知性の磨きかた (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569553405

感想・レビュー・書評

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  • おもしろい
    この人のかんがえていることに共感できる

  • 2000 

  • 本質は同じであるが、今まで読んできた、そして考えてきたものとは違う視点で「学問」「読書」といったものを捉えていた。
    基本的に「放任主義」というか、強制を拒む。ぼくは強制を好むわけではないが、林さんの考え方は初めてみるものであった。

  • この1冊は初版が96年なのでちょっと古い本なんですが、なんと
    なく手にとってなんとなく借りました。ですがこの本、ものすごかっ
    たです!やはり自分とは価値観の違う人だと刺激を受けます。自分
    の中ではもう座右の書として仲間入りを果たすレベルまで行ってし
    まうぐらいの大ブレイクな1冊でした。

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  • <感想>
    著者が語りかけてくる文章。
    最初はあまりにも高い志に抵抗感を抱いていたが、呼んで行くうちに、そうすべきだと納得感が生まれてきた。
    いかにも大学教授という感じがした。
    知性を磨きたくなった。


    <要点>
    ■まず絶対に1つのことに遭遇しなさい。しかも十年間1つのことをじっくりと修行して、ゆるぎない方法というものを身につけなさい。それによって将来、どういうふうにでも応用がきくから。
    ○広く浅くではなく狭く深く。というより、簡単な知識よりは方法を身につけることが大切なんだろう。

    ■方法の例
    ・今までの人がどうやって研究してきたかトレースすること
    ・一つの言葉にどのようなバックグラウンドがあるかということを細かく見ていく

    ■趣味だからといって世界一を目指さなければならない。

    ■世の中で大きなことを成し遂げる人は必ず忙しい中で何かを成し遂げる。忙しいからといって、それをいいことに、たまには休みをとらなきゃ、なんていって、時間ができたらビールを飲んでひっくり返ったりしているようではダメ。

    ■内的動機のない読書は、読破することが目的になってしまう。また、読書を強制させるとその著書に対し「おもしろくない」というイメージを持たせてしまう危険性がある。

    ■本は借りるのではなく買い、家に置いておくべき。本の内容は忘れてしまうが、印象深い本はその本の表紙などをみるだけでなんとなく内容を思い出すモノ。

    ■論理的に考えれば、寝転がって読むということは、体を楽にして読むわけだから、無用な力を用いずして、ただ目と頭に集中できることになる。このように、読書はできるだけ快い、案楽な、自分のやりやすい方法でよみなさいということ。

    ■一日24時間しかない時間を有意義に過ごすということは常に自分自身の目的を持っていきること




    <実践>
    ○広く浅くではなく狭く深く知識を身につける

    ○休みは遊ばなければならないという考えを捨てる。休みは休む。むしろ休みは必要?なにがオン?オフ?

    ■内的動機のない読書は、読破することが目的になってしまう。また、読書を強制させるとその著書に対し「おもしろくない」というイメージを持たせてしまう危険性がある。
    ○教育にいかそう

    ○借りた本で良い本は買う、買う、買う

    ○細かいことにこだわらず、楽な姿勢で読む

  • 普遍の方法は、それまでの研究をトレイスすること、一つ一つの言葉にどのよう
    なバックグラウンドがあるか細やかに調べること。その上で、どのように解釈で
    きるかというのが方法。

    雑学

    次元とは、空間や図形の広がりぐあいや複雑さを表す。座標概念を作ったデカル
    トは、次元は位置を決める個数によって決まるとした。地球表面は、緯度と経度
    の二次元。点が動くことのできる軸の数。 平面として入り、脳によって三次元か
    。時間とは運動。この宇宙で絶対は光の速度だけ。
    世次元立方体テセラクト。端が点が、ゼロ次元、端が立方体が四次元。 フラクタ
    ル図形
    渇愛によって、乱れが生じる。分からなければ、分かる愛に委ねよう。ある実業
    家は、成功するために必要な言葉は、私は困っていない。という言葉

    ヤフーはじめメール 日本語文章小論文 商材 商材たち light ビジネス

  • 知性とは何か。自分が知性という言葉の意味を考えたことがなかったことに気付かされた。
    林さんの考え方は凝り固まっていないようで、芯がある。
    本の半分が知性とはずれていたけれど、自分に芯を作る、自分の生き方は自分で作る、という当たり前でもよく忘れてしまう大事なことを見せてくれた。もう一度読みたい本。

  • 学問、読書、遊ぶということについて述べている本。
    学ぶということは、方法論を身につけることである。一部の人が本当の学問を修めればよく、あとの人は遊びたいのであれば遊べばよろしい。
    最近の若者は本を読まないという批判については、昔と今では大学生の数が違い、「本を読まないような人達でも大学へ行くようになったことを喜ばなきゃいかん」といい、名著なんてものはただの流行だと切り捨てる。
    遊びについては、自然を満喫と言いつつデカい車(総じて排気ガス量が多い)でキャンプ場まで乗り付けて、最近はシャワーなんてものまで浴びてたりする。まったくおめでたいことだと戒める。アウトドアやどこかに出ていかなければ、余暇・レジャーではないという流れがあるが、別に家にいてゴロゴロ読書したっていいでしょと、筆者は言う。また、個人主義が利己的であるという考えがまだ残る日本の意識は、変える必要があるというところまで踏み込む。

    「方法」を身につけるー丁寧な教育は方法を学ぶ上では妨げになるー自由にし正しい方法で進めたことを認めることで、人は方法を会得する

    口述だと、キーワードより文章の方がまとめやすいことを知る。手に取ったきっかけは「読書」をキーワードとするものであったが、内容としては「学問」のパートが一番好きである。

  • 「人が何か自分の人生というものについて非常に懊悩して、底深い問題意識があって、人生とは何なんだ、己というものは何なんだろう。こういうふうに思ったときにね、たとえばニーチェを読むとか、サルトルを読むとかいうようにして、自分の人生に対する1つの答えをそこへ求めていく。読書っていうのは、そういうときに、ここにカッコをつけて強調したいんだけど、

    『その人にとっての意味』があるんだと思う」

    →この林望という人、1980年代のイギリスにおける研究生活において多感な日々を送ったためか、世俗にとらわれない自由奔放な考え方をもっていて、中々興味深い。部類の読書好きで、一日中寝転がって読書することが最高の幸せとか言ってる辺り、ちょっと浮いてるんだけどね。でも、自分の仕事を「この地球の小天地に、かすかに息をしていたいということの証し」とか、ニクイことをおっしゃる^^

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著者プロフィール

1949年東京生。作家・国文学者。

慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程満期退学(国文学専攻)。東横学園短大助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年日本エッセイスト・クラブ賞。『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(Pコーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で、国際交流奨励賞。学術論文、エッセイ、小説の他、歌曲の詩作、能作・能評論等著書多数。『謹訳源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年毎日出版文化賞特別賞受賞。2019年『(改訂新修)謹訳源氏物語』(祥伝社文庫)全十巻。ほかに、『往生の物語』(集英社新書)『恋の歌、恋の物語』(岩波ジュニア新書)等古典の評解書を多く執筆。『旬菜膳語』(岩波書店・文春文庫)『リンボウ先生のうふふ枕草子』(祥伝社)、『謹訳平家物語』全四巻(祥伝社)『謹訳世阿弥能楽集』(檜書店)『謹訳徒然草』(祥伝社)等著書多数。

「2021年 『古典の効能』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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