大会ではない)

    5.リーダーシップ
    飛ばし読み。要再読

  • ジャック・ウェルチが語る、経営に必要な考え方・行動の指南書。
    トップがどのように組織を運営すべきかはもちろん、一プレイヤーがどういった
    スタンスで仕事に取り組むべきかまで網羅する、幅広い内容。

    個人的には、予算に関する部分が目から鱗の内容。報酬は予算と連動させず、
    前年対比や市場(含:競合)対比で評価することで、野心的な事業計画が
    立案可能となり、それが競争優位の創出に繋がるというのには非常に納得。


    ■経営理念(ミッション)と行動規範(バリュー)
    ・ミッション=「私たちはこのビジネスでどうやって勝とうとしているのか」
     ミッション作りは経営トップの責任。最終的な責任を取る立場の人しかできない。

     GEの場合は「世界で最も競争力のある企業になる。
     そのため、全ての市場でNo.1or2になる。その可能性のない事業は、
     テコ入れするか、売却するか、閉鎖する」

    ・バリュー=「ミッションをいかに実践するか、具体的で詳細にわたって
     明確に記述されており、業務命令としてそのまま使えるもの」
     バリューに関しては、全社員が発言の機会を持つべき。

     バリューの実践は、サポート体制にかかっている。例えば、好業績を挙げても、
     バリューに基づく行動がなければ解雇するぐらいのトップの関与が必要。


    ■率直さ
    ・率直であることの大きなメリットは3つ
     ~多くの人が会話に参加し、豊富なアイデアが得られ、改善が進む
     ~スピードが上がる(すぐにアイデアを議論できるetc)
     ~コストを削減可能(無駄な会議が減るetc)

    ・ただ、本音を言わないのは「楽」なので、意識的な環境整備が必要。
     率直さを引き出すために報酬を与え、褒め、語り続けることが効果的。
     これは上司任せにしてはいけない。オープンな対話は組織のどこからでも始められる。


    ■選別~事業と人
    ・会社の資源は限られており、有効活用するためには、事業も人も選別が必要

    ・事業の選別基準はミッションの通り。
     割引収益率は、前提次第でいくらでも数字が変わるので、あまり信用していない。

    ・人の選別は、トップ20%、ミドル70%、ボトム10%に分類すること。
     そして、この分類に従って「具体的な行動」を行う。
     ~トップ:報酬、研修etcを与える(誰がスターかを明確にする)
     ~ミドル:研修・アドバイスを与え、様々な業務経験を積ませ、
          上のレベルに上がる可能性を持つ人を見出し、育成する。
     ~ボトム:透明性の高い評価制度があれば、ボトムの人は、
          自分たちがどういうポジションにいるか弁え、話をすれば、
          自ら辞めていく(必要とされない組織にはいたくないもの)。
     ミドルが会社の中核。未来のスターはこの中にいる(放って置くと辞められる)。


    ■リーダーシップ
    ①リーダーはチームの成績向上を目指して一生懸命努力する。
     あらゆる機会を捉えて、メンバーの働きぶりを評価し、コーチし、自信を持たせる。
    ②部下にビジョンを理解させるだけでなく、どっぷり浸からせることが必要。
    ③リーダーはみんなの懐に飛び込み、ポジティブ/楽天的志向を吹き込む。
    ④リーダーは率直な態度、透明性、信用を通じ、信頼を築く。
     ~リーダーは部下のアイデアを盗んだり、自分の考えと言ってはなさらない。
    ⑤リーダーは人から嫌われるような決断を下す勇気、直感に従って決断する勇気を持つ。
    ⑥リーダーは猜疑心と言ってもよいほどの好奇心で部下に関与し、行動で答えさせる。
    ⑦リーダーはリスクをとること、学ぶことを奨励し、自ら率先して手本を示す。
    ⑧リーダーは派手にお祝いをする。


    ■戦略
    ・戦略についてじっくり考えるより、その分、体を動かせ。

    ・考え方のヒント
     ①「あ、そうか!(冴えていて、現実的で、永続的な競争優位性を比較的早く
      もたらす何か)」を思いつくこと。
     ②「あ、そうか!」を実践するための適材適所を実施。
     ③「あ、そうか!」を実践する最善の方法を社内外を問わず探し、採用し、改善する。

    ・「あ、そうか!」を考える5つのシート
     ①競技場は今どんな状況か?
      ~市場参加者の確認と各社の強み弱み、事業特性の把握、主要顧客の特性把握
     ②競合相手は何を考えているのだろう?
      ~競合相手はゲームの性格を変えるような取組みをしているか?新規参入の動向は?
     ③当社は何をしているのか?
      ~ゲームの性格を変えるような取組みは?かつての競争優位性を失ってないか?
     ④曲がり角の向こうには何がある?
      ~将来最も恐れる事態は何か?ゲームを変える要素は?どんなM&Aがショック?
     ⑤勝利するための一手は?
      ~業界の姿をガラリと変えるにはどうする?顧客の当社依存度を上げる方法は?


    ■予算
    ・市場対比/前年対比でどうすればいいかを考える。
    ・計画は野心的な目標で、方向性を示すもので、数字は「最善を尽くした場合」のもの。
    ・このためには、事業部/個人の報酬は予算の数字と関連付けされず、
     競合対比/前年の業績対比で検討され、現実的な戦略機会と障壁を考慮して決める。


    ■買収・合併
    ・対等合併は存在しない(すると、その前提そのものせいで自滅する)。
    ・戦略上の適合性と同じくらいカルチャーの適合性も重要(必要条件)。
    ・交渉の間に譲歩しすぎると、被買収企業に主導権を握られる。
    ・占領軍症候群に陥ると、新たな人材発掘という合併の大きなメリットを失う。
    ・被買収企業は、能力のある抵抗者より、協力的な人が選ばれることを意識すべし。


    ■昇進
    ・どんなにちゃんと筋書きがあるように見えても、キャリアは何らかの純粋な運で決まる。
    ・期待をはるかに上回る業績を上げ、そして、あらゆる機会を捉えて、
     与えられた任務を超えて仕事の範囲を広げること。
     ~会社の大きなプロジェクトや推進運動に関与し、存在感を示す(レーターに写る)等
    ・多くのメンターを探し求め、助言を求める事。ポジティブな態度で周囲を感化する事。


    ■仕事と家庭のバランス
    ・仕事と家庭のバランスは、何を手元に残し、何を諦めるかという自分自身との交渉。
    ・上司が最優先するのは競争力であり、それに貢献できていれば、上司は仕事と家庭の
     バランスを取る際に協力してくれるだろう(最初に「貸し」を作るのが肝要)。


    ■シックス・シグマ
    ・シックス・シグマは平均ではなく、バラツキを取り除くこと。
     この過程で「流れ」に潜む無駄・非効率を洗い出し、改善する。

  • 世界でも超一流の経営者に、ここまで教えて頂いていいのだろうかと、恐縮しっぱなしであった。

    会社経営から部下のマネジメント、個人のキャリア形成まで幅広い内容を、ウェルチさん自身の言葉で、歯切れよく明快に語ってくれている。

    広範な話題の中で、どこがその人に響くかは、その人のその時の状況によると思う。以前読み飛ばしたミッションとバリューについてだが、組織運営に関わるようになって読み返してみたら、非常に勉強になり納得感があった。

    傍らにおいて、折りにふれ読み返したい本。

  • やり方は極端かもしれないが好きかも。
    これくらいやらないと厳しい世の中は生きていけないかもね。

  • トップは猛然と行動してなんぼ、と再認識させられた

  • 20世紀最高の経営者と呼ばれるGEの元CEO、ジャック・ウェルチの経営HOW TO本です。
    (ちなみに、回顧録として『わが経営』があるらしい。)

    45歳から20年間CEOだったそうですが、よくある「確かにすごいけど、すご過ぎて今の自分には関係な~い」という本ではなく、昇進や上司との付き合い方といった一般ピーポーのところまで降りてきてくれているのが非常によい。

    一番印象に残ったのは「選別」の話。

    事業も人も、ダメなときはダメと言ってあげた方が、最終的には、事業であれば別の事業に舵を切れるし、人であれば合っていない仕事に中途半端にいつまでもつかせることもなくなる…それが一番だということです。

    多くの日本企業にはない発想じゃないかな。

  • ジャック・ウェルチ氏が、各種講演で問われたことへの答えをまとめて書籍にしたもので、ウェルチ氏の知見の塊であり、非常に刺激的な内容である。
    これまで過激で冷徹な人物という印象が強かったが、そのベースとなるのはビジネス上の成果に焦点を当てて、人材の重要性を認識していること、というのが伝わってくる。
    人の目利きと権限委譲、責任の明確化は、リーダー自身が考えなければいけないこと。また、人事部門を財務部門と同じ重要性とすることというのは、財務偏重のきらいがある欧米経営とは一線を画すもので、個人的には納得できるもの。
    ビジョン・ミッションはリーダーが考えるものということで、よくあるみんなで話しあって決めようということを否定している。成果に責任を負える人に、その仕事を任せるというコンセプトが貫かれているので、ビジョン・ミッションといった中長期の課題に責任を負えるのは長期的にトップにい続けるリーダーということだろう。
    一読して、参考になった箇所が多くあった書籍であり、時間を置いて再読することで、理解度が更に醸成されるだろう。これを読むと、ジャック・ウェルチ嫌い(スティーブ・ジョブズ好き?)の人も、少しは興味が湧くのではないか。

  • 著者の信念ついて非常にわかりやすく書かれており、またビジネスシーンにおける具体的なアドバイスまであるという充実っぷり。
    一方で、これは世界でもトップクラスの成功を収めた人の考えであって、この人に凡人の気持ちはわからないんだろうなと思わなくもなかった。
    ただこの本で書かれているような方向を目指すことに間違いはないだろう。優れた経営者の代表例として名高いのもよくわかる。自分も精進しようと思わされる一冊。

  • さすが、ザ ベスト オブ サラリーマン、という印象。とにかく福屋工務店と同じく、熱意を持って仕事に邁進すれば、あとは運もあるから、どんな苦境に立たされても腐らず、目の前の事に打ち込め、ただし、家庭やプライベートとのバランスまでは保証出来ないよ、そこを理解して全てを前向きに受け取れば、充実したビジネスマンになれるぜ!
    アメリカを凄いと尊敬する面と、だからウザいって言われるよと感じる面が、ストレートにジャックが語る本だ。元気は出る。

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著者プロフィール

前GE会長兼CEO
1935年生まれ。60年GE入社。68年に最年少ゼネラル・マネジャーに就任。73年グループ・エグゼクティブ、77年セクター・エグゼクティブをへて81年会長兼CEOに就任。以来、21年間にわたりGEの変革に取り組む。産業界、メディアから「20世紀最高の経営者」の一人と称えられる。2001年に退任し、現在は著述・講演活動で世界中を飛び回っている。

「2018年 『ジャック・ウェルチの「リアルライフMBA」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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